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ヨーロッパが基準になりやすいクラシックの世界でも、日本での人気は、決してヨーロッパでの人気ではない。

と、前置きをして…今日は、ブロムシュテット&バンベルク交響楽団の来日コンサートへ。この指揮者、独墺での人気は凄い。ウィーンで聴いたときは、満席だったし、チケットの入手も簡単ではなかった。ドレスデンやライプツィヒで聴こうと思えば、更に用意周到に計画を練る必要があるかもしれない。だけど、今日は、「当日券S席100枚ほどあり」。ドイツ人が見たら「日本に行っている暇があったらドイツで演奏してくれ…」と言いたくなるだろう。佐渡裕は、一瞬で入手不能になるのに、ね。まぁ、おいらにとっちゃありがたい。ほんの1週間ぐらい前に、「やっぱ、行こうかなぁ」と思って取ったチケットだ。半年以上前から行く気満々だったのに、近くなってからの気分次第でいっか、って感じで取れてしまう。Viva日本、Viva東京。

今回の来日、実は、御大85歳の記念ツアー。85歳でドイツから飛行機乗ってくるのか。キャンセルになるんじゃないか。なんて不安は、その姿を拝見すれば、無駄とわかる。ピシャッと背筋の通った姿勢、淀みのない足取り…こんな85歳見たことない。なんだ、ベジタリアンってこんなに健康なのか。人体の神秘。

演目は、ベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』、同第7番。ちなみに、おいらが、ブロムシュテットのコンサートに行くのはこれで3回目である。最初は、16年ほど前、NHK交響楽団を振って、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(Pf コヴァセヴィッチ)、交響曲第5番『運命』をNHKホールで聴いた。2度目は前述のウィーンでのコンサート。ウィーン交響楽団を振って、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(Vn ツェートマイアー)、交響曲第7番をムジークフェラインで聴いた。そう、全部ベートーヴェンなのだ。おいらの中ではブロムシュテットといえば、ベートーヴェン、ベートーヴェンと言えば、ブロムシュテット…って、それはないか。CD持ってないし(汗)。

バンベルク交響楽団は、ドイツのドイツらしいオーケストラの代名詞みたいに言われる楽団だけれども、プログラムのブロムシュテットの話によれば、ボヘミア的な色も濃いらしい。そもそも、プラハ・ドイツ・フィルハーモニーを母体とする団体で、当初はチェコ人ばかりだったと言う。そうか、そう言えば、この楽団を振って、ヤルヴィ父がマルティヌーの交響曲全集を録音したり、ケンペが『売られた花嫁』を録音したりしたのには、そういう背景があるのか。と勝手に納得してみる。

さて、演奏。『英雄』が始まってすぐの印象は、やけに整った、やや迫力に欠く演奏だな、と。こっちの気分も乗っていなかったせいもあるかもだけど、まぁ、大体、コンサートの冒頭って、オーケストラもエンジンが掛かり切っていないことが多い。どうなるんだろうなぁ、と思っていると、だんだんと熱くなってきて、終楽章では十分な熱さに。バンベルク交響楽団の生演奏って今回が初めてなんだけれども、温もりのあるクリアで柔らかい響きが魅力的。派手さはないけれども、実に味わい深い。厚い響きではあるけれども、シュターツカペレ・ドレスデンのようなドスンとくるような重厚な響きとはまた違う。なかなか魅力的なサウンドだ。

後半の7番は、十分に熱くなったオーケストラが、小気味の良いテンポの弾けるような演奏を聴かせてくれた。当然、モダン楽器での演奏なんだけれども、ピリオド奏法を意識しているのかな、と思われる節もあった。まぁ、今のご時勢ヨーロッパの楽団だと、ピリオド奏法をまったく意識しない方が珍しいんだけどね。バレンボイムぐらい過去中毒をこじらせるとそれもそれで魅力的だったりもするけど(笑)。そして、あっという間に、終楽章へと。圧巻。あっという間に終わってしまった。そして、アンコールに『エグモント』序曲。かっこよく〆てくれた。と、同時に、これもベートーヴェンじゃんね。来週の演奏会も行けば、モーツァルトやブルックナーも聴けるけどなぁ。

