タリスと言えば、ヴォーン・ウィリアムズのトマス・タリスの主題による幻想曲。圧倒的にこの曲が有名。本人の曲じゃないのに…ね。で、この曲のお陰で、随分、有名になった、と言うのは確かなんだが、ルネサンスの作曲家ではそれでなくてもだいぶメジャーな存在なのだ。まぁ、ルネサンス音楽は「誰でもどこかで耳にしたことのある音楽」と言うのは絶無に近いので、ルネサンスではメジャーとは言え、タリスの音楽も有名曲はない。少なくても一般人レベルではない。
とは言え、クラヲタ的には随分と興味深い曲もある。その一つが40声のモテット『我、汝のほかに望みなし』である。40声って…どんだけだよ。8人×5声ということだが、常人の耳では一つ一つのパートを聴きとることは難しい。でも、40声が混然と歌いあげられると、こうも重厚かつ、壮麗に鳴り響くものかと、ただただ唖然とさせられる。声の力って凄いなぁ、と思わされる逸品だ。この凄味はオーケストラでは出せないし、ましてや電子音では…。ちなみに、この曲はエリザベス1世の40歳の誕生日に捧げられた曲だそうだ。
今聴いているCDはハリー・クリストファーズ&ザ・シックスティーンによるもの。COROと言うザ・シックスティーンの自主製作レーベルからリリースされている。録音は、当然、教会。残響が美しい。この演奏も素晴らしいが、ふとローザンヌ声楽アンサンブルでも聴いてみたいと思うのは、ラ・フォル・ジュルネの影響だろうか。あまり、ルネサンス音楽を演奏したと言う話は聴かないんだけど、録音がないだけかなぁ?ちなみに、ザ・シックスティーンとか、タリス・スコラーズとかはルネサンスのスペシャリストってイメージ。いつか、教会で聴いてみたい。東京なら東京カテドラルかな?
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