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台風が過ぎ去った。快晴。部屋に閉じ籠っているのもなんなので、ふらりと神保町に散策に行ってみた。今、ちょうど古本祭りをやっている。祭りとはいうものの、皆本を黙って物色しているので、基本的には静かである。なので、案外に何時もの古本街の空気感は失っていないのがうれしい。過去こそ偉大みたいな考え方は嫌いだけれども、神保町のちょっと時が止まってしまいそうな独特の雰囲気は好きなのだ。今日もそんな空気を楽しみつつ、ウィンドショッピングを楽しみ、最終的にディスクユニオンへ。古本祭りと関係があるのかないのかわからないけれども、狭い店内は結構混み合っていた。数枚のCDを購入して、外へ出ると、ひんやりとした秋の空気。ほの暗くなっているけれども、まだ電灯の下で大勢の人が、本を探していた。

さて、今日買ってきたわけじゃないけれども、こんな風情が似合う1枚のCDをご紹介しよう。

ピエール・フルニエのチェロ小品集。1964年に録音され、コンサート・ホール・ソサエティからリリースされた1枚。コンサート・ホール・ソサエティは、1970年代まで活動していたレーベル。日本でも通販で安いレコードを販売していたらしい。実在するかどうか怪しい楽団などが登場したレーベルだそうだが、日本の家庭にクラシック音楽なるものを普及するのに多大な影響を及ぼした、らしい。

ただ、中にはシューリヒトだの、ミュンシュだのと言った超大物が混ざっていたので、今でも時々、復刻が進められている。今回のフルニエもそうしたものの一つ。タワーレコードとDENONとの共同企画によるもの。

まず音が流れ出して思うのは、「古い!」と言うこと。音質も時代相応以下なんだけれども、企画とか、編成が、なんとも古臭いのだ。バロックものをやるのに、チェロの後ろでオーケストラが、鈍重に眠たげに鳴り響く。これ、今じゃ流行らない、っていうか、演奏されることのないタイプだと思う。ちなみに、バックはジャン=マリー・オーベルソンなる指揮者の率いるパリ・コンサート管弦楽団。何なんでしょうか、この楽団は(笑)。

それでも、フルニエの演奏が、すべてをチャラにしてくれる。温もりがあって、芯の強い確りとした演奏だ。もちろん、今日的な演奏を聴きなれている耳には、古い演奏手法に聴こえるだろうけれども、それはありがちな「古臭い音」ではなく、「古き良き音」なのだ。昔はよかったわけではない。けれども、忘れがたい音もある。その一つが、フルニエのチェロなのだと思う。正直、大演奏家と崇められている人であっても、今更聴く気の起きない人は多いけれども、フルニエの演奏は、時々、引っ張り出してきて、哀愁に浸りたくなる貴重なものだ。

フルニエの演奏するサン=サーンスの白鳥を聴きながら、神保町の喫茶店で一服したら、たぶん、今日と言う文明的な日を忘れることができるんじゃないだろうか。たまにはそんな日があってもいいと思う。



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