終演後は、聴衆熱狂。オーケストラが引っ込んだあとに、指揮者を引き出す、通称、一般参賀あり。たぶん、今日の噂が広がって、来週のコンサートは満席になるんじゃないかな。そう願う。あれだけの指揮者なのに今日の空席っぷりは可哀想だ。

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ナイジェル・ケネディ来日公演に行ってきた。場所はオペラ・シティ。なんだか、最近、コンサートと言えばオペラ・シティにばかり行っているような気がする。オペラは聴いていないけど(笑)。

今回の企画は、「バッハ plus ファッツ・ウォーラー」…バッハはJSでいいんだが、ウォーラーは何者か。戦前に活躍したJazzの人らしい。と言うわけで、バッハとJazzをコラボレーションした一夜。いわゆる、クロスオーバー。ケネディはクロスオーバーの代表格、いや、て言うかこれほど確りクロスオーバーしている人って言うのはあまりいない。プレヴィンやラトル、テンシュテットと言った大物とがっぷり組んでブラームス、ウォルトン、エルガー、ベートーヴェン、チャイコフスキーなど重厚な曲を録音して評価を得ているし、ヴィヴァルディやJ.S.バッハなどのバロックでも成功を収めている。その上で、他ジャンルに進出している。最初から他ジャンルに出て行った演奏家とは違う。だから、説得力がある。真のクロスオーバー。信念も確りしている。

今日も、1曲目に無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番と言う、難曲で直球勝負。力強く情熱的ながら実に美しい響きをホール一杯に響かせる。でも、それだけでは済まないのが、ケネディ。4楽章でベースとドラムが出てきて無伴奏ではなくなってしまう。この楽章のノリを活かして、爆走する(笑)。主義主張は、パンフレットにもケネディ自身の筆で書かれている通りはっきりしている。バッハの情緒面を強調したいのだ、と。バッハを計算され尽くされた精緻な音楽と言う概念から音“楽”に戻したいのだろう。そう言う意味では、古楽に通じるところがあると思うんだけど、ケネディ自身は「オーセンティック」なピリオドには否定的。まぁ、つうか、ベルリン古楽アカデミーやイル・ジャルディーノ・アルモニコを見ている限り、古楽の世界でも今ではオーセンティックと言う信念は否定されつつあると思うし、アーノンクールもさほどオーセンティックに縛られているようには思えないが。それでも「オーセンティック」と言う「勘違い」はまだあるのかな。

ちなみに、ケネディのお勧めの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの録音は、グリュミオー盤だそうだ。意外。でも、おいらの好みと被った(笑)。

無伴奏で意表をついたパフォーマンスを聴かせてくれた後は、2つのヴァイオリンのための協奏曲をヴァイオリン、ベース、ドラム、ギターのためにアレンジした作品を披露。これで、前半終了。なんつうか…バッハって凄いな、って改めて感じさせてくれる前半だった。

休憩をはさんで、後半はウォーラーの作品をケネディがアレンジしたものを演奏。20世紀初頭のニューヨークの香りがほんのり漂ってくるようなノスタルジーを感じつつ、楽しく時間が過ぎていく。知らない曲ばかりだったけど、これは良かったかな。

そして、最後がロンドン・デリーの歌(ダニー・ボーイ)。これは圧巻。ベースの簡単な伴奏だけだったんだけど、これほど雄渾で深い情緒を湛えたこの曲の演奏は聴いたことがない。そして、演奏会の最後の演目としては、素晴らしい選曲。前半から後半までよく考えられたプログラミングだなぁ、と感心。バッハとウォーラーと言う一見すると真反対の音楽をまったく違和感なく聴かせてくれた。これこそ、クロスオーバーの醍醐味じゃなかろうか。

アンコールにモンティのチャールダッシュ。ケネディのアンコールの定番。バッハのDVDで聴いてはいたけど、アレンジがあらぬ方向に進化していた…。歌いだしちゃうし(笑)。最後は簡単には終わらないし。この人はホント、エンターティナーなんだなぁ。

