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ファルコニエーリと言う作曲家を聴いたのは、ダニエル・ホープの『バロックの旅』と言う企画もののCDに数曲収められていたのが最初だ。中でも、冒頭に収められていたチャッコーナは印象的で、何度も聴いた。結局、このチャッコーナは、ファルコニエーリの純粋なオリジナルではなく、当時の有名なメロディを用いたもので、バロック期の多くの作曲家がこのメロディを使って曲を作っていたのだが、この当時はそんな知識もなかった。

チャッコーナのことを色々と知るようになってくると、ファルコニエーリの名前はだんだんと頭の隅の方に追いやられていった。と言っても、忘れたわけでもなく、少しは気になっていた。

で、ある時、1枚のCDを見つけてしまった。『ナポリ王室楽長アンドレア・ファルコニエーリの第1曲集』と言う日本語タイトルが付けられたもので、原題は単にAndrea Falconieri  Canzone,Sinfonie&Fantasieとなっている。輸入盤なんだけれども、日本語訳をくっつけて、国内盤仕様、国内盤価格(涙)で販売してくれるマーキュリーの輸入販売によるもの。レーベルはPan Classics。演奏者は、アリアーヌ・モレット率いるアンサンブル・イザベッラ・デステ。20年ほど前に、スイスのベルン州にある教会で録音され、Symphoniaからリリースされていたものを、Pan Classicsが再リリースしてくれた。

さて、ファルコニエーリ。彼の生きた時代(1585年頃~1656年)は、ちょうどルネサンス期からバロック期に移行する時代だった。とは言え、ドイツ・バロック3Sと呼ばれた、シュッツ、シャイト、シャインと同じ頃に、バロック発祥の地、要するに音楽先進国だったイタリアで生まれたことを考えれば、初期とは言え、バロック様式の音楽を作っていたと誰もが思うだろう。実際、自身も多くのバロック音楽に接していた、と言う。

しかし、ここに聴くファルコニエーリの音楽は実に保守的だ。保守的、即ち、ルネサンス的である。ルネサンスが声楽の時代、バロックは器楽曲が飛躍的に発展した時代とみるならば、全曲、器楽曲のこの曲集は、如何にもバロック的なのだが、曲調があまりにも前時代的なのだ。

バロック音楽にありがちな喜怒哀楽は影を潜め、ややもすれば耽美的な形式美に捉われたようなルネサンス風の穏やかな音楽が多く、ふと16世紀の声楽曲を器楽曲に編曲したものを聴いているような錯覚すら起きてしまう。もちろん、ルネサンス期の音楽に比べれば、バロックらしい自由な音楽運びも聴くことが出来るが、裏を返せば、その程度のバロック感である。モンテヴェルディと同世代、或いはその少し後くらいの世代であれば、まだ、この過渡期的な響きは理解できるが、重ねて言うようだけれども、ファルコニエーリの時代でこれはどうなんだろう。

CDの解説によれば、これはファルコニエーリのいたナポリ王室に、その理由があると言う。

ナポリは当時、スペイン王室の統治する領土で、ナポリ准王が為政者として派遣されていた。しかし、ファルコニエーリが王室楽長を務めていた頃、既に落日にあり、王室では、古き良き時代のスペイン・ルネサンス様式の音楽が好まれた、と言う訳らしい。

この何とも言えない中途半端な音楽、それはそれで美しく、得も言われぬ高揚感のなさがとても落ち着いたものに聴こえるのだ。演奏も、瑞々しく、古楽の楽団らしいすっきりとした表現がファルコニエーリの音楽によく合っている。

一風変わったバロック時代を聴くことが出来る1枚だ。



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