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ちょっと思い立って、飾ってみたいジャケットを10枚ほどピックアップしてみた。曲の内容は全く意識せずに、ポンポンと選んだんだけど、10枚とも古楽(仮にバロックまでとしておこう。古典派は過渡期)か現代音楽だった。これはどういうことなのか。古楽や現代音楽のジャケットがおいらの好みなのだ!と言ってしまえばそれまでだが、反ロマン派と言うか、ロマン派圏外の音楽は自由で新しいジャケットを作りやすい、と言うのもあるのかもしれない。翻せば、良く言われる古楽と現代音楽の結びつきに繋がることかもしれない。まぁ、おいらの好みごときでそんな深遠なことまで証明されるはずもないが…思い上り自重。ただ、現代音楽のジャケットはロマン派向けではないが、古楽のジャケットに転用しても違和感が少ないものが多いんじゃないだろか。

さて、そんなわけで、古楽と現代音楽を考える上で、非常に素晴らしい例となる作曲家、アルヴォ・ペルトの作品を聴いている。スンマ(Summa)や交響曲第3番を収めた一枚。ヤルヴィ一族の長男パーヴォが自身と作曲家の故郷の楽団であるエストニア国立交響楽団を振ったもの。交響曲第3番以外は弦楽合奏のための作品。

ペルトは、当時のソ連政府から目をつけられたことからも判るように、そもそも前衛的な作曲家として出発し、試行錯誤の末、古楽、特に古い教会音楽(中世・ルネサンス音楽)にインスピレーションを得て、現在のスタイルに落ち着いた人だ。交響曲第3番でも、前衛的な香りを残すが、現在のペルト独特のスタイルは既に十分、感じ取ることができる。しかし、あの透明感、静寂感溢れる響きは、その他の弦楽合奏で更に強烈になり、魅力的に聴衆の心をつかむ。音楽を流しているのに、静寂。ひたすら静寂。ペルトの音楽を止めてみると、突然、エアコンの音、PCの音、X-BOXの音が煩わしく聴こえはじめる。音楽が心を鎮め、沈める。そうして、精神的なところで聴衆は静寂を強く感じるのだ。

この感覚に似たものは、他の音楽でも感じることができる。そう、ルネサンスの教会音楽だ。感情の起伏を露わにせず、冷たい表情で教会に鳴り渡るあの無伴奏、あるいはオルガン伴奏の合唱を彷彿とさせるのだ。前に書いたように古い教会音楽の影響が顕著なのが良く判る。

そこにミニマリズムが入り込む。一瞬、ペルトの音楽と、テクノ・ミュージックの成立に多大な影響を与えたミニマル・ミュージックが、頭の中で繋がらないが、聴いていれば何となく判るはずだ。この心地よい退屈感(誰かが言っていた表現の引用)に満たされていく感覚にあの響きがあることが。

このペルトの響きの寂寥感、静寂感を讃えた美しさ…はまれば抜け出せなくなる。しかし、一般人には「眠くなんね?」で終わるんだろうな~。入門は、タブラ・ルサかな?合唱曲も聴いてみねば。


partsumma.jpg






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TITLE > 無題
お久しぶりです。
ペルトと言えば合唱曲ならマニフィカトが一番演奏される機会が多いんじゃないかと思います。録音も沢山出ているし。
ペルトは私も好きで時々無性に聴きたくなります。
ピースうさぎ URL 2010/11/25(Thu)18:02:50 #EDIT
TITLE > 無題
お久しぶりです!
マニフィカトですね…メモメモ…
教会で録音されているやつがあるといいですね。
探してみます。
ペルトは、良いですね!
あの静寂は「癒し」なんて、
簡単な一言では片付きませんね。
schunsou 2010/11/25(Thu)23:35:38 #EDIT
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