そんなわけで、帰る聴衆の顔はどこかウキウキしていたと思う。ケネディ、また来て欲しいなぁ。

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コンサート初め―と言うことで、フライブルク・バロック・オーケストラの来日公演へ。初め…と言えば、この楽団、今回のコンサートが、初来日だとか。同じドイツの古楽楽団だとベルリン古楽アカデミーやコンチェルト・ケルン並に活発に活動をしている楽団だと思うんだけど、創設25年で漸く初来日。

で、今日が来日コンサートの初日なので、正に、今日はじめて、日本でコンサートを開いたんである。平日の夕方とは言え、空席が幾分か目立ったのは、有名楽団とは言え、古楽故に、しょうがない。なんか知らないが、日本のクラシック需要はピアノ>>>古楽なんである。その上には佐渡裕と言う高みがあるんだが。

さて、今日の演目は…管弦楽組曲全曲。今思えば、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでベルリン古楽アカデミーがこの曲を2回に分けて全曲演奏していたのを聴き逃したのが悔やまれてならない。なので、フライブルク・バロック・オーケストラは聴き逃しちゃなるまい…と思っていたのだ。

演奏は、3番から始まって、2番、1番、4番の順番で進む。席は前の方ではあったものの、端の方だったため、バランスが悪い。ヴァイオリンの音が大きめになって、チェロの音が弱い。これでもS席(涙)。両サイドの席はA席にするべき。つか、あれだ、発売からしばらくしてから、「あー、行こっかなぁ…」ってノリで取るから良い席が取れないんだろうな。やっぱ、e+の先行販売とか駆使して、良い席取るように努力するべきなんだろう。心を入れ替えよう。ちなみに、今回は9月に発売されていて、チケットを取ったのは12月(汗)。

演奏は、流石。心地良く、バッハが耳を駆け抜けていく。ドイツ古楽だからにして、浪漫を歌わないんだが、フライブルク・バロック・オーケストラは、攻撃的じゃない。少なくても、管弦楽組曲では攻撃してこない(笑)。活き活きとして、クリアな響きだ。1番のガヴォットなんか、爽やかな初夏の風のよう。外は冬の冷たい風が吹き抜けているって言うのに、ここは少し季節が違ってしまうみたいだ。有名な3番のアリア(G線上のやつ)も透明感があって、ひんやりとした美しさがある。逆に、他の曲では妙に温もりのある柔らかい響きがふと顔を見せたりして、和ませてくれたりする。全曲で2時間近い演奏時間だったのに、あっという間に終わってしまった。

終演後は、大喝采。アンコールにバッハの復活祭オラトリオBWV249より第1曲「シンフォニア」をドドーンと演奏してくれた。至福の時間、良い演奏会だった!

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まったくそんな気がしないんだが、年末なんである。もういくつ寝るとお正月…なのである。お正月と言えば、おせちなんだけど、おいらはあれが全く好きではない。見た目は豪華でよろしいんじゃないかと思うんだが、一つ一つを見るとまるで食欲がそそられない。お値段もン万円とか…。

さてさて、話題転換。今年を振り返ってみると、相も変わらず、CDを買い続けていたんだけれども、コンサートも随分と行った。コンサートゴアーと言える程じゃないと思うけど、8月までに17回行った。9月以降は0回。要するに気分屋である。たぶん、8月にヨーロッパでコンサート三昧をやったので、それで満足しちゃったんだと思う。

ジャンルは、海外で聴いたのは、オーケストラ(オペラ含む)、国内で聴いたのは、古楽、室内楽。はっきり分かれてしまった。理由は、あるんだが、まぁ、あまり分析的になってもしょうがない。国内のオーケストラに接する機会がなかったのはあまり良くないことかな。

印象に残ったコンサートを一つ上げるとしたら…コンチェルト・ケルンかな?プレトニェフ&シュターツカペレ・ドレスデンやラトル&ベルリン・フィル、ミョンフン&チェコ・フィル、ビシュコフ&ウィーン・フィル、ブロムシュテット&ウィーン響、バレンボイム&ウェスト=イースタン・ディヴァン管も脳味噌の天辺まで痺れるぐらい感動したんだけど、コンチェルト・ケルンの衝撃は、ほかのオーケストラから感じた感動とは全く別物。新たな世界を見せつけられた感じ。来日を強く望む。でもなぁ…日本じゃ満席にならないだろうなぁ。

