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ハンス・ロットの交響曲第1番を聴く。どういう機会だったかは覚えていないが、この作曲家の名前も顔も見知っていた。しかし、実際に曲を聴くのははじめて。いくらなんだって、名前を聞いただけで興味を持ってどんどん聴いていたらきりがない。切っ掛けが欲しい。今回は、パーヴォ・ヤルヴィがフランクフルト放送交響楽団と録音したということで、店頭で宣伝していたので買ってみた。パーヴォと言えば、ベートーヴェンやブラームスと言った王道の作品でも高い評価を得ている指揮者だが、さすがはネーメの息子、隠れた名作の録音にも積極的だ。

さて、ハンス・ロット…何者だろうか。1858年ウィーン近郊に生まれているので、マーラーより2つ年上と言うことになる。母親は女優で、父親も俳優。しかし、父親は別に妻がいて、不倫の末に母親が18歳の時に、ハンスを生んでいる。ウィーン音楽院に学び、ブルックナーにオルガンを師事。また、この時期にマーラーとも面識を得ている。音楽院でのコンクールのために作曲した交響曲第1番をブラームスとリヒターに初演して貰うために見せたが評価されず。それどころか、ブラームスに「才能がないから作曲をあきらめるべき」と全否定され、意気消沈してしまう。ブルックナーの弟子が、ブラームスに作品を持ち込んだ時点で「?」なんだが、やはり、ブラームスには、その辺りの感情のもつれもあったのかもしれない(そして、ブラームスは性格が悪い)。意気消沈したハンス・ロットは、そのまま精神を病み、何回かの自殺未遂の末、1884年に25歳の若さで亡くなった。

そんなわけで生前は全く評価されなかったのだが、ブルックナーとマーラーはハンス・ロットを高く評価していた。特にマーラーは、交響曲第1番『巨人』を作曲するにあたって、ハンス・ロットの交響曲第1番を意識しており、『巨人』の中には、時折、酷似したフレーズが出てくる。もちろん、この交響曲第1番は生前に演奏されることはなく、それどころか、その後、100年ほどはその存在すら知られていなかった。初演されたのは、なんと1989年のことである。日本初演に至っては2004年まで待たなければいけない。

この曲をパーヴォ・ヤルヴィは素晴らしい演奏で録音してくれた。曲は、教会のオルガンの響きに影響を受けた金管の鳴らし方など、師匠ブルックナーの影響が濃厚。しかし、ブルックナーの作品を想像して聴くと肩透かしを食らう。壮大なオーケストレーションなど、後期ロマン派らしいスケール感のある作品だが、スマートでなかなかカッコいい曲だ。ブルックナー的な不器用さ、野暮ったさは、あまり感じられない。若書きの作品であり、作曲技法は熟練のものとは言い難いのだが、そこのところは、パーヴォの棒でうまく補正されている。キビキビとしたリズム、クリアなサウンド…パーヴォの演奏を聴いていると何でこの作品が埋もれてしまわなければならなかったのかと不思議に思ってしまう。

併録は、管弦楽のための組曲への2つの楽章で、これは世界初録音。こちらもなかなか聴き応えがある。それにしても、世界初録音なんて、最近じゃCHANDOSやNAXOSのためのものかと思っていたら、RCAから出てきてしまった(笑)。改めて…流石、“ヤルヴィ”!

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