HMVの最新ニュースは情報がまとまっていて便利なんだけど、こればかり見ていると興味深いものを見逃してしまうことがある。販売元からの営業とか関係ありそうだしなー。
で、こういう振りがあるっつうことは、見逃していたんである。ものの見事に。それが、スークの交響詩『人生の実り』と交響曲第1番を収めた1枚。演奏はビエロフラーヴェク指揮するBBC交響楽団。最初に、ビエロフラーヴェクがBBC響の指揮者になった時は、「は?なんの繋がり?」とその突拍子もない情報にうろたえたものだが(!)、いざ、このコンビの新譜がちょくちょく出てくると、意外に成功したコンビと言うことになりそうだ。個人的には、いつも新譜を首を長くして待っている。
つうこって、なぜ見過ごしてしまった…。HMVでは9月9日に発売したことになっているから、2か月以上遅れを取った。不覚…(笑)。気付いたのは、店舗だったんだけど、これまでも全く見た記憶がない。新譜コーナーは入念にチェックしているつもりだったが、この程度では甘いのか!
さて、CDの内容だけど、期待に違わぬ出来。収録された2曲は録音の多い曲ではないが、共にチェコの先輩指揮者ノイマンが録音を残している。交響曲は作曲者が20歳前半に作曲したもの、『人生の実り』は40前後に作曲したものである。若々しいパワーはじける交響曲、ある種悟りの境地に入りつつある『人生の実り』。作曲者の変化を見るにも、このカップリングは面白いものだ。ちなみに、ノイマン盤は『人生の実り』1曲でCD1枚。ちょっと割高感がある。
演奏は、ノイマン盤はチェコ・フィルだけあって、ぬくもりのある柔らかな響きを出していたのに対して、BBC響を振ったビエロフラーヴェク盤は、ややメタリック(チェコ・フィルと比べればだけど)。交響曲での弾けた力強さは、ビエロフラーヴェク盤の方が楽しめる。と言っても、スークはドヴォルザークの娘婿だけあって、メロディアスな作曲家(とくに初期は)だから、歌心を失わないで欲しい。が、この点を取についても、ノイマン盤もいいけど、ビエロフラーヴェク盤も十分、聴き惚れることができる演奏だ。3楽章から終楽章に掛けての、馴染みやすいメロディに乗って、一気に歌いあげていく様は、聴衆もとっても盛り上がれる。
で、お勧めなのかと言うと、これが微妙なのだ。HMVで3,500円、ほかの店舗でも安いところで3,000円と、やったら高い。もちろん、SACD。だけど、輸入盤。何なのだ…この値段は。
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