アンモナイト増殖中…うん、harmonia mundiのことだ。いつの間にか、最後にFRANCEとは付けなくなったらしい(でも、便利なのでHMFと略す)。もうdeutsche harmonia mundi(DHM)と区別しなくてもよくなったのか。あ、そうか、DHMにもちゃんとdeutscheと入っているから、敢えて両方に入れる必要がなくなったのか。
DHMはBMG傘下(今はSME)になったけれども、HMFは今もちゃんと独立して頑張っている。ちなみに、もとは同じレーベルなので、信用度70%の超便利なインターネット百科事典Wikipediaの「両者に関係はない」みたいな表現は御幣を招く恐れがある。両者に関係はないっちゃないが…。
もとは同じレーベルだからにして、方向性も似通っている。クラヲタにとっては、太陽が東から昇るのと同じくらい当たり前のことだが、共に古楽をメインに置いたレーベルなのである。しかし、DHMの方がSMEの古楽分野担当として立場が明確なため、その方向性は徹底している。そして、アーノンクール、レオンハルト、クイケンら古楽界のスターを擁しているのもDHM。でも、おいらの所有で増えて行くのは、HMF。別にDHMが嫌いなわけじゃないんだけれども、欲しいCDはHMFの方が多い。
昨今、軽く古楽がマイブームになってきて、尚更その傾向は強くなっている。正直言って、「古楽って演奏者とかあまり知らないからHMF買っておけばいいや」と言う投げやりな思考も無きにしも非ずだ。クラシック初心者に「とりあえず黄色いやつ買っとけばいいよ」と言うのと同じである。それで、高確率で良いCDと出会えるんだからHMFは便利なレーベルである。未知の名演奏家とも出会える。スーパースターはいないんだけど、ポール・オデットとか、アンドリュー・ローレンス・キングとか、地味に凄い演奏家もいる。
あと企画が素晴らしい。好奇心をくすぐる企画が盛りだくさんなのだ。ルネサンス音楽のオムニバスを作るにしても、単なる有名曲集に陥らない(いや、ルネサンスに有名曲がどんだけあるか…は不明だが)。きちんとしたコンセプトに基づいて作るからちぐはぐなことにはなり難い。だから、聴いていて心地が良い。内容を確認して聴く気になる。
ジャケットも美しい。廉価盤シリーズのmusique d'abordはいまいちだが、通常盤は良い。古楽系のCDは昔の絵画を用いたものが多くって、一見、ベタなクラシックCDのジャケットなんだけど、内容と見事にマッチしていて、“CDを持っている喜び”を感じさせてくれる。“ジャケ買いはあたりが多い”と言うのは、第一印象で人の評価の多くが決まるのと同じで、あながち馬鹿に出来たものではない。だから、HMFのようなCDの作りは良い気分でCDを聴けると言う長所もあるのだ。
こうして今日もポチッと…CDが増えて行く。
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