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先週、雲の平に行ってきた。夜行急行能登で富山まで行って、そこからバス2時間+徒歩10時間。日本最後の秘境と言われている場所だ。標高3,000m近い黒部減流域の山々と黒部川に囲まれた標高2,500mの台地は、完全に下界とは絶たれた異空間。見える人造物は、雲の平の山小屋と時折往来するヘリコプターのみ。花の頃は過ぎていたが、所々に咲き残る高山植物とハイマツの緑が楽園を演出してくれていた。 余裕のある旅程を組み、途中一泊でこの雲の平に入り、一日散策を楽しんだ。その後、無い経済力にものを言わせ、雲の平小屋で、うどんだのおでんだのを注文して、ここ数年来の登山の相棒と昼間から小宴会。日没前に就寝。夜目覚めて、小屋の外に出ると想像通り、満点の星空。ぼんやりと影を浮かべる黒部の山々を眺めつつ、流れ星を目で追う。至福。別世界にいる感じ。 雲の平を満喫した翌日は、水晶岳へと向かう。北アルプスのど真ん中にあるこの山は、功を急く中高年の100名山ハンター泣かせの一座。とにかく、遠い。コースタイムで最短でも片道13時間くらい。100名山ハンターにはうざい山だが、景色は抜群。黒部の山々は当然として、槍穂連峰、立山連峰、後立山連峰と言った北アルプスの名峰が一望のもとに見渡せる。雲の平と合わせて楽しめば、最高の山だ。 水晶岳のあとは黒部川源流へ。岩苔乗越直下の雪渓に沿って下っていくと、やがて雪が溶け出して、雪渓の下から清流がチョロチョロと出てくる。さらに下っていくと、右や左から別の雪渓の雪解け水がチョロチョロと流れ出してきて、合流する。するとだんだんと流れが大きくなっていき…幅3mほどの小川となる。これが黒部川の源流。ここに大河が始まる。川のはじまり―と言うものを、目の当たりにした。 源流から登り返して、三俣山荘経由で双六小屋へ。ここは3度目くらい。懐かしい風景。鷲羽岳を眺めつつダラダラ。星を見るまもなくこの日も爆睡。翌日、朝陽を眺めて下山。途中、飛騨谷をはさんで槍穂連峰の眺望を楽しむ。槍ヶ岳を静かな水面に写す鏡池はいつ見ても美しい。 昼前新穂高温泉に下山。あまりの観光客の多さにびっくり。新穂高のロープウェイがこれほど大人気だとは。おいらたちは平湯温泉へ直行。温泉を楽しんだ後は久し振りのまともな食事。平湯は上高地だの、乗鞍だのと観光地への往来が激しい。おいらたちは…もう帰りたくてしょうがない。魚食べたい!と呻きつつ新宿行きのバスへ。帰宅。
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