何だかんだ言って、良いコンサートが多かった。ラ・フォル・ジュルネもなんだかんだいって楽しめたし。国内のコンサートについては、大変な時期に来日してくれた演奏家たちには感謝の念に堪えない。

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コンサート情弱のおいらだが、2012年の来日演奏家をヤフーでググって(笑)調べている。凄い演奏家わんさか。行きたいなぁ、行けるかなぁ、行けないだろうなぁ。

一番の注目はブロムシュテット&バンベルク交響楽団。シュターツカペレ・ドレスデンと来日を果たして欲しかったが、老巨匠がわざわざ東の端まで足を延ばしてくれるんだから、文句を言ってはいけない。日本ではあまり評価されていないようだが、、ヨーロッパ、特に独墺では絶大な人気を誇る大物だ。来日時には85歳。無理はしないで欲しいが、楽しみにせずにはいられない。演目はなんだろう?独墺系の音楽ではもはや向かうところ敵なしだと思うので何でもいい(笑)。

ブロムシュテットと来日して欲しかったシュターツカペレ・ドレスデンはティーレマンと来日する。音楽監督として今いちパッとしなかったと言うファイビオ・ルイジの後を受けたティーレマン。このコンビ、まずルイジのような結果にはならないだろう。音楽性はばっちりだと思う。そう言う意味では期待大。

あとはパーヴォ・ヤルヴィ&フランクフルト放送交響楽団。この指揮者、毎年、来日している。まだ聴きに行ったことはないんだが、そろそろ行ってみようか。あー、でも、またくるさー…と言って行かないんだな。今回はソリストにハーンがくっ付いてくる。演目はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とのこと。通俗名曲として、通の方々に敬遠されがちな曲だが、おいらは楽しみ。ハーンはCDでも切れ味鋭い名演を聴かせてくれたし、ここは行くべきか。

ほかにもヤンスンス、ゲルギエフ、プレトニェフなどなど大物がゾロゾロ。さらに明けて2013年の初めにはハイティンクがロンドン響とやってくる。あとミンコフスキも来る。色々行きたいなぁ。あんまり行かないと思うけど(笑)。

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チケットも持たずに紀尾井ホールへ。フィリップ・ジャルスキーとアンサンブル・アルタセルセのコンサートがある…ってんで、ふらりと行ってみたのだ。演目はオール、ヴィヴァルディ。ヴィヴァルディの声楽曲って、バロックじゃメジャーな企画かもしれないけど、一般的に見たらマニアックな演目だ。だもんだから、チケットだってどうせ余っているだろう、とたかをくくって開演20分ちょい前にホール到着。だって、アーノンクールだって、クイケンだってチケットに余裕があったのだから…と!ホール前に中高年女性がわんさか。なんだこれ?え?ヴィヴァルディを聴きに来たのか?

まぁ、この人たちはばっちりチケットゲットしていたので、何とか当日券は買うことができた。たぶん、S席で最悪の席だけど(汗)。1階席脇の一段高くなっていいる場所の最後方。ムジークフェラインと同じ形のシューボックス型。この位置の席ってはじめて座ったけど、結構、平土間を見渡せるんだなぁ。で、見渡してみても、一面の中高年女性。おいら、完全に浮いている感じ…。古楽は男性が多いというおいらの定説は一瞬にして否定された…わけではないと内心、確信しつつキョどる。

演目は、以下の通り。休憩を挟んで前半が「サクロ(神聖)」、後半が「プロファノ(世俗)」とテーマ付けられている。解りやすい。

モテット『闇の恐れのあまりにも長く』 RV.629
ヴィオラ・ダ・モーレとリュートのための協奏曲 RV.540
ニシ・ドミヌス-主が家を建てまわずば RV.608

