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■ 五島へ

野暮用で長崎県の五島列島へ。目的地は、中心部福江。福岡空港からORCのプロペラ機で福江空港を目指す。羽田からのJALやANAが発着する第2ターミナルとは雰囲気の異なる第1ターミナルからの出発。なんか、地方のバスの待合所みたいな雰囲気だ。

さて、福江。よくある離島の港町だ。ただ、何となく、対馬よりは栄えている感じ。あ、いや、対馬みたいにハングルばかりではないので、日本的に栄えている感じ、と言った方が良いか。

食事は美味い。半端なく美味い。何と言っても魚が美味い。五島近海の魚介類がテーブルに並ぶと幸せな気分になる。何々が美味いと言うか、なんでも美味い。種類が豊富なのだ。五島の魚ってそれだけでも、魚好きの憧れだもんなぁ。あとは牛肉とうどんが有名。改めて行きたい島だ。

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ここんところ立て続けに面白そうなCDがリリースされている。財布と相談するのも億劫なくらい。しかも、最近、円安のせいか、ちょっと高くなっていると思う。それから、大量生産大量消費型のメジャーレーベルが失速し、多様化するニーズに合わせた少量生産で高価なCDをリリースするレーベルが増えてきた。過去の音源を叩き売りする昨今の潮流とは別に、もう一つの潮流を作りつつあるように見える。自分は、この新しい流れに流されつつあるので、費用がかさむ…。

でも、一昔前では考えられないような面白い企画のCDがどんどん出てくるので、クラヲタ冥利に尽きると言うものだ。

さて、そんな興味深い新譜の中から、ビオンディのものを聴いている。タイトルは、『キアーラの日記』。サブタイトルに、「18世紀のヴェネツィアのピエタ院の音楽」とある。ビオンディのGLOSSA移籍第1弾とのことだが、以前契約していたVirginでは出てきそうにない企画だ。

今更だけれども、一応ピエタ院について、書いておこう。ピエタ院(ピエタ慈善院)は、ヴェネツィアにあった孤児院で、調べてみると1346年に設立されたとある(Wikipedia)。男女問わず孤児を引き取っていたが、男子は職業訓練を終えたのち、16歳になると出ていくことになっていた。一方、女子は結婚しない限り、ピエタ院に残ることができた。運営費は、裕福な貴族や商人からの寄付のほか、ピエタ院に残った女子たちの手芸品の販売やコンサート収入によって賄われていた。このコンサートは、ヴィヴァルディが指導していた合奏団によるもので、ピエタ院の収入に大きな寄与をしていた。ちょっとヴェネズエラのエル・システマに似ている。

今回のCDのタイトルになっているキアーラはこの合奏団のスター的な存在だった人物。もちろん、ヴィヴァルディの弟子。生後僅か2ヶ月でピエタ院に引き取られ、音楽の英才教育を受け、大成した。ヨーロッパ中から彼女の演奏を聴こうとヴェネツィアにファンが訪れたと言う。

今回リリースされたCDは、そんなキアーラを題材にプログラミングされた企画だ。ヴィヴァルディだらけになるのかと思いきや、7人もの異なる作曲家の曲を組み合わせて当時の雰囲気を再現してくれた。ヴィヴァルディのほかに出てくるのは、ジョヴァンニ・ポルタ、ニコラ・ポルポラ、アントニオ・マルティネッリ、ガエターノ・ラティッラ、フルジェンソ・ペロッティ、アンドレア・ベルナスコーニ。ポルポラくらいは知っているけれども、ほかは知らない作曲家ばかり。ざっくり言ってしまえば、如何にもイタリア・バロック然とした音楽ばかりだ。

ビオンディとエウローパ・ガランテの演奏は、闊達でスピード感溢れるもの。相変わらずと言えば、相変わらず。低弦がズンズン鳴っていて、その上をビオンディの切れ味の良いヴァイオリンが吹っ飛んでいく。カッコいい。ヴィヴァルディを癒しから、カッコいい音楽に変えたのは、ビオンディの功績だ。実際、どう鳴っていたのか、なんてオーセンティックな話は、どうでも良いんである。癒されるように鳴ったり、カッコよく鳴ったり…ヴィヴァルディは汎用性のある作曲家である(笑)。残念ながらほかの多くのイタリア・バロックの作曲家は、モダン楽器では退屈なものになってしまったせいか、ピリオド奏法が出てきてから注目されるようになった。

