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ヴァイオリンは、西洋伝統音楽において最も重要な楽器の一つである。オーケストラでは、その要であるコンサートマスターをこの楽器の奏者が務めるし、弦楽四重奏のリーダーだってそう。

でも、ヴァイオリンがメジャーになったのは、長い西洋音楽史の中でそれほど古い話ではない。古楽を聴いていれば、大体、17世紀の半ばから後半くらいが、ヴァイオリン音楽の本格的なスタートだったことがわかる。もちろん、ルネサンスの頃から楽器としては存在したのだけれども、重要な楽器として、アンサンブルの中心になり、作品の中心に出てくるのはこの頃だ。そして、何事においてもそうだけれども、出始めと言うのは、刺激的でチャレンジ精神にあふれている。

そんな時代の音楽を集めたCDがリリースされた。タイトルは『スパイシー』サブタイトルに、“Exotic” Music for Violinとある。この時代の作品集に付けるには、最適なタイトルだ。演奏者は、メレット・リューティとレ・パシオン・デ・ラーム。リューティはスイスのベルン出身の女流バロック・ヴァイオリニスト。レ・パシオン・デ・ラームは、リューティをリーダーとした、ベルンの新しい古楽アンサンブルである。ホームページを確認すると日本人も参加しているらしく、紹介の動画では、日本語での挨拶も聴ける。その影響か、DHMからリリースされた、この輸入盤のCDにも、日本語の解説がついている。

収録曲は、シュメルツァーの4声のための剣術学校、ソナタ『トルコ人を破るキリスト教徒の勝利』、ビーバーの技巧的で楽しい合奏から第3番と第6番、ヴァイオリン・ソロのための描写的なソナタ、フックスのパルティータ『トルコ風』。

パッと見気になるのはシュメルツァーのタイトルが異彩を放っていること(笑)。シュメルツァーだしな…しょうがない(汗)。タイトルはともかく、注目したいのは、ソナタ『トルコ人を破るキリスト教徒の勝利』。これ、ビーバーのロザリオ・ソナタの第10番をまるまるパクって変調しただけと言う代物。最後の方にオリジナルのメロディをくっつけてはいるけど、ここまで見事なパクリをすると現代人の感覚では、怒りの対象になるが、この時代はそういう意識はない。18世紀、古典派くらいまでの作曲家には、「パクリ=悪」と言う意識はあまりなかったようだ。パクっても良ければ良いじゃん、と言う何とも快楽的な発想。だから、「モーツァルトはパクリが多いからダメ」と言う向きは、現代感覚を古い音楽に押し付けているようであまり好きな論調ではない。ほぼ18世紀以前の音楽を全否定することになりかねないし(笑)。

それにしても、ロザリオ・ソナタをトルコと西洋の戦いに見立ててしまうとは…。流石、シュメルツァー、突拍子もない。ちなみに、ロザリオ・ソナタの第10番って、イエスの磔の場面なんだよね。ビーバーも苦笑ものだ。

トルコ絡みでは、フックスの作品も、そう。ドンチャンドンチャン鳴り響く、トルコの軍楽隊を髣髴とさせる。西洋史的にはちょうどこの頃、西洋とトルコが戦っていて、その影響が音楽にも出てきているのだ。後世のモーツァルトのオペラ『後宮からの逃走』なんかもその類。

この辺りが、このCDのサブタイトルのエキゾチックな部分なんだろう。では、スパイシーは?と言うと、これはビーバーが中心。もちろん、シュメルツァーもなかなかにスパイシーなんだが、刺激的で挑戦的な音楽は、ビーバーの独断場。技巧的で楽しい合奏と描写的なソナタが一気にこのプログラムをスパイシーにしている。演奏もなかなかにスパイシーだ。メリハリがあって、耳障りではないくらいに尖がっている。レツボールの熱い情熱で、暑苦しく紹介されるオーストリア・バロックも良いんだけど、レ・パシオン・デ・ラームは、もう少しだけスマート。ビーバーの演奏も、程よく情熱的だ。ちなみに、使用されている楽器のうちヴァイオリンとヴィオラはシュタイナーなんだけど、解説によれば、ビーバーとシュタイナーは、知遇があったらしく、ビーバーはシュタイナーの楽器を使っていた可能性が高いとか。この辺の拘りも、聴いているものを感心させる。
 
このCDは、レ・パシオン・デ・ラームのデビュー盤らしいが、リューティ共々、今後も楽しみにしていいアンサンブルだと思う。ちなみに、アンサンブルの名前は、デカルトの論文「魂の情念」に由来していると言う。凄い名前だな…。

 

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