-休憩-

歌劇『オルランド・フィント・パッツォ』 RV.727 第1幕よりアリア「何を見るまなざしにも」
歌劇『ウティカのカトーネ』 RV.705 第2幕よりアリア「もしあなたの顔に吹き寄せるのを感じたなら」
ヴァイオリン協奏曲『グロッソ・モグール』 RV.208
歌劇『ジュスティーノ』 RV.717 第1幕より アリア「この喜びをもって会おう」
オラトリオ『勝利のユディータ』 RV.644より アリア「松明と蛇で身を護り」

アンコール

ポルポラ:歌劇『ポリフューモ』より アリア「偉大なジュピターよ」
歌劇『ジュスティーノ』 RV.717 第2幕より 「この胸に感じる涙の雨の中」

当日まで演目は知らなかったのだけれども(調べなかっただけ)、馴染みのあるニシ・ドミヌスが入っていたのは良かった。なんだかんだいって、ヴィヴァルディは器楽曲ばかりであまり声楽曲って馴染みがないから。演奏は今の古楽器演奏のスタイルなので、響きはとがった感じで早め。同じ古楽器でもピノック盤で親しんでいた耳には、ちょい刺激的。コルボ盤のようなゆったりとした演奏で馴染んでいたらもっと違和感を感じたかもしれない。ジャルスキーの歌唱は、天使のような澄んだ歌声が売りなんだが、ニシ・ドミヌスでは祈るような静かな曲の方が印象的だった。つか、CDで聴いたほど清澄な感じがしなかったのは、歳のせいか、調子のせいか。

後半、特にヴァイオリン協奏曲より後の2曲で、ジャルスキーらしさを堪能。特に『勝利のユディータ』のアリアは熱唱で聴衆も大喜び。でも、なんだ、歳をとるにつれて、声の張りは衰えていくのはしょうがないので、レパートリーも含めてどう変化していくのか、楽しみにしておこう。美声だけで押しては行かないはず。

バックのアンサンブル・アルタセルセはジャルスキーも創設メンバーの一人らしいんだが、なかなかいい感じだった。特に、後半のヴァイオリン協奏曲RV.208は、エキサイティングな好演。ヴァイオリンの技巧的なソロが楽しすぎる。どんな容姿の人でもこれ弾いたらカッコよく見えちゃうな(笑)。

終演後、お決まりのサイン会。超長蛇の列。とは言え、収集癖的な部分もあって必ず参加。席が後ろの方だったので、幸いにして前の方をキープすることができた。ジャルスキーの登場を待っている間に、係りの人が「写真撮影、握手はご遠慮ください」と案内。エー…と失望する黄色い声。薄々、いや、はっきり気づいていたけど、ジャルスキーって要するに氷川きよし的な扱いを受けちゃっているんだな。やっちゃダメと言っているのに、当たり前のように写真撮影…しゃぁなしだ(苦笑)。バッハ、バッハと言って、J.C. バッハのCDを持っているんだが、セバとクリの違い…しゃぁなしだ…。

あ、ちなみに、拍手のタイミングとか、拍手する場面とか、聴衆の成熟度はラ・フォル・ジュルネ以下だった。もう、なんだ…しゃぁなしだ…。

そうそう。テレビ・カメラが入っていたので後日どこかで放送される予感。客席映ることがあったら、中高年女性の比率の高さにのけ反りつつ、おいらを探してみて…。

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オペラシティで、クイケン&ラ・プティット・バンドの来日公演。ブランデンブルク協奏曲の第2番、同第3番、同第5番、同第6番と三重協奏曲BWV1044と言うプログラム。火曜日にオペラシティのチケットセンターに電話をして余裕のチケット確保。当日券もあり。確か、アーノンクール最後の来日も当日券が出ていたような…。メジャーどころでさえ、古楽の楽団は満席にできない。プログラムが古典派以前に偏るのが、大衆受けし難いところ。マニアには堪らんのだが、客を集めるならロマン派に限るってこった。あ、それと、古楽になると男性客が増えて、ピアノになると女性が増えるのは謎…と言うことにしておこう。

コンサートは15時開演。週末ならではの幸せな開演時間。タケミツメモリアルの天井近くのガラス窓からは陽光が差し込む。毎度の夜の公演では、あの場所にガラスがはめ込まれていることさえ気が付かない。

