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大晦日。今年は、コレッリ・イヤーだったわけだけれども、楽しめたでしょうか?個人的には、コンサートには行けなかったけれども、録音を中心に今まであまり聴いてこなかったこの巨匠の音楽をそこそこ聴くようになった。「楽しめた」と言うより、「知った」と言った方が良いかな。

コレッリ以外では、多くは行かなかったけれども、印象深いコンサートが結構あった。グラスゴーの教会で聴いたサヴァールのケルト音楽、スコットランド室内管弦楽団の定期公演では、クリヴィヌのベートーヴェンを聴いた。国内では、NHK交響楽団の定期公演でとても感動的な体験をした。滅多に聴くことのできない名曲、ウォルトンの交響曲第1番を我が国におけるイギリス音楽の第一人者である尾高忠明氏の指揮で聴いた。更に、ブロムシュテットのブラームスを2公演聴くことができた。どれもホントに凄い演奏だった。

CDでも、素晴らしい音楽をたくさん聴いた。録音は生演奏で体験できない幅広い音楽を体験できる。特に今日ではそう。こんなにも古楽の色んな曲を聴けるようになったのは、ここ20年ほどのことではないだろうか。ありがたいことだ。

旅行では、野暮用で行ったアメリカとスコットランド旅行が海外。国内では、2回行った北海道が印象的だった。石垣島での体験も面白かった。燕岳から常念岳への縦走は久し振りの日本アルプス縦走だったけれども、やはり、日本の天井の景色は別格だと再認識させられた。

さて、音楽の話に戻って…来年は、R.シュトラウス・イヤー。今年のヴェルディ&ワーグナーほどは騒がないだろうけれども、色んなイベントや録音が出てくるだろう。だけど、個人的にはあまり好みの作曲家ではないので、今年同様、このメジャーなメモリアル・イヤーは、スルーすることになる。そんでは誰か。C.P.E.バッハが生誕300年、ラモーとロカテッリが没後250年…メジャーどころはこんなものか。なんか、面白いことあるんだろか。

そんな感じで、今年もいろいろとお世話になりました!来年もよろしくです!

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メリィ・クリスマス!

西洋の伝統行事は、西洋の伝統音楽で楽しみましょう!と言うわけで音楽を聴こう。結局はそこに行きつく(笑)。

毎度おすすめは、フィンジのカンタータ『降誕祭』なんだけれども、これはこれで、しつこくお薦めしておいて、今回は、「ミュンヘン王宮のクリスマス音楽」と言うCDを聴いている。

バロック・ヴァイオリニストのリュディガー・ロッター率いるホーフカペレ・ミュンヘンがOEHMSに録音した企画もの。そのタイトルの通り、バロック中後期の頃にミュンヘン王宮で演奏されていた音楽を集めたもの。メニューは以下の通り。

ダッラーバコ:協奏曲ハ長調 Op.5-5
ビーバー:ロザリオ・ソナタより第3番「キリスト降誕」
J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV.1068
ペーツ:パストラーレ協奏曲
ロイスナー:パッサカリア
トレッリ:クリスマス協奏曲 Op.8-8 ほか

トレッリのクリスマス協奏曲って…コレッリじゃないんか!と言う突込みはしないわけにはいかない(笑)。

それはともかく、心温まる音楽が多い。いや、そういう風に演奏しているのだろうか。ロッターは、もともとムジカ・アンティクァ・ケルンやコンチェルト・ケルンで活躍していた人だから、それなりに刺激的な演奏をしそうなもんだけれども、ほかの演奏でも鋭く尖がった感じはあまりしない。それにしてもこの録音では、殊更、音楽の温かみを意識しているように感じる。1曲目のダッラーバコの協奏曲からして、バロックらしいリズムの良さを失わず、それでいて、音に優しさがある。楽しく明るい音楽だ。2曲目のビーバーの作品は、全曲盤でも鋭い響きの演奏が多いが、ここでの演奏は落ち着いたものだ。ロッターは、ライヴ録音で全曲盤を出しているが、それと比べても今回の演奏は穏やかなものだ。3曲目のJ.S.バッハは、言わずと知れた超有名曲。古楽器奏者らしくしまりのある演奏だが、過激ではない。アリアも美しい。以降、パーツ、ロイスナー、トレッリと素晴らしい演奏が続いていく。