やっぱヴィヴァルディって凄いのだ。

ちなみに、このCDにはDVDがついている。ビオンディの演奏と、ヴェネツィアの風景、それからキアーラに扮した女性が演じる映像。どうもこういうものを見ると、この時代って暗いイメージがついてしまうんだよね。それにやけに闊達なヴィヴァルディが合っている。不思議。

  

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■ 仙台へ

野暮用で仙台へ。思い返せば、東北も太平洋側に行くのは久し振りのことだ。東日本大震災以降でははじめてのこと。

往きは、はじめて東北新幹線はやぶさに乗る。東京駅から仙台駅まで、途中停車駅は大宮駅のみ。上野駅すらすっ飛ばす。東海道新幹線で言うところの品川駅じゃないのか、上野駅は。もっとも、羽田空港と連絡する品川と比べれば重要性は低いのかもしれないけれども。

所要時間僅か1時間30分ほど。あっという間の移動時間。普通指定席だったのだけれども、東海道新幹線のN700系よりもずっと乗り心地は良い(ような気がする)。ちなみに、自由席はない。東北新幹線は東海道新幹線に比べると自由席は少ない。はやぶさのほか、こまちやはやても知っている限りすべて全席指定だ。また、喫煙席や喫煙スペースも全くない。東海道新幹線だと、全車禁煙でも喫煙スペースがあるのだけれども。喫煙者に厳しいのがJR東日本の新幹線の特徴だ。九州新幹線はどうなのだろうか。チャンスは少ないだろうけど、いつか乗ってみたいと思う。

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野暮用で壱岐&対馬へ。壱岐へは、博多港から九州郵船の高速船で約1時間。郷ノ浦と言う港に着く。更に壱岐から対馬へも約1時間。今回は壱岐の芦辺港から出て、対馬の厳原港に着いた。船以外でも、長崎空港と福岡空港から飛行機でそれぞれの島にアクセスできる。帰りは、対馬やまねこ空港から長崎空港へ飛ぶ飛行機を利用した。ORC(オリエンタルエアブリッジ)のプロペラ機だったが、噂に聞くほど揺れることはなかった。

見聞を広げることができたんだけれども、ここではちょっとした郷土料理を書いてみよう。相も変わらず食べ物のことで恐縮だけれども(汗)。
 
「せぎり」と言うのが、それ。これは壱岐・対馬に限らず、長崎県の各地で食べられるものらしい。壱岐なんて地図で見ると福岡の文化圏ではないかと思ってしまうんだけれども、食文化はしっかり長崎県。

で、「せぎり」何かと言うと、骨ごとぶった切った刺身である。頭、はらわた、鱗、皮、鰭を取って後は薄く輪切りにするだけ。当然骨が残る。この食感を楽しみつつ刺身も味わうのだ。自分は気に入ったのだけれども、これは苦手な人は苦手だろう。カルシウムは豊富。

あまり表メニューにはなっていないとのことなので、要交渉。ただし、それなりの調理人の居るお店でないとダメ。あと、小さめの魚でないと作れないらしい。アジでも小ぶりのものがあれば、ということ。こういう観光向けではない郷土料理を食べて、美味しいと嬉しいものだ。

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先日、野暮用で長崎→佐世保に行ってきた。

長崎と言えばいろいろあるんだけど、結局、食ばかり…なんだよね、野暮用で行く場合。長崎の場合、まずは中華。ちゃんぽん、皿うどん、角煮まん。これ、中華と言っても、純粋な中華じゃなくって、長崎製中華。カステラなんかもそうなんだけれども、長崎の食事は、海外の影響を受けつつ独自に発展したもの。同じ中華街でも、横浜のそれと比べると随分小規模で、見応えもないがオリジナル食は濃いかも。

