西洋音楽1,000年を聴く!ってのが、最近のおいらの音楽趣味の傾向になってきた。つっても、1,000年間の音楽を万遍なく掘り下げて聴くことは不可能だから、こういう聴き方をすると浅く広いものになってしまう。とりあえず、これまでは19世紀ロマン派以降に重点があった傾向を、最近はもっぱら18世紀以前に傾斜して聴いていた。そうして、聴く幅を広げてきたと言えば、カッコいいんだが、まぁ、古楽がマイブームだったってだけなんだな。最近は、古楽ブームから外れて、古楽はレギュラー・アイテムになってきた。
この間、ロマン派以降の未知の作曲家の発掘はあまり進まなかったわけだが、最近、久しぶりに国民楽派の未知の作曲家に出会うことができた。それが、ヨハン・ハルヴォルセン。ノルウェーの作曲家だ。その道ではメジャーなのだろうか?ノルウェーの作曲家と言えば、グリーグとスヴェンセンが圧倒的にメジャーで、その他の作曲家なんているとも思っていなかった(ごめんなさい、オスロ)。北欧と言えば、なんつっても、スウェーデンが音楽的最強国だと思っていたし…。
で、このハルヴォルセンと言う作曲家、何者かと言うと、グリーグの姪と結婚していることからも想像が付く通り、ベタベタの北欧国民主義の作曲家である。超ナショナリズム。ってことで、おいらが買ったのは、北欧のマイナー曲を発掘するのが大好きなネーメ・ヤルヴィの振った1枚である。これを石丸で見つけて衝動的に買ってしまったのだ…。オーケストラはベルゲン・フィル。キタエンコ、いたよね?一瞬ベルリン・フィルかと思うよね?ってくらいの認識のオーケストラだけど、こういうナショナリズムワッショイの曲には、ローカルで良い。ハルヴォルセンがコンサートマスターを務めていた楽団でもあるとのこと。ネーメ+ローカル楽団+シャンドス…面白そうな香りが漂ってきちゃうんだよなぁ。
さて、聴いてみると…「あれ?グリーグ…じゃないよね?あはは、スヴェンセンだって言ってるじゃん…あ、違った、ハルヴォなんとかか…」てな感じで思い切り戸惑った。プログラムにも、3つのノルウェー舞曲、ノルウェーの旋律と、グリーグっぽい曲名が並ぶ。解説によれば「グリーグの確立したノルウェーのナショナル・ロマンチシズムを発展…」とあるんだが…いや、まんま引き継いじゃっただけじゃないか?としか思えない。森と湖がごっそり現れる。とは言え、あのグリーグの独特のメランコリックなリリシズムも引き継いでいるので聴き心地は良い。グリーグをもっと聴きたいんだ!と言って、ネーメのグリーグ全集を買っても、まだ物足りない貪欲なまでに好奇心旺盛な人向け。いや、おいら、ネーメのグリーグ全集持っていないけど。あ、グリーグっぽいからにして、ネーメの指揮に文句はない。グリーグのスペシャリストだしね。メリハリの効いた力感あふれる好演。特に交響曲第2番『宿命』(これはちょっとグリーグの書きそうな音楽ではない)での力演は爽快。
ちなみに、おいらが買ったのは管弦楽作品集Vol.2なのでVol.1も出ているはず。折を見て収容しておこう。他のCDは…HMV検索してみたけど、さほど目ぼしいものはなかった、かな。
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