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音楽史には興味があるんだが、西洋史は相当疎い。しかし、それでも、古楽を聴くときには、当時の為政者との関係を無視することはできない。18世紀以前の音楽家は、王侯貴族なしには、語ることができず、良くも悪くもその影響を大きく受けているのだから。例えば、ダウランドやヒュームの庇護者だったクリスティアン4世、タリスとバードに印刷の許可を与えたエリザベス1世、モーツァルトとの関係で知られるヨーゼフ2世、ゼレンカやハイニヒェンが宮廷楽長を務めたアウグスト2世、自らも作曲、フルート演奏をし、C.P.E.バッハが仕えていたこともあるフリードリヒ大王などなど枚挙に暇がない。こうした王侯貴族との密接な関係があったが故に、ロマン派とはまるで違う音楽になっている、とも言える。

そんな音楽家に影響を与えた王侯貴族の中でも、楽派を構成するまでに至った王が2人いる(ほかにいるかもしれないけど、おいらがパッと思い出したのは2人…(汗))。マンハイム楽派のバイエルン選帝侯カール・テオドールとヴェルサイユ楽派(フランス古典派)のフランス王ルイ14世である。モーツァルトに少なからぬ影響を与えたマンハイム楽派、リュリ、シャルパンティエ、クープラン、ドラランド、ラモー、マレと言ったバロックの大物をずらりと揃え、豪奢な音楽を展開したベルサイユ楽派、どちらも18世紀の音楽シーンで重要なポジションを占めている。

さて、今回は…フランスの方、しかも、太陽王ルイ14世の後継者で曾孫のルイ15世の時代にテーマを絞ったCDを聴いている(と言っても、ラモーだけなんだが(笑))。ルイ15世は、5歳で王位を継ぎ、奔放な生活を送った王である。政治には興味がなく、結局、ルイ16世によるフランス王の滅亡の遠因を作った人だ(と解釈している)。

演奏しているのはサヴァールとル・コンセール・デ・ナシオン。サヴァールは、こうしたテーマを付けてCDを作るのが好きである。古楽、特に音楽史好きにはたまらない手法で、高いALIA VOXのSACDをついつい買わされてしまうわけだ(汗)。フランス王をテーマにしたのは、ルイ13世、ルイ14世に続く3作目である。

演奏されているのは、ラモーのオペラからの管弦楽組曲。18世紀までの音楽界では、オペラでの成功こそ音楽家最大の名誉だった。冒頭に述べた、王侯貴族と音楽家の密接なつながりは、政治にも多分に利用された。その一つが、膨大な費用のかかるオペラ制作だった。ド派手な舞台を作り上げ、関係者に「すげー!」と思わせることが大切だったのである。だから、モーツァルトも、必死になってオペラを書きまくった。今日、オペラと言うと、モーツァルトを除けば、ほぼ19世紀に作曲されたものだが、オペラの全盛期は17世紀~18世紀だったのである。

ラモーもご多分に漏れず、オペラをたくさん書いた。ただ、ラモーのオペラは管弦楽のド派手さで有名であり、今日でも、オペラから管弦楽だけを抜粋した組曲がよく演奏される。今回、サヴァールがこのCDに収めたのはその中でも特に代表的な4曲である。『優雅なインド』、『ナイス』、『ゾロアストル』、『ボレアド』…まぁ、代表的と言っても、今日的には、マイナーな作品かもしれない。しかし、バロック・オペラ=マイナーとして放っておくには惜しい作品だ。とにかく、オーケストラがド派手で楽しい。軽薄と言えば、軽薄で、ロマン派からみたらありえないほど、哲学のない音楽だ。故に、19世紀以降全否定されるわけだけど、これほどに楽しく、浮かれた音楽だってあっていいんじゃないか。ベルサイユ宮殿どんだけ浮かれまくっていたんだろう?!楽しすぎる。リュリやシャルパンティエは優美な陰影があったりして、『ベルサイユのばら』の需要に多少は応えられるだろうけど(しかし、イメージ通りではないだろうな…)、ラモーやドラランドは、もう、ね(笑)。

演奏は、難しい研究を重ねてから行われたもの。古楽の「ホントはこういう音楽でした」的な上から目線を批判する向きを批判する人の気持ちもわからないではないが、こうした研究を重ねる努力は音楽史的には重要な作業で、評価されるべきだと思う。結局それが正解であるかどうかは、今となっては判らないんだけど、探究心とそこから出てくる意欲的で新しい響きには、惹かれずにはいられない。それで今回は、何がどうなったのかはわからない。ラモーの音楽はやっぱり楽しくって、サヴァールの指揮もぶっ飛ばない程度にエキサイティング。オノフリやミナジも参加しているんだが、イル・ジャルディーノ・アルモニコにはならない。

さて、このCD、ルイ15世が聴いたらどんな顔をするだろう?いつもの演奏だな、って思うのか、まだまだテンションが足りない!って思うのか、はたまたもっと優雅に構えてよ…と思うのか。それにしても、ロマン派以降なら「この演奏、作曲家に聴かせたら…」と思うのに、ね。ホント、バロックとロマン派は同じジャンルの音楽じゃない…。

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