さて、最初の曲は、ブランデンブルク協奏曲第2番。チューニングが始まるが、なかなかこれが終わらない。古楽器の難しさなんだろうな。準備が整うとトランペット奏者が左を向いておもむろに腰に手を当てて、片手で演奏開始。シギスヴァルト・クイケンは、近年、自ら復活させたヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを肩から腕にかけて演奏。ゲーベルやイル・ジャルディーノ・アルモニコのような過激な演奏ではないが、軽やかながら味わい深い演奏だ。トランペットの響きもなんとも耳触りがいい。クイケンらしい綿密な時代考証の結果、ワンパートにつき奏者一人と言う少人数の楽団編成。ただでさえ音量の少ないオリジナル楽器なので、広いタケミツメモリアルでは少々音量不足だったかも。

続いて、ブランデンブルク協奏曲第6番、三重協奏曲と演奏は進むが、三重協奏曲第1楽章の途中でシギスヴァルドが弾いていたヴァイオリンの弦が切れてしまうハプニング。ラ・プティット・バンドの弦楽器はすべてガット弦を使っているとのこと。ガット弦は切れやすいのでこういうことも珍しくはないのだろう。古楽の楽団でもスチール弦を使っているところは多いらしいが、そこはクイケンの拘り。とは言え、こういうリスクも少なからずあるわけだ。もちろん、替えの楽器はないわけで、演奏は中断。シギスヴァルドは楽器を抱えて、一時撤退。張り替えを終えて、観客の拍手とともに再登場。「初めからやりなおします」ってことで、仕切り直し。ブランデンブルク協奏曲同様、過激な表現を抑えた演奏で、幽玄な味わいすら感じさせる名演。これも古楽器楽団ならではの味わいだなぁ。

休憩をはさんで、ブランデンブルク協奏曲第5番、同第3番の順で快演を聴かせてくれて終演。第3番ではヴィオロン・チェロ・ダスパッラを3人並べた。壮観。見た目はカッコいい楽器じゃないけど。5番から3番への曲順も納得のプログラミング。今後、ブランデンブルク協奏曲を聴くときはこの曲順で聴こうか。

アンコールは3番の第3楽章。その後、シギスヴァルドによるサイン会。写真撮影を禁止せず。サインをもらっている人もパカパカ撮られてしまう。ちょっと、これはどうなのか。嫌な人もいるはず。シギスヴァルドはにこやかにサイン会を進めていく。アーノンクールに見習ってもらいたい(笑)。


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四ツ谷の紀尾井ホールでルノー・カプソンのコンサート。“ときめきのヴァイオリン”と言う浮ついたタイトル付き。野郎としては、ちょっと躊躇しちゃうタイトル。でも、そんな壁も乗り越えて行ってきた。

何日か前にこのブログで書いたとおり、本来はリヨン国立管弦楽団とともに来日する予定で、その合間に組まれた1公演だけのコンサートだった。それがオーケストラの来日が中止になって、この1公演だけのためにカプソンは来日することになった。普通ならそんな非効率的なことはしないんだけど、男気で敢行。

演目は、以下の通り。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第2番
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』
ラヴェル:ツィガーヌ

ベートーヴェンの2つのソナタは、ちょっと前にブラレイとの全集を出していたので、ここでも演奏することにしたのだろうか。で、その間にお国ものを2曲。

最初のベートーヴェンの2番は、若書きの作品と言うことで、カプソンのヴァイオリンに軽やかに爽やかに進んで行った。心地良い音色。

フォーレは1楽章からビシーッとスイッチが入って、凛とした響きに緊張感が漂う。フランクのヴァイオリン・ソナタ(録音)で聴いたカプソンだ。熱気と美音が入り混じる。正直、この作品はおいらはあまり馴染みがないんだが、圧倒されっぱなし。この人のフランス音楽は、エスプリとか、オサレで済まされるものではない。

休憩をはさんで『春』。至福。CDでは、爽快でドイツ・ロマン派的な重厚さとは正反対の演奏を聴かせてくれたけど、今日はフォーレの熱気も冷めやらぬ中でテンションも高く熱い演奏になっていた。とは言え、相も変わらずの綺麗な音色で、梅雨時の紀尾井ホールにめいっぱいカプソンの春が満ち溢れていた。

