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ナイジェル・ケネディ来日公演に行ってきた。場所はオペラ・シティ。なんだか、最近、コンサートと言えばオペラ・シティにばかり行っているような気がする。オペラは聴いていないけど(笑)。

今回の企画は、「バッハ plus ファッツ・ウォーラー」…バッハはJSでいいんだが、ウォーラーは何者か。戦前に活躍したJazzの人らしい。と言うわけで、バッハとJazzをコラボレーションした一夜。いわゆる、クロスオーバー。ケネディはクロスオーバーの代表格、いや、て言うかこれほど確りクロスオーバーしている人って言うのはあまりいない。プレヴィンやラトル、テンシュテットと言った大物とがっぷり組んでブラームス、ウォルトン、エルガー、ベートーヴェン、チャイコフスキーなど重厚な曲を録音して評価を得ているし、ヴィヴァルディやJ.S.バッハなどのバロックでも成功を収めている。その上で、他ジャンルに進出している。最初から他ジャンルに出て行った演奏家とは違う。だから、説得力がある。真のクロスオーバー。信念も確りしている。

今日も、1曲目に無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番と言う、難曲で直球勝負。力強く情熱的ながら実に美しい響きをホール一杯に響かせる。でも、それだけでは済まないのが、ケネディ。4楽章でベースとドラムが出てきて無伴奏ではなくなってしまう。この楽章のノリを活かして、爆走する(笑)。主義主張は、パンフレットにもケネディ自身の筆で書かれている通りはっきりしている。バッハの情緒面を強調したいのだ、と。バッハを計算され尽くされた精緻な音楽と言う概念から音“楽”に戻したいのだろう。そう言う意味では、古楽に通じるところがあると思うんだけど、ケネディ自身は「オーセンティック」なピリオドには否定的。まぁ、つうか、ベルリン古楽アカデミーやイル・ジャルディーノ・アルモニコを見ている限り、古楽の世界でも今ではオーセンティックと言う信念は否定されつつあると思うし、アーノンクールもさほどオーセンティックに縛られているようには思えないが。それでも「オーセンティック」と言う「勘違い」はまだあるのかな。

ちなみに、ケネディのお勧めの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの録音は、グリュミオー盤だそうだ。意外。でも、おいらの好みと被った(笑)。

無伴奏で意表をついたパフォーマンスを聴かせてくれた後は、2つのヴァイオリンのための協奏曲をヴァイオリン、ベース、ドラム、ギターのためにアレンジした作品を披露。これで、前半終了。なんつうか…バッハって凄いな、って改めて感じさせてくれる前半だった。

休憩をはさんで、後半はウォーラーの作品をケネディがアレンジしたものを演奏。20世紀初頭のニューヨークの香りがほんのり漂ってくるようなノスタルジーを感じつつ、楽しく時間が過ぎていく。知らない曲ばかりだったけど、これは良かったかな。

そして、最後がロンドン・デリーの歌(ダニー・ボーイ)。これは圧巻。ベースの簡単な伴奏だけだったんだけど、これほど雄渾で深い情緒を湛えたこの曲の演奏は聴いたことがない。そして、演奏会の最後の演目としては、素晴らしい選曲。前半から後半までよく考えられたプログラミングだなぁ、と感心。バッハとウォーラーと言う一見すると真反対の音楽をまったく違和感なく聴かせてくれた。これこそ、クロスオーバーの醍醐味じゃなかろうか。

アンコールにモンティのチャールダッシュ。ケネディのアンコールの定番。バッハのDVDで聴いてはいたけど、アレンジがあらぬ方向に進化していた…。歌いだしちゃうし(笑)。最後は簡単には終わらないし。この人はホント、エンターティナーなんだなぁ。

そんなわけで、帰る聴衆の顔はどこかウキウキしていたと思う。ケネディ、また来て欲しいなぁ。

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