アノニマス4は女性4人のヴォーカル・グループである。主なレパートリーはルネサンス期以前の声楽曲。
ルネサンス期を得意とするグループってキングズ・シンガーズのように、高音域も男声でカバーしちゃったりする。ザ・シックスティーンやタリス・スコラーズ、スティレ・アンティコは男性も女性もいるけど、女性だけのグループってどんだけいるのだろうか?しかも、たったの4人。もちろん、ザ・シックスティーンのハリー・クリストファーズやタリス・スコラーズのペーター・フィリップスのような統率を取る人もいない(まぁ、4人じゃいらないだろうけど)。それでも、なかなか素晴らしいのだ。女声ならではの清澄さもあって、◎。
さて、そのアノニマス4の興味深いCDを入手した。タイトルは『GLORYLAND』アメリカ発祥のフォークソング、スピリチュアル音楽、ゴスペルを集めた1枚。
ルネサンス期以前の音楽を得意とするアノニマス4がアメリカの古い音楽を歌うのか?しかも、所属レーベルはハルモニア・ムンディ・フランスじゃんね…?と疑問符は付くが、アノニマス4のCDは実はHMFのアメリカ支店でのプロダクション。アノニマス4だってアメリカのグループなのだ。だから良い。良いと言うことにしてしまおう。
で、これが、美しくって楽しくって、なかなか聴き応えがあるのだ。ノスタルジック溢れるブルーグラスのような響きがあるかと思えば、どことなくルネサンス期の教会音楽のような響きもある。アメリカらしいノリもあるが、それはそれほど印象に強くない。アノニマス4の清澄な合唱とアメリカの響きが見事に融合した1枚だ。
ほかに『American Angels』と言うCDもある。こちらも聴いてみたい。
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