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ここんところ立て続けに面白そうなCDがリリースされている。財布と相談するのも億劫なくらい。しかも、最近、円安のせいか、ちょっと高くなっていると思う。それから、大量生産大量消費型のメジャーレーベルが失速し、多様化するニーズに合わせた少量生産で高価なCDをリリースするレーベルが増えてきた。過去の音源を叩き売りする昨今の潮流とは別に、もう一つの潮流を作りつつあるように見える。自分は、この新しい流れに流されつつあるので、費用がかさむ…。

でも、一昔前では考えられないような面白い企画のCDがどんどん出てくるので、クラヲタ冥利に尽きると言うものだ。

さて、そんな興味深い新譜の中から、ビオンディのものを聴いている。タイトルは、『キアーラの日記』。サブタイトルに、「18世紀のヴェネツィアのピエタ院の音楽」とある。ビオンディのGLOSSA移籍第1弾とのことだが、以前契約していたVirginでは出てきそうにない企画だ。

今更だけれども、一応ピエタ院について、書いておこう。ピエタ院(ピエタ慈善院)は、ヴェネツィアにあった孤児院で、調べてみると1346年に設立されたとある(Wikipedia)。男女問わず孤児を引き取っていたが、男子は職業訓練を終えたのち、16歳になると出ていくことになっていた。一方、女子は結婚しない限り、ピエタ院に残ることができた。運営費は、裕福な貴族や商人からの寄付のほか、ピエタ院に残った女子たちの手芸品の販売やコンサート収入によって賄われていた。このコンサートは、ヴィヴァルディが指導していた合奏団によるもので、ピエタ院の収入に大きな寄与をしていた。ちょっとヴェネズエラのエル・システマに似ている。

今回のCDのタイトルになっているキアーラはこの合奏団のスター的な存在だった人物。もちろん、ヴィヴァルディの弟子。生後僅か2ヶ月でピエタ院に引き取られ、音楽の英才教育を受け、大成した。ヨーロッパ中から彼女の演奏を聴こうとヴェネツィアにファンが訪れたと言う。

今回リリースされたCDは、そんなキアーラを題材にプログラミングされた企画だ。ヴィヴァルディだらけになるのかと思いきや、7人もの異なる作曲家の曲を組み合わせて当時の雰囲気を再現してくれた。ヴィヴァルディのほかに出てくるのは、ジョヴァンニ・ポルタ、ニコラ・ポルポラ、アントニオ・マルティネッリ、ガエターノ・ラティッラ、フルジェンソ・ペロッティ、アンドレア・ベルナスコーニ。ポルポラくらいは知っているけれども、ほかは知らない作曲家ばかり。ざっくり言ってしまえば、如何にもイタリア・バロック然とした音楽ばかりだ。

ビオンディとエウローパ・ガランテの演奏は、闊達でスピード感溢れるもの。相変わらずと言えば、相変わらず。低弦がズンズン鳴っていて、その上をビオンディの切れ味の良いヴァイオリンが吹っ飛んでいく。カッコいい。ヴィヴァルディを癒しから、カッコいい音楽に変えたのは、ビオンディの功績だ。実際、どう鳴っていたのか、なんてオーセンティックな話は、どうでも良いんである。癒されるように鳴ったり、カッコよく鳴ったり…ヴィヴァルディは汎用性のある作曲家である(笑)。残念ながらほかの多くのイタリア・バロックの作曲家は、モダン楽器では退屈なものになってしまったせいか、ピリオド奏法が出てきてから注目されるようになった。

やっぱヴィヴァルディって凄いのだ。

ちなみに、このCDにはDVDがついている。ビオンディの演奏と、ヴェネツィアの風景、それからキアーラに扮した女性が演じる映像。どうもこういうものを見ると、この時代って暗いイメージがついてしまうんだよね。それにやけに闊達なヴィヴァルディが合っている。不思議。

  

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