佐世保へは、JRのシーサイドライナーで長崎から約2時間。長崎空港からは乗り合いタクシーで約2時間。リムジンバスは遠回りするので、乗ってはいけない。

さて、佐世保。我が国最西端の駅だそうだ。全くピンとこないけれどもそういうことになっている。ここの名物と言えば、B級グルメのはしり、佐世保バーガー。でも、これって具体的な何かがあるわけではない。手作りで注文を受けてから作り始める、と言う条件のもと、認定機関から認められれば、佐世保バーガー。だから、東京進出!とか言われても、どういうことなのかさっぱりわからない。佐世保のお店でも、それぞれで全く違うものなのだから。

こんな感じで、長崎の食べ物は、和食っぽくないものばかり。と言いたいところなんだけれども、魚も旨い。あれだけ入り組んで島があればねぇ。ちなみに、長崎県だけで1000近い島を抱えているそうだ。佐世保の近くにある九十九島も島一杯で素晴らしい景観の場所だ。

そして…魚が空を飛んでいる!をを!不思議の国、長崎!なんつって(汗)。ヒントは九十九島の水族館。ちなみに、九十九島は「つくもしま」と呼んではいけない。「くじゅうくしま」が正解。ニホンゴムツカシイネ。
 
   
  (上手く撮れなかったので加工で誤魔化し済み。クリックするとちょっとだけ大きくなります)

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最近、タワーレコードに行くたびに、推薦盤でどうにも気になるCDがあった。国内盤の新譜で高かったのだけれども、何度かお店に通っているうちに決心がついて、ついに先日購入してしまった。宣伝文句が上手いと言うのではなく、そのCDの企画の奇抜さがどうにも気になって仕方がなかったのである。ものすごくすべりそうな企画なんだけれども、ほんの僅かな可能性に賭けたい、そんなギャンブラー精神がふつふつと湧いてきてしまったのだ。

そのCD、タイトルは『SO FAR, SO CLOSE』と言う。和訳「とても遠く、とても近く」…内容はと言うと、バロック・ヴァイオリンとアコーディオンによるバロック音楽のソナタ集だ。演奏者は、バロック・ヴァイオリニストのアレッサンドロ・タンピエリとアコーディオン奏者のジョルジオ・デッラローレ。Incoerente Duoと言うコンビ名を付けている。「矛盾したデュオ」と言う意味だ。確信犯。

古楽器での演奏は、何かにつけて「オーセンティック」と言う言葉が付きまとう。「本来はこう演奏されていたんだから、こうするべき」と言う論調が、モダン楽器派をイライラさせていた。でも、最近の古楽器演奏って、オーセンティックと言っても、「バロックの音楽家って、自由にやっていたんだから、自由に演奏すればいいんじゃない?」と言う、オーセンティックと言う名のフリーダムになりつつあると思う。

で、このCDだ。いくら通奏低音に楽器の指定がないとはいえ、バロックの時代から200年から300年もあとに出てきた楽器を使ってしまおうと言う、どうにもフリーダムにすぎる発想。もちろん、「矛盾したデュオ」にも言い分はあって、スピネットが持ち運び可能なチェンバロと言うならば、アコーディオンは持ち運び可能なオルガンと言えるのではないか、と言うのがこの企画の根拠。バロック音楽とアコーディオンは確かにかけ離れた存在(SO FAR)だけれども、案外オルガンに代用して合うのではないか(SO CLOSE)と言うこと。

うん、とんでもないこじつけ(笑)。で、これ、どうなのかと言うと、悔しいんだが妙にマッチしているのだ。アコーディオン、軽妙なオルガンになっている…。メールラのチャッコーナのような軽快な曲では、特に合うような気がする。逆に言うと思っていたほど新しい響きじゃないかもしれない。曲によっては「あ、なんかありそう」みたいな。「うわっ、なにこれ、面白い!」っていう驚きを期待して買うと裏切られたような気持になる。面白いのは、J.S.バッハの作品が一番面白い。これは「なんか違う」感が漂う。馴染みがあると言うのと、アコーディオンが代役を務めるチェンバロが通奏低音から一歩踏み出して活躍しているせいもあるだろう。

