『VIA CRUCIS―十字架の道』と題された1枚を購入した。タワーレコード渋谷店激推しだったので、ついつい…踊らされてみることにした。仕入れ過ぎだろってくらい店内に横溢。古楽なのに、そんなに売れるのか?しばらく経ったら在庫処分セールのコーナーにあるんじゃないか?と、どうでもいい心配をしつつ、ジャルスキーも出ていたので、買ってみたのだ。
内容は激推しするのも当然か…と言うもの。おいらも激推ししとく。「のだめ」とはどこにも書いていないけど、売れることを祈る。こういう素晴らしいCDがサンプルみたいな寄せ集めCDより売れないって言うのはなんか悲しいよね~。
さて、このCD、古楽と書いたとおり、演奏しているのは…クリスティーナ・プルハールと言うテオルボー他奏者の率いるラペルッジャータと言う楽団。古楽オンチのおいらは知らない楽団だ。10年前から活動しているらしい。テオルボー奏者がリーダーと言うのは、何なのか、古楽じゃ珍しくないのか…と思っていたら、プルハールは、テオルボーだけじゃなくて、ハープやその外の楽器も演奏する。まぁ、なんでもいいか。
で、このCDの何が良いかって言うと、楽しくて美しい。古楽って言うと、アーノンクールとかガーディナーをおいらはすぐに思い浮かべる。で、彼らが小難しそうな顔をして、アカデミックに考証しはじめるのだ。そう言うのもいいんだけど、18世紀以前の音楽ってJ.S.バッハを除けば、そんなに深く考え込む音楽じゃなかったんじゃないだろうか?世界を征服していくクラシック音楽ではなく、ヨーロッパの民俗音楽と言う色が濃かった時代だと思う(まぁ、19世紀以降の音楽だって、極論すればクラシック=ヨーロッパの民俗音楽なのだが)。
そう考えるともっと軽快に行っちゃってもいいんじゃないか、と思うのだ。このCDはそんな考えにぴったりの企画なのだ。タワーレコードの推薦文章には「ジャズか、ワールドミュージックのようなノリなのに、古楽の響き」みたいなことが書いてあったけど、案外、当時はこういう響きが街に響いていたのではないだろうか。ぜひ、広く聴いて欲しいCDである。
更に、今ならDVDも付いている。ラペルッジャータの楽しいコンサートの様子が収められている。あまり目立たないながら微笑みながらアンサンブルを見守るプルハールの様子が印象的。このDVDおまけなんだけど、1時間以上あって、さらに30分以上をYouTubeで観ることができる。太っ腹なりVirgin。YouTubeはこちらから。のっけからジャルスキーの美声に酔わされるので酔い止めを用意して観てほしい。
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