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音楽史の一時点としての現代
2009/05/27 (Wed)
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先日、渋谷のタワーレコードで開催されたインバルのトーク&サイン会に行って思ったんだけど、やはり、指揮者の話を聴くのって面白い。別次元のすげぇやつ…と思っていた巨匠があんなことやこんなことを考えて指揮していたなんて!!実に興味深い。
しかし、現実にはなかなか指揮者のトークを聞くことは出来ないんだよね…。と思っていたところ、『指揮者が語る!』(D.D.ショルツ著/蔵原順子、石川桂子訳/アルファベータ/2008年)と言う本を石丸で見つけたので買ってみた。
著者が、29人の指揮者と対談したものをまとめたもの。ドホナーニ、マゼール、マズア、ゲルギエフ、メータ、ギーレン、アーノンクールと言った功成り名を遂げた巨匠を中心に、ユロフスキのような若手、ヴァイル、プレトニェフのような個性派など幅広い指揮者と対談を繰り広げ、興味深い話を引き出している。適当に興味あるところから読んでいるので、まだまだ読み欠けという状況だけど、ほとんど編集されていない「生の指揮者の考え」が読めて実に興味深い一冊だ。
さて、その中から、面白いお題ひとつ。ドホナーニに向けられた質問とそれに対する答えを。
Q.(21世紀に)20世紀から残っていくもの(音楽)は?
A.20世紀前半からは、数多くのものが残るでしょう。後半の方が、同時代人としては判断が難しいですね。第2次世界大戦後に書かれたもので、私から見て本当に強力な持続性を持つと思われるものはとても限られていたと現時点では申しておきますが、的外れになるかもしれません。
20世紀前半、ラヴェルやドビュッシー、マーラーやシベリウス、ストラヴィンスキーにフランス6人組…まぁ、こういう人は既に古典として扱われているようなところがあって、素人目に見ても、19世紀の音楽で今なお聴かれている音楽同様の感覚がある。だから、ドホナーニと同じような感覚をみんな持っているのではないだろうか?
問題は、20世紀後半から現代に掛けて。音楽史の一時点としての現代とはどういう時代なんだろうか?と言われれば、ドホナーニのような識者でも、自信を持って評価することは出来ない。バッハやモーツァルトと同時代の人が、何百年もバッハやモーツァルトが聴き継がれて行くとは想像も出来ないように…。
結局、音楽は時間が評価する―そう言うことなのだろう。さて、ミニマルとかどうなるんだろうなぁ?タイムマシンに乗って未来人に聞きに行ってみたいものだ。
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【音楽四方山話】
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