失恋、ドラッグ、妄想…と言う3つのキーワードを与えられれば、クラヲタはベルリオーズを思い起こす。そうそう、幻想交響曲がそれ。
若き芸術家が、或る日、ある劇場で女優に一目ぼれする。ストーカーのように必死にアピールするが、受け入れてもらえず、やけになってアヘンに手を出す。らりった脳味噌の中で、豊かな想像を膨らませていく…その想像の内容が幻想交響曲に表現されている。若き芸術家って言うのが、本人のことなんだけど、実際、ベルリオーズはアヘンを吸いながら作曲していたとか…そんな噂もある。もう、妄想交響曲とか、幻覚交響曲とかいった方がいいようなものなのだ。しかし、それでもフランスを代表する交響曲だったりしちゃうわけで、芸術ってなんだかな。
さてさて、この交響曲、おいらは好きな曲ではないのだが、ヤンソンス&ベルリン・フィルの爆安DVDがリリースされたので買ってみた。ランチ1回分なので…。
で、これがとんでもなく素晴らしい内容だった。パワーも凄いけど、それでいてガツガツしないのが、ヤンソンスらしいところ。騒がしくない。熱い音塊の大洪水。オーケストラの配置も一工夫ある。客席の最前列の前に向かい合いで、ドカッ!とハープを配置。オーボエを客席後部のバルコニーに配し、イスタンブールの聖イレーネ聖堂の内部にめ一杯に音楽を響かせている。
また、映像的にも、建築物の美しさをありったけに見せ付けさせてくれるもの。機能的に音響の良いホールもいいけど、こういう美しい建築物の中で素晴らしい音楽に浸れたら最高なんだろうな~、と思う。
演奏、録音、映像、どれをとっても隙のない素晴らしいソフト。幻想交響曲、ちょっと好きになれたかも。これがこの値段で…!!たぶん限定盤だと思うので、お早めにご購入を!!
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