メニューは以下の通り。

カステッロ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 第2番
フレスコバルディ:スピネットとヴァイオリンのためのトッカータ
ロニョーニ:パレストリーナの「春野の山は新しい愛におおわれて」によるヴァイオリンと器楽のためのディミニューション
パンドルフィ:ヴァイオリンとバスのためのソナタ「ラ・カステッラ」
チーマ:「協会協奏曲集」よりヴァイオリンのためのソナタ
メールラ:2つのヴァイオリンとバスのためのチャッコーナ
コレッリ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ op.5-1
J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第6番 BWV1019

コレッリとJ.S.バッハを除けば、バロック初期の音楽を選んでいるのがポイント。新しい時代の音楽に挑戦しているこの時代の音楽がこの企画にピッタリだと思ったとか。自由度は確かに高そう。言い換えると変なことをする隙があると言うか…。

バロック・ヴァイオリンのタンピエリ…はじめて聞く名前だけど…なんて、言っちゃいけない。この人の演奏、実は聴いたことがある、と言うことを調べてみて気が付いた。ジャルスキーの来日公演で、ジャルスキーの主宰するアンサンブル・アルタセルセのコンサートマスターやっていたんだそうだ。あの時聴いたヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲『ムガール人』でのソロ、よーくよく覚えている。あの人だったか。わかっていたらもっと早く買っていた。

オノフリの幼馴染で共演も多いそうだ。なんか、凄いなぁ。どういう幼少期だったんだろう。夢溢れる。今は、アカデミア・ビザンティナのコンサート・マスターとして活躍している。今回の演奏も好演。単なる変わった企画ものと言うだけに止まらない演奏を披露している。

なお、アコーディオンはA=415Hzに調律された特別仕様のもの。その辺はちゃんとしている、と言うのか。この企画でしか使えないじゃんね。

面白がりの人にはお勧めのCD。タンピエリの独奏CDって少ないので、その辺で興味のある人にもいいかも。

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のんびりと、しかし、着々と進んでいくヴァイオリン教室。今やっているのが、ヴィヴァルディの『冬』から第2楽章。言わずと知れた『四季』の一端。ヴィヴァルディ好きのヴァイオリン初心者には嬉しい課題曲。ちょっとテンションあがる。短いのが難点。

さて、『四季』と言えば、ソネット。標題音楽は、ベートーヴェンの交響曲第6番『田園』が最初みたいなことを言われるけれども、『四季』の方がずっと前だ。もちろん、『四季』を聴くor弾くにあたっては、ソネットを無視するわけにはいかない。

『冬』の第2楽章が表わす情景はこうだ。大雨の降っている冬の日、部屋の中で暖炉で暖まり、ゆっくりと休息を取っている、そんな平和な時間。第1楽章と第3楽章で表現される厳しい情景とは、まったく正反対だ。ヴァイオリンのピッツィカートは雨音を表しているのだろう。ソロ・ヴァイオリンのゆったりとしたメロディは心温まる響き。だけど、あまりのんびりとした演奏は好みではない。ピッツィカートの音が雨っぽくないし、ソロ・ヴァイオリンの響きもなんだか間延びしてしまう。

バロック音楽の常で、楽譜に指図があまりないので、演奏者は自由気ままに演奏することができる。誰の演奏が良いだろう。ツェートマイアーはいくらなんでも早過ぎるし、逆にイ・ムジチ(ミケルッチ)は遅すぎてメロディが不明確になっているような気がする。ベイエは通奏低音がうるさすぎる。雨じゃなくて霙っぽい。案外良いのがビオンディ。だけど、一番推したいのはクイケンかな。『夏』の終楽章とかでは、今日的な演奏に慣れているとぬるく感じるけれども、ここではメロディを大切にしながら心地よいスピードで進められていく。装飾音符も自然に決まっていて、蛇足的な感じにはなっていない。

と言うわけで、クイケンを手本にしてやっていきたい(汗)。そんな余裕があればだけれども…(笑)。寒い日は自分の演奏で暖まりたい(冷や汗)。

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「英国音楽?そんなものあるわけないだろう!」

ディーリアスの言葉である。ドイツ人の両親の元、イギリスはブラッドフォードに生まれ、若くして北欧を放浪、更に、フロリダでオレンジ農家を体験、その後、ライプツィヒで音楽を学び、ここでグリーグやハルヴォルセンと言ったノルウェーの作曲家に影響を受ける…こんな経歴ではディーリアスの中にイギリス音楽が存在するわけがない。ライプツィヒ後は、パリ近郊に活動拠点を置き、ミュシャ、ゴーギャン、ムンクと言った芸術家たちとも親交を結んでいる。まさに無国籍作曲家。

