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昨日のプレヴィンのサイン会、実は、別のCDにサインしてもらおうと思っていた。それがこれ(↓)。

アーロン・コープランド:組曲『赤い子馬』
ベンジャミン・ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム
 アンドレ・プレヴィン指揮セントルイス交響楽団

これ、実は、当時、ジャズ・ピアニスト、映画音楽作曲家として名を成していたプレヴィンがシンフォニックな作品を指揮した始めての録音らしいのだ。しかも、シンフォニア・ダ・レクイエムはこれが世界初録音。この作品、皇紀2600年を記念して、日本政府がブリテンに依頼した作品だ。当時、軍国主義にひた走り、日中戦争を引き起こし、第2次世界大戦を引き起こそうとしていた日本政府の依頼にブリテンが応えたのが、この作品。シンフォニア・ダ・レクイエム…鎮魂交響曲。戦争の悲惨さ、恐怖を喚起させるこの作品、もちろん、日本政府は、烈火のごとく怒りを表し、あわや大きな国際問題になりかけたという問題作。

それが、1963年にして、プレヴィンによって、アメリカで録音された。今では、結構、録音される機会の多い作品だが、なぜ、1963年まで録音されなかったのだろう?それは判らない。ちなみに、ジャケットは発売当時のものをそのまま復刻したらしいが、煙を囲むような日章旗が生々しい。

『赤い子馬』は、自称ジャズ・シンフォニストのコープランドの作曲した映画音楽。これをプレヴィンが管弦楽組曲化したものを録音している。プレヴィンらしい選曲だ。

セントルイス交響楽団は、1980年以降、レナード・スラットキンが音楽監督に就任してから、世界のメジャー・オーケストラと認識されるようになったが、その前時代にプレヴィンとこんな出会いがあったとは知らなかった。おいらの知っている限り、その後、プレヴィンとセントルイス交響楽団の繋がりと言うのは、あまり濃くないようだ。

演奏は、プレヴィンが指揮者として、成功の第一歩を記したものだけあって、素晴らしい。特に、『赤い子馬』はこの曲を代表する名盤の一つだろう。映画音楽にありがちな、変に金管をガナリ立てさせるようなものではなく、スマートに柔らかく、しかし、浅薄な響きにならない、良い意味で中庸を得た演奏だ。古き時代のアメリカを思い起こしながら聴くといい。

最後に、youtubeに1970年代のプレヴィンの映像があったので、ご紹介。ビートルズにでもいそうな風貌だ。指揮するビートルズ。でも、このとき既に、世界的な指揮者だった…。サロネン並みに貫禄ない。曲はベートーヴェンの交響曲第7番第4楽章。

プレヴィンのリハーサル風景

previn-copland.jpg





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