最後は、ツィガーヌなんだけど、これも凄かった。難曲ではあるけれど、そんなこたぁ、このコンサートでは大した問題ではなった。見た目にもやすやすと弾き飛ばしていく。完璧なテクニックだが、それ以上になんて美しい響きなんだろう…唖然としてしまう。技巧ばかりが耳に付くような所謂「技巧派」とは一線を画す。

アンコールの『タイス』の瞑想曲もこの上なく至福。たーっぷり酔える。

ちなみに、カプソンのヴァイオリンは、グァルネリ・デル・ジェスで、アイザック・スターンがそのキャリアの殆どで愛用していたものだそうだ。もちろん、あの名録音の数々はこのヴァイオリンで演奏されたもの。カプソンに引き継がれ、再び名演奏を繰り広げていく。つっても、フランコ・ベルギー派の流れを汲むカプソンとスターンでは全くタイプが異なるが。

演奏会後は小さなホールのお決まりでサイン会。タワーレコードが出店していて、「CDまたはDVDお買い求めの方はサイン会に参加できます」と小ズルイ商売をやっている。値段も高いうえに、ポイントもつかない。そしてファンならだいぶ買っちゃっていて、買うCDが殆どない。まぁ、ファンだから演奏会に行くわけだしね。矛盾。

でも、おいらは大好きなヴァイオリニストなので、買う、そして、サイン会の列に並ぶ。大体こういう時は、コンサートの曲目が入ったCDがやたら売れる。と言うことで、ベートーヴェンのヴァイオリン全集をお買い求めの人が多かったみたい。タワーレコードも「早くお買い求めいただかないと売り切れてしまいます」なんてクラシックのCDにはそぐわないことを言っている。当然、おいらはそんなん、発売と同時に手に入れちゃっているけど…。

カプソンはにこやかにサイン会を進行。アーノンクールとは正反対。「アリガト」と言ってサインを渡してくれる。こちらも「サンキュ」と返す。伴奏の若手ピアニストにも、「サンキュ」と言うとちょっと不意を突かれたように顔をあげて、凄く嬉しそうに「サンキューベリーマッチ」と返してくれた。初々しくて爽やか。

終演後外に出ると、いつの間にか雨が降っていた。そんな予報はなかったんだけどなぁ…なんて、不満は、このコンサートの後では、何の苦にもならない。素晴らしい音楽を聴けた充足感に弾け飛んだ。

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台風が接近しているってことで、来週頭まで天気が良くないってことなので、今日のうちに無駄な外出をしておこうと、久し振りに渋谷のタワーレコードへ。ネットで探すだけじゃなくて、店頭でCDを選ぶとまた違ったものが目に付いたりする。だけど、タワレコの店頭高すぎ…!

ってことで、なるべく厳選してCD3枚、DVD2枚をゲット。あとは、HMVで買うかーってな感じ。

で、ついでに、「ぶらあぼ」6月号をもらってきた。ネットでも見られるんだけれども、帰りの電車の中の暇つぶしにちょうどいい。そう言えば、コンサート情報もだいぶ前からチェックしていなかったなぁ。ヨーロッパ旅行とラ・フォル・ジュルネで一杯一杯だったってのもあるんだよね。ほかのコンサートはスルーしていた。

しっかし、良いのがあったんだなぁ~。6月にルノー・カプソン、ヴァイオリン・リサイタル!いやぁ、これは慌てた。本来は、リヨン国立管弦楽団のソリストとして来日する予定で、その合間に組まれたコンサートだった。だから予定も1回だけ。でも、リヨン国立管弦楽団の来日が、中止になってしまった。で、あれば、たった1回のコンサートのためにルノーが来日することは普通はありえないと思うんだが、男気を見せてくれた。予定通りに紀尾井ホールでコンサートは開かれる!はず。以下、ルノーのコメント。