でも、自分の中では、ディーリアスはイギリス音楽の一部なのだ。どうしたって、近代イギリス音楽を語るとき、ディーリアスは外せないのだ。RCM(The Royal College of Music)出身の作曲家たちだって、ディーリアスの影響を受けている作曲家は少なからずいる。正統な後継者的存在と言うと誰なのかわからないけれども、ロマン派時代に音楽不毛の国と言われたイギリスから、19世紀後半になって出てきた近代イギリス音楽と言う少し国民主義にも似たテイストを持った作曲家集団の中で、ディーリアスの存在感は小さくない。

だから、こう思う。ディーリアスの中にイギリス音楽はなかったかもしれないけれども、ディーリアス自身がイギリス音楽の一端を創ったのではないか、と。それは、ヴォーン・ウィリアムズやフィンジ、ハウエルズの曲にありがちな自然賛歌、田園賛歌の中に見ることができる。

そんなわけかどうか、ディーリアスは、今日では、生前評価しなかったイギリスで人気がある。と言うか、録音するのは、イギリスの演奏家ばかりである。結局、イギリス人の感性に合う作曲家なのではないだろうか。その響きの中にどことなくイギリスの風景を髣髴とさせるのは、放浪の無国籍作曲家の心の奥に故郷の風景があったからではないだろうか。こうやって、ディーリアスを無理やりイギリスに縛り付けるのはよくないのかもしれないけれども…。

さて、そんなディーリアスの一面を切り取った面白い企画のCDが最近リリースされた。タイトルは、「ノルウェーのディーリアス」。指揮は、サー・アンドリュー・ディヴィス、オーケストラは、なんと、ノルウェーのベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団だ。

前述のとおり、ディーリアスは若いころにノルウェーの音楽に多大な影響を受けている。このCDに収められた曲は、そうしたノルウェー的なディーリアスを堪能できるものだ。イギリスの作曲家と言うことを少し忘れて聴いてみるといいかもしれない。メニューは以下の通り。

ノルウェーの婚礼の行列(原曲はグリーグ)
交響詩『頂にて』
ノルウェーの7つの歌より「王女」、「鳥の歌」
そりすべり(冬の夜)
ノルウェー組曲
春初めてのかっこうを聞いて
交響詩『おとぎ話』

北国のスケッチがないな…。とは言え、このプログラミングは素晴らしい。北国の涼しい風が吹き抜けていくような爽やかな曲ばかりだ。でも、ノルウェー的かと言うと、それはちょっとよくわからない。グリーグやハルヴォルセンにあるような、あの独特な心温まるノルウェー国民楽派の音楽とは全く違う。どうしたって、個性溢れるディーリアス・ワールドが広がってしまうのだ。もちろん、ノルウェーを題材にしているのだから、安易にイギリス音楽にこじつけてはいけないけれども、ノルウェーの作曲家はこんな曲書かないだろう。そんなことを考えなくても、ノルウェー組曲の情緒に浸りながら寒い冬の夜を過ごしてみるのはなかなか乙だ。結局は、イギリス音楽好きには堪らないCDになっている。

演奏も好感のもてるもの。ベルゲン・フィルの団員は、イギリス人の描いた祖国をどんな風に感じ演奏したんだろう。ジャケットの絵画も雰囲気が出ていて良い。



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ちょっと前の話になるけれども、タワーレコード渋谷店のクリアランス・セールに行ってきた。いわゆる、在庫処分セールだと思っていいだろう。正月一日からやっていたんだけれども、クラシックは2日から。その日の夕方にのんびり行ってみたんだけれども、人はまばら。置いてある商品は半分以上がクラシックだった。昔日の石丸電気の在庫処分セールを思い出しつつ、CDはあまり売れていないのかな、なんて思ってみたり…。