クリスマスの雰囲気ってこういうものなのか。忘れかけていたものを思い出したような、もともと知らなかった雰囲気を教えられたのか、わからないけれども、ヨーロッパのクリスマスの雰囲気を楽しめた気になるCDだ。とってもとってもお薦め。

 

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器楽奏者が指揮者に転向する例は枚挙に暇がない。そして、大抵はファンをがっかりさせる。指揮者として成功するか否かではなく、その楽器の演奏が聴けなくなってしまうから。ゼロではないにせよ、機会はグッと減る。録音もグッと減る。

トマス・ツェートマイアーもそうした演奏家の一人ではないだろうか。

この人は随分前から活躍してはいるが、自分が、「お、この人凄いな」と意識したのは、ムジークフェラインで聴いたブロムシュテットとのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲だった。正統派とも言える質実剛健なブロムシュテットの伴奏に対して、鋭く自由奔放な演奏を披露してくれた。カデンツァなんか変なことやりまくっていて、今まで聴いたことのないようなベートーヴェンになっていた。超個性派。たぶん、こういうのを怪物と言うのだろう。

これは3年程前の話。じゃぁ、その前は?と言うと、これは録音でしかわからないんだけれども、カメラータ・ベルンとの『四季』を聴く限り、やっぱり一筋縄ではいかない演奏家だったようだ。モダン楽器での演奏だけれども、ピリオド楽器でのそれと比較しても一歩も引かぬほど自由奔放。もちろん、アーノンクールと共演するなど、ピリオド奏法には否定的ではないだろうし、少なからぬ影響もあるだろう。それにしたって、やりたい放題。

そんなツェートマイアーなんだけれども、最近は、指揮者としての活躍ばかりが目立つ。今年で52歳。まだまだヴァイオリンの演奏が聴きたいぞ。えっと、ま、あんまりCD持っていないけど…。

そんなわけでツェートマイアーの新譜。ラヴェルとドビュッシーの管弦楽曲集。オーケストラはパリ室内管弦楽団。指揮者じゃん、とがっかりするなかれ、1曲目にツィガーヌを演奏してくれている。もちろん、ソリストはツェートマイアーだ。目当てのヴァイオリニストの協奏曲を見つけたら、そのヴァイオリニストは指揮者で、聞いたこともないヴァイオリニストがソロを務めていた…なんて、ありがちなトラップは仕掛けられていない。

で、このツィガーヌがなかなか凄いのだ。冒頭の無伴奏で演奏される部分からして、強烈。この曲の持っている民族的な部分を強調しているわけではないんだけれども、何とも濃い味わいの導入である。リズムも何ともスムーズにいかず、ぎこちなく刺激的な響きによって音楽が進められていく。リズミカルで踊りたくなるような部分でも、簡単には躍らせてもらえない。ツェートマイアーのヴァイオリンが鋭く刻みつけてくる。こんなツィガーヌって…あ、いや、これがツィガーヌのあるべき姿なのかも…と言う心地よい錯覚を覚える。

のっけから驚かされるが、以降のオーケストラ作品は、清冽だったり美しかったり、冷静で分析的だったり…なかなかの名演。ヴァイオリンの演奏活動を控えすぎない程度に指揮者でも頑張ってくれればと思う。

それにしてもジャケットの写真…レスラーか?(笑)実際、デカいしパワフルな見かけな人だけどね。片手でリンゴは潰せそう。

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イギリス近代作曲家は弦楽合奏の曲を多く作曲したイメージ。では、その弦楽の中心的存在であるヴァイオリンの作品はどれくらいのものがあるのだろうか。あまり気にしたことはなかったのだけれども、イギリス近現代のヴァイオリン作品を集めたCDがリリースされたので聴いてみた。

