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「交響曲第○番といえば、これ!作品番号別人気投票」、今回は交響曲第6番。この番号で有名なのはベートーヴェンの田園とチャイコフスキーの悲愴。次点でマーラーの悲劇的かな。あとはそれほど知名度は高くないでしょう。

さて、おいらは…マルティヌーが一押し。交響的幻想曲というサブタイトルの曲。ベルリオーズの幻想交響曲と似たタイトルだけど、マルティヌーの曲はラリッた若者の幻覚ではないので、ご安心をwフランス語では、Fantasies Symphoniquesと複数形になっていることから、それぞれの楽章が幻想曲となっていることが伺える。

戦後の1953年に完成。交響曲の世紀を19世紀とするならだいぶ遅れて出てきた交響曲である。だからといっていいのかな?形式に縛られない自由なかたちの交響曲。そういう曲。楽章は3つ。第1楽章がLento; Andante moderato; Poco Allegro、第2楽章がPoco Allegro、第3楽章がLentoとなっている。曲想は前述のように、ベルリオーズの幻想交響曲のように物語性のあるものではなく、抽象的な幻想性を表している。と言っても、やはり19世紀、ロマン派近辺の幻想曲とはわけが違う。確かに幻想的で美しい表現ではあるんだけれども、響きはコンテンポラリー。幾何学的と言うか、デッドと言うか、そういう響きに満ち溢れている。独特の美しさ。適度に不協和音も混じる。こういう幻想曲もありだろう。

CDは、依頼主であるミュンシュ盤が名盤。ボストン響の豪放磊落な演奏が聴ける。50年前の録音だけれども、録音はそこそこ優秀。あとは、ノイマン盤も有名だけれども、不勉強にして聴いたことなし。買ってみようとは思っているけど…なかなか買いださないCD。

んで、おいらのオススメはと言うと、ビエロフラーヴェク盤。マルティヌーのスペシャリストと言う極一部マニア限定向けの扱いをされるだけあって(ホントは、そんなことないぞ)、演奏は流石のもの。現代的な響きを殊更強調せずに、柔らかい音色に仕上げていて実に聴き心地がいい。テンポも速すぎず、たっぷりと幻想感を味わえる。チェコ・フィルの響きも魅力的。美麗。少し前に、チェコ・フィルと交響曲全集をスプラフォンに出す計画があって、実際に交響曲第3番、同第4番はリリースされたのだけれども、この曲はまだ。立ち消えになってしまったのだろうか。

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