だいぶ冷え込んできた11月最初の週末、今日はヴァイオリンの師匠の演奏会があったので横浜へ。崎・陽・軒♪…の工場が我が家から徒歩5分圏内にあるので、すぐ近く!…な訳なくって、1時間以上かけて横浜へ。会場は横浜市開港記念会館。岡倉天心生誕地に立つ趣のある洋館。
「中華街の近くだから食事してから来るのが良いんじゃない?」
と言う師匠のお言葉に従順に従って、弟子仲間でショウロンポウを中華街で頂いてから会場へ。古いホールはレトロな趣満載。昔の学校の体育館ってこんな感じじゃないかな?知らないけど。ただ、思ったとおり普通にガラスの窓とかあるし、音響的には決して優れた場所ではない。つーこって、一番前のど真ん中の席をゲット。ここなら音響の悪さは気にならない。オーケストラだとバランス悪くって、あまり良い席じゃないんだけど、今回はピアノ四重奏の編成。室内楽。
演目は、
ピアソラ:タンゲディア
R.シューマン:ピアノ四重奏曲Op.47~第3楽章
モンポウ:ひそやかな音楽第1集1
モンポウ:魔法5~過去の記憶を思い起こすための
ザッパ:ピーチズ・エン・レガリア
ピアソラ:天使のミロンガ
~休憩~
ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番
キング・クリムゾン:レッド
の8曲。全体的にごちゃまぜ感が強いが、これは各奏者のやりたいものをぶち込んだため。特に前半の統一感のなさは…すごい。前回の演奏会は趣向がはっきりしていたけど、今回はそうはなっていない。で、これを師匠のMCが繋いでいく。曲の説明とか…しちゃうのだ。
とは言え、今回のメインはブラームス。演奏会の企画そのものもこの曲を演奏することが起点となっているとのこと。おいらも、しこたまCDで聴いてから行った。
で、そのCDの演奏者がカプソン兄弟、コセ、アンゲリシュのもの。相変わらず、R.カプソンのヴァイオリンは美しいし、緊迫感が溢れていて、テンションも高い。歌心もあって、瑞々しい。若々しい、フランスのアンサンブルに期待するものを想像以上に表現してくれた名演だ。
対して、師匠のアンサンブルは、手堅いもの。いや、カプソン達が異端な演奏をしているわけじゃないんだけど、まぁ、王道ではない(この演奏しか聴いたことないけど)。今日の演奏も重厚なドイツ・ロマン派を地で行くような王道のものではないけど、切れ味鋭いカプソン達に比べれば、テンポもゆったりとしていて落ち着いていた。秋に聴くブラームスには、落ち着いていて心情に合うかもなぁ。つっても、しんみりとした弱腰の演奏じゃないけど。3楽章のヴァイオリンの美しさ、終楽章の一気呵成に歌い上げるメロディのカッコ良さ!ガッツリ楽しませて貰えて、満腹満腹。
拍手を遮って、MC。自分でも言ってたけど、拍手遮るって…(笑)。で、その後、キング・クリムゾンをやって、プログラム終了。ジミ・ヘンドリックスで乗りまくって締めくくるナイジェル・ケネディを彷彿とさせる。と言っても、今回、一番、熱かったのはブラームスの終楽章だろうなぁ。
アンコールは武満徹。「マジか…」と思ったけど、安心のメロディアス武満。曲は「小さな空」。そしてそれが風であることが知ったら…おいらは歓迎だけど(汗)。
外に出ると、風がひんやり。秋もだいぶ深まってきたなぁ。帰ってブラームスをまた聴こう…。
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