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イギリス・ルネサンス音楽を久々に買って聴いている。以前ちょっとはまってモーリーだのダウランドだの聴いていたことはあるんだけど、いつの間にか聴かなくなっていたなぁ。

今回はトーマス・タリスのエレミア哀歌。harmonia mundiの新装版シリーズからの一枚。往年の名カウンターテナー、アルフレッド・デラー率いるデラー・コンソートの演奏だ。

タリスの生きた時代(1505-1585)はまだ、モンテヴェルディも活躍しておらず、バロックの香りすらしない、どっぷりルネサンスの時代。今日、クラシックと言って、のだめがキャッキャしている音楽には含まれない時代だ。バロック以降の音楽を楽しんでいる身には、何となく、訳のわからない暗い時代である。“有史以前”と言う感じだろうか。

このエレミア哀歌はタリスの最も有名な曲だと思うんだが、ルネサンス音楽のこと、強烈な個性を持っているわけではない。明確なメロディが音楽を支配するわけでもない。何となく、グレゴリオ聖歌から時代を経て、お教から脱して音楽になってきたような感じの響きだ。情緒を見せずに淡々と音を紡いでいく。無表情にも聞こえるそんな音は清澄な響きをもっていて、心に沁みわたってくる。バロックの華やかさ、古典派の優雅さ、ロマン派の重厚な情緒とは異次元の世界。朝よりは夜に静かな気持ちで聴きたい音楽。流行りの言葉を使えば「癒し」ってところなんだろうけど、この音楽を聴いて湧き上がる感情はそんな一側面的なものではない。教会で聴きたい、猛烈に。

お…そうだ、ラ・フォル・ジュルネでルネサンスなんてどうだろう?バッハでバロックをやって、モーツァルトで古典派をやった。国民楽派もやったし、来年はロマン派もやるらしい。いいじゃん、そろそろルネサンス。楽しくないだろうなぁ!クラヲタのなかでもコア中のコア、古楽マニア垂涎の音楽祭(笑)。

絶対…ない!!

tallis-deller.jpg






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