そいえば、ルノー・カプソン&フランク・ブラレイのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集を買った。全集じゃなくても…と言う買い方はできない。のっけから全集でリリース。全曲のマラソン・コンサートを2009年から2010年にかけてのシーズンで50回もやった挙句に一気呵成にスタジオ録音したらしい。素晴らしき暴挙である(笑)。何故そんなことをしなくてはいけなかったのか、本人たちにはそれなりの理由があったのだろうが、傍から見ると「す、すげぇな…」としか言いようがない。
因みに、録音も僅か4日間。まぁ、50回もやっているんだから、もう慣れたものだったのかもしれない。場所はスイスのラ・ショー=ド=フォン。室内楽の録音では時々聴く街だが、それ以外では全く知らない街。ウィキペディアによれば、スイス第3の街らしい。有名なのか。おいらが無知なだけなのか。
さて、この全集、まだ全部は聴いていないんだけど、まったくもって素晴らしい限り。カプソンのヴァイオリンは相も変わらず、精緻で美しい。ガリゴリ弾き荒さない。なのに、テンションは相変わらず高くって、燃焼度の高い演奏になってしまうのが実に妙なところだ。美麗と熱演は相反するところにいる、なんてのは、一見すると正論のように感じてしまうんだけれども、実はそんなことなくって、実は、同居することも可能なんだよ、ってやって見せちゃってくれている。美しさを求める人も、熱演を求める人も、十分満足できる逸品。
ちなみに、HMVの記事によれば、バッハの無伴奏をやる前にベートーヴェンのソナタをやっておきたかった、と言うことなので、そろそろ、録音されちゃうんじゃないだろうか、無伴奏。どんな、無伴奏になるか、とても楽しみなところだ。
無伴奏と言えば、そうそう、ハーンにも是非、全曲録音して貰いところだけれども、こちらはどうなんだろうか。
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