雑然と並べられたワゴンの中に宝探しの夢を追い求められれば楽しいのだろうけれども、インターネットで気軽に検索できるようになった今、何ともめんどくさい作業にしか思えない。それでもざっと見ただけでは、見逃しているものがあるように思うので、隅から見ていってみる。少しでも気になったらカゴに放り込む。で、後から見直して要らないものは、戻していくと言うやり方。値崩れのし難いレーベルのものを中心に何枚か購入。レジに表示される3千ン百円、2千ン百円引きの文字。zigzag、naive、harmonia mundi、ECM、Glossa…これらがBRILLIANT並みかそれ以下で買えたのだからお買い得感はそれなり。しかも新品だし!

これで止めておけばよかったんだけれども、せっかく渋谷まできたのだから、通常のコーナーも見ておこう、と上に上がったのは蛇足だった。

視聴コーナーでαレーベルのCDを聴き込んでしまう。マーキュリーが輸入しているレーベルの一つ。そう、高い。むちゃくちゃ高い。でも、勝てぬ、誘惑。輸入盤CD10%OFFだったんだけれども、国内盤仕様とかで対象外。

他にも、面白そうなCDがあったのでワクワク、渋々レジへ。セールに行って、返り討ちにあった気分だ。500円OFFのクーポン券とポイントを駆使して多少はお安く買ったけれども(汗)。

さて、そのαレーベルのニクいCDってのが何かと言うと、アレクシス・コセンコ&アンサンブル・レザンバサドゥールによるヴィヴァルディの協奏曲集。ドレスデンの楽団のための協奏曲を集めたものだ。ヴァイオリンのソロにはゼフィーラ・ヴァロヴァと言う、気鋭のバロック・ヴァイオリニストが起用されている。フィレンツェのロレンツォ&トマゾ・カルカッシ1760年製作によるオリジナル楽器を使用している。

ドレスデンと言えば、そう、ピゼンデル。このCDに収められた5曲の協奏曲(RV.569、568、562、571、574)もピゼンデルがドレスデンに持ち込み、更に手を加えたもの。1曲目のRV.569の華麗な響きから一気に惹き込まれてしまう。ホルンがバカスカ鳴るのに、相も変らぬヴィヴァルディの機動力。5曲共にホルンが加えられていて、兎に角、突っ走るだけのヴィヴァルディじゃないのだ。華やかに華麗にブッ飛ばす。ピゼンデルが絡んでるだけあって、各曲の終楽章にヴァイオリンの腕の見せ所があったりするんだけれども、それもなんだか、華麗な宴のひとコマに過ぎなくなっている。ドイツ・バロックの中心地、ドレスデンの栄華をたっぷりと味わえる半端なく楽しい一枚だ。こんな楽しくて、刺激的な演奏、たまらんなぁ。

なお、Vol.1となっているので、続編が出てしまうような予感。予算を組んで待っておくのが吉。なお、全部は読んでいないけれども、コセンコ自身による解説も興味深い。高いけれども価値のあるものだ。

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あけましておめでとうございます。新年もよろしくお願いいたします。

さて、お正月と言えば、ニューイヤーコンサート。毎年、気になりながらスルー。今年もスルー。完全に忘れていた。指揮は、バレンボイム。面白そうではあるけれども…。来年は、メータだとか。ネット情報だけど、そういう噂。最近のメータはどうなんだろうか。アーノンクールであれば、是非、観てみたい。ピリオド奏法の旗手なのにニューイヤーコンサートで、今一番、聴いてみたい指揮者。刺激を求めている、のか。

それとニューイヤーコンサートと言えば、バレエの映像が入るんだけど、あれ、個人的には止めて欲しい。オーケストラ映して!と思ってしまう。一生懸命踊っている人には申し訳ないんだけれども、ね。

あとは…お正月には、毎年、渋谷のタワーレコードでクリアランス・セールと言う名の在庫処分セールみたいなのをやっているらしい。今まで知らなかった…。どうなんだろうなぁ。行ってみる価値があるのかなぁ。渋谷は遠いなぁ。20分以上電車に乗らないといけない…。

何はともあれ!はじまりました、C.P.E.バッハ・イヤー!え?これ、押していく方向で良いのか?(笑)

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