演奏は、タスミン・リトルとサー・アンドリュー・ディヴィスが指揮するBBCフィルハーモニック。演目は、モーランのヴァイオリン協奏曲とディーリアスの伝説曲、ホルストの夜の歌、エルガーの朝の歌、夜の歌、愛の挨拶、ヴォーン・ウィリアムズの揚げひばり。

CDのタイトルは揚げひばりだが、収録時間的にはモーランのヴァイオリン協奏曲が約半分近くを占め、メインと言うことになるだろう。モーランのこの曲は聴いたことがなかったと思うが、一時期シンフォニエッタをよく聴いていたので作曲家には馴染みがある。ヴォーン・ウィリアムズやホルストの流れを汲み、イギリス民謡に強く影響された作曲家だが、モーランの歌い回しは独特なものがある。イングランドではなくアイルランドの系統だったことが影響しているのだろう。このヴァイオリン協奏曲でも、モーラン節の哀愁をたっぷりと味わうことができる。

2曲目に入っているディーリアスの伝説曲は、このCDの中でも特に美しい曲だ。ディーリアスの作品は、茫洋としていて掴みどころがないと感じる人がいるみたいだが、この曲のこのメロディを聴いてみれば、思いを改めるのではないだろうか。どこか東洋風の懐かしい感じのする音楽だ。

朝の歌、夜の歌、愛の挨拶はエルガーの小品3連発と言うことになる。愛の挨拶は言わずと知れた名曲。ヴァイオリンを習い始めた人が弾いてみたい曲に挙げることの多い曲。朝の歌、夜の歌もなかなかの佳作。

最後は、タイトルの揚げひばり。こちらもイギリス近代を代表する名曲として知られている。リトルは2度目の録音のはず。1度目もサー・アンドリュー・ディヴィスとの共演だった。

リトルの演奏は技巧的なものとは違うけれども、イギリス音楽のスペシャリストだけあって、愛着を持って丁寧に、美しく歌い上げている。とってもイギリスローカルな感じのするヴァイオリニストだけれども、イギリス音楽好きには欠かせない存在だ。ずっとローカルでいて欲しい(笑)。



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■ 福井へ

先日、野暮用で福井へ行ってきた。福井と言うと北陸のイメージなんだが、関西圏と接しており、県の南北で少し文化が異なると言う。訛りも南に行くと関西弁が強く入ってくるらしい。

そんなわけで北陸と言っても西の方になるので、新潟や富山ほど自然環境は厳しくないだろう、とたかをくくっていた。もちろん、この考えは甘かった。分厚い雲が空を覆い、時折、霰が横殴りの風に乗って、窓を叩き付ける。目的地は、福井市だったのだが、更に山の方に行けば、もう雪深くなっているのかもしれない。気温は低いのだろうが、風がないうちはさほど厳しいものではない。しんしんと体の内側から冷えてくるような感じ。風が吹けば、相当厳しいだろうけれども、幸い外を歩いているときは、荒れた天気にならなかったので、それほど寒い思いはしなかった。

東京からのアクセスは電車でも3時間半程度の行程だが、今回は飛行機を利用。小松空港からバスで1時間ほど。往きも荒天だったが、帰りも荒天でフライトスケジュールは滅茶苦茶。幸い自分の乗った飛行機は、大した遅れにはならなかった。しかし、搭乗がはじまってから急な降雪があって、扉を閉めてからも、除雪で出発できなかったりとスムーズにはいかない。これが北陸の冬の現実か。ちなみに、電車はすでに大乱れだった。

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■ 津へ

野暮用で津へ行ってきた。新幹線で名古屋まで約1時間半。近鉄特急に乗り換えて約1時間。乗り継ぎ等含めて、ざっと3時間。県庁所在地と言うだけで、特に観光名所ではない。見どころは、日本で一番短い駅名だろうか。

とは言え、観光地は結構あるし、松坂牛など名物も少なくない。が、まともに観光に来たことがないような気がする。

今年は式年遷宮と言うことで、お伊勢さんは大変な賑わいだそうだ。見ることができるのは今年いっぱいまで。と言うことは、今年は、大晦日の方が来年の初詣より混むのか…。そんなわけないか。