日本の聴衆の皆様へ

フランス国立リヨン管弦楽団が日本ツアーをキャンセルすると聞いた時、たとえ1公演のためであったとしても私は日本へ行って演奏しようと即座に決めました。
私は皆さまの国を襲った恐るべき地震の被害を非常に心配しています。そして皆様と一緒団結し、思いを共有していることをお伝えしたいと思います。
音楽は人々を励まし、助ける意味においてとても崇高な手段です。ですから、私はすべての音符を皆様のために演奏したいと思います。それが日本との“心の繋がり”になると信じています。

もうすぐ皆様にお会いできることを楽しみにしています。


ありがたいこと。そう言えば、ちょっと前にリリースしたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集の相方、フランク・ブラレイも当初の予定になかったのにLFJに参加したし、カプソン兄弟を可愛がっているアルゲリッチも今回の大震災については色々と動き回ってくれている。熱い人たちだ。

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クラヲタ、いや、音楽好きの殆どはCDリスナーだと思う。演奏会なんて、そうしょっちゅう行けるものじゃないけど、音楽を1週間も2週間も聴かないで大丈夫って言ったら「音楽好きなの?それ?」って思うでしょう?要するにCDリスナーにならざるを得ない。そうでないのは、自分が満足に楽器を演奏できるか、自由な時間と有り余るお金を持っている場合のみである。ただ、前者の場合でも、合奏の妙を楽しむには1人では無理なので、頻繁に仲間と手合わせができる状況にある人じゃないと面白くないんじゃないかな?割と楽器の達者な人はCDを買わないと言う例が多いみたいだけど…ね。とは言え、見聞を広めるのは、CDが一番てっとり早く、合理的。好奇心旺盛な人には、楽器をやっていようがどうしようが、必須アイテムだと思う。

まぁ、そんなわけでおいらも思い切りCDリスナーなのだが、今年は結構、演奏会に足を向けた。忘れちゃう…ってことは、このブログを書いている以上あまりないんだろうけど、とりあえず、12月だし、まとめておこう。

2月7日
・ウィーン王宮礼拝堂ミサ/ウィーン宮廷楽団
 モーツァルト:クレド・ミサ
・ウィーン国立歌劇場/ペーター・シュナイダー指揮
 R.シュトラウス:歌劇『ばらの騎士』

2月9日
・マゼール&ウィーン・フィル/ムジークフェライン
 ベートーヴェン:交響曲第6番、ほか

2月10日
・ドゥネーヴ&ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管/コンツェルトハウス
 プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(ハーン)
 ドヴォルザーク:交響曲第7番、ほか

2月11日
・マゼール&ウィーン・フィル/ムジークフェライン
 ブルックナー:交響曲第3番、ほか

2月12日
・フェドセーエフ&ウィーン響/ムジークフェライン
 シマノフスキ:交響曲第3番『夜の歌』
 マーラー:交響曲第5番

3月31日
・インバル&都響/サントリー・ホール
 マーラー:交響曲第3番

5月2日
・コルボ&シンフォニア・ヴァルソヴィア/LFJ
 メンデルスゾーン:オラトリオ『聖パウロ』

5月3日
・コルボ&シンフォニア・ヴァルソヴィア/LFJ
 モーツァルト:レクイエム
・モディリアーニQ、竹澤恭子、ほか/LFJ
 メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲、ほか

6月2日
・サロネン&フィルハーモニア管/サントリー・ホール
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(ハーン)
 シベリウス:交響曲第2番

6月18日
・インバル&都響/ミューザ川崎
 マーラー:交響曲第2番

8月22日
・フライブルク大聖堂付属少年合唱団/東京カテドラル

9月3日
・花井哲郎指揮コントラポント/東京カテドラル
 ルイ14世のミサ(オール・ドラランド・プログラム)

11月2日
・アーノンクール&コンツェントゥス・ムジクム/タケミツメモリアル
 モーツァルト:セレナーデ第9番『ポスト・ホルン』、交響曲第35番

11月26日
・ゲルギエフ&ロンドン交響楽団
 シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(諏訪内晶子)
 マーラー:交響曲第1番

12月1日
・アルゲリッチ・セレブレーション
 シューマン&ラヴェル:ピアノ協奏曲

以上17公演か…結構行ったなぁ。つっても、ウィーンとLFJで数稼いでいる感じはするけど。まぁ、充実していたってことで、よいことだ。

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