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■ 神戸へ

先日、野暮用で神戸へ。のぞみで3時間弱。遠いような近いような。思えば、神戸にまともに行ったのははじめてだ。新神戸の駅は、通りかかったことがあるのでその殺伐とした風景を覚えているが降りたのははじめて。

繁華街は、新神戸から地下鉄で一駅の三宮。色々ある。少し歩いたけど、人も多くて、栄えていた。東京みたいなものだ。東京人には目新しい風景ではない。

この日はルミナリエの初日と言うことで、ホテルは満室だったり、高い部屋しか空いていなかったりで、結構苦労した。街も普段と比べて人が多かったのか…普段を知らないので何とも言えないのだけれども(笑)。神戸は洋菓子が有名らしいけれども、甘党ではないので…。美味しいものは高知や大分の方が多かったぞ。と言うのは随分と偏った自分の好みで、好きな人には堪らないのでしょう、神戸。

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今秋は世界中の名門オーケストラが挙って東京にやってきたわけだけれども、個人的には、結局一つも行っていない。東京のクラヲタのみなさまは存分に楽しめただろうか。

さて、この名門楽団の来日ラッシュの中にあって、ウィーン・フィルと共に注目を集めたのは、やはり、ベルリン・フィルだろう。評判は見ていないが、今回も名演を繰り広げてくれたに違いない。

今回のこのツアー、ベルリン・フィルでは公式ツアー・ブログを公開している。写真もたくさんあって見応え十分。いろいろ気になるところはあるんだけれども、あの…飛行機の中で枕投げやる伝統があるんだ…。はしゃぎ過ぎだろ、おい(笑)。日本でそれをやって許されるのは、高校生まで…いや、小学生でも怒られる(笑)。当然、チャーター機なんだろうなぁ。ボーイング747って結構大型機だけど。

この秋は、海外楽団のコンサートは行かなかったけど、NHK交響楽団の定期公演には行ってきた。ブロムシュテットのブラームス、2夜。このコンサートが今週と来週のクラシック音楽館で放映される。素晴らしいコンサートだったので楽しみ。

以前もこのブログで書いたけれども、来秋もブロムシュテット翁はNHK交響楽団を振りに来るそうだ。凄い気力。

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ピアノ曲と言うのをあまり聴かない。「クラシックを聴きます」と言うと、なぜだか、真っ先に上がってくる作曲家はショパンで、「あ、私もショパンなんかを…」ってなるんだけれども、もう、ね…。反応しきれないのだ(汗)。世の中のショパンのメジャー度がせめて、ヘンデルくらいになってほしい。ショパンがオサレと言う意識もなくなってほしい。もっとも、自分が聴く曲が偏っているのは、自覚しているんだけれども、それは、趣味でしょうがないと、全く反省はしていない(笑)。世の中がショパン=クラシックならアンチ・クラシックで良い、と捻くれてみる。別にそこまでショパンを否定したいわけじゃないんだけど(汗)。

そんなわけなんだけれども、新譜が出てくるとついつい手に取ってしまうピアニストがいる。アレクサンドル・太郎…いや、タローだ。この人のCDは一筋縄ではいかない拘りがある。どのCDもタローらしい筋の通った美感が感じられる。

今回の新譜は、『オートグラフ』と題されたアンコール用小品集。実際、タローがコンサートで、アンコールに演奏することが多い作品を収めたもの。こういう企画をすると単にどこかで聴いたことのあるメロディの小品をズラリと並べて、それにちょっと自分好みの作品を加えた、商業主義的+ピアニストの自己満足と言うプログラムになりがちなんだけれども、そこは流石タローで、捻りの効いた洒脱なプログラムになっている。

最初は、J.S.バッハの前奏曲ロ短調(BWV855より)からはじまり、最後はやはりJ.S.バッハのアンダンテ(BWV979)で締めくくる。このJ.S.バッハの間に、フォーレ、ラモー、グルック、ラフマニノフ、チャイコフスキー、グリーグ、シベリウス、スクリャービン、メンデルスゾーン、ショパン、クープラン、シャブリエ、スカルラッティ、ビゼー、セルヴァンテス、ストラノワ、プーランク、モンポウ、タイユフェール、サティと実に20人もの作曲家の作品が登場する。J.S.バッハ以外は同じ作曲家の作品が2度登場することはない。

これだけの数の国も時代も異なる作曲家が並ぶと、収拾がつかなくなりそうだけれども、それを70分の一つのまとまりのあるCDにしてしまうのだから、プログラミングの妙である。どの曲も前後の曲に違和感がないから、気持ちを切り替えないでスッと聴けてしまう。これは見事。

演奏も、極上だ。この人のピアノは、繊細なようでいて、時に力強く、表情が豊かだ。通俗名曲であっても、鮮烈で綺麗な響きが至福の空間を作ってくれる。捻りの効いたプログラムの中で、ショパンは『子犬のワルツ』が選ばれているのだけれども、これがまた透徹された響きで、実に美しいのだ。プログラムの中盤で、少し息抜きしたいところで、この『子犬のワルツ』は、実に効果的だ。

小粋で綺麗な小品集に仕上がっていて、やっぱ、タローは期待以上のCDをリリースしてくれるなぁ、と感心。ちなみに、レーベルはいつの間にかエラート。

 

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ヴェラチーニの名前をはじめて知ったのは、大方の人と同じかもしれないが、ラルゴを聴いた時だった。グリュミオーの小品集の中に収められていたのだけれども、あの甘く切ないメロディは数ある名曲の中にあって、特に耳に残った曲の一つだった。

そこで、ヴェラチーニに興味を持って、CDショップなんかをうろついたんだけれども、古楽に興味のなかった頃で、大した収穫もなく「一発屋かな?」くらいで終わってしまった。

もちろん、古楽を知るようになれば、ヴェラチーニを一発屋呼ばわりをするわけにはいかない。特に、ヴァイオリン好きであれば、尚更だ。だけれども、なぜか、それほど執着するでもなく、今まで過ごしてきた。ラルゴ好きだったのになぁ…。

で、さて、やっぱり、改めて聴きなおしてみるとヴェラチーニは好きな作曲家である。ここ数日手に入れたばかりのこの作曲家のCDをよく聴いているんだけど、バロックらしいノリの良さと、独特のメロディアスな響きが何とも魅力的なのだ。あのメロディラインは、聴きようによっては、バロックらしからぬ気もするんだけれども、どうだろうか。他のバロックの作曲家と比べるとメロディがはっきりとしていて、ドラマチックだ。

そんなわけで、当然、演奏者はラルゴを除けば、バロック・ヴァイオリニストが多いんだけれども、モダン楽器でも十分映える作曲家だと思う。

今聴いている前述のCDは、バロック・ヴァイオリニストのリュディガー・ロッターと彼の創設したバロック・アンサンブル、リリアルテによるもの。このコンビと言えば、ビーバーのロザリオ・ソナタをライヴ録音すると言う暴挙(?)に出たことで印象に強い。もちろん、演奏も素晴らしかった。また、今回の録音では、ブロックフレーテにオベルリンガー、チェロに、フライブルク・バロック・オーケストラの首席チェリストを務めるフォン・デア・ゴルツが参加している。

タイトルは、The Enigmatic Art of Antonio and Francesco Maria Veracini。謎めいているのか、ヴェラチーニ。ちなみに、ヴェラチーニと言うと、一般的にはフランチェスコ・マリアだが、彼の叔父であるアントニオも、音楽家であり、フランチェスコ・マリアの師匠だった。このCDには、タイトルからもわかるとおり、アントニオの作品も収められている。フランチェスコ・マリアがアントニオから多大な影響を受けていたことがわかる内容だ。

ロッターは、ゲーベルの弟子だが、師匠ほどスリリングなことはしてこない。ロザリオ・ソナタでもそうだったけれども、流麗で音が綺麗だ。ヴェラチーニの歌心を満喫するには、この上ない響き。古楽器奏者らしい闊達さもあって、一気に聴き切ってしまう。ジャケットのロッターの写真もなんだか、雰囲気があって、良い感じだ。安いんだか高いんだかわからないレーベルOEHMSからのリリース。ヴェラチーニ入門には最適な1枚。

 

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