石丸が石丸でなくなりつつある。秋葉原の家電屋さんはずっと低調なのは、サトームセンなんかの規模縮小っぷりやロケットの撤退で明白なんだが、石丸も…となればとっても寂しい。あれだ、あいつだ、空気を読まないヨドバシカメラのせいだ。真ん中通って中央線で営業していればいいのだ。ヨドバシの縄張りじゃないのだ。
と、露骨におかしなエコ贔屓はさておいて。石丸、デオデオグループに吸収されたとかで、ポイント・カードが変わった。当初は有料のカードしかない、その上、その有料カードに入らないと今までのポイントは消滅する…という説明だったので、「じゃぁ、入らない。もう石丸にも来ない」と不貞腐れていたんだけど、昔っからSOFT3にいる店員さんが「無料のもございます。今までのポイントも引き継がさせていただきます」と言うので、「じゃぁ、入る♪」と機嫌を直した次第。この店舗の店員さんは超Goodなのだ。めんどくさいこと言わない。「こちらがこうこうでお得でございます」とか…。商品知識もHMVやタワーレコードに比べて断然豊富。だから、石丸には頑張ってもらいたいのだ。
さて、そんな石丸で、北欧の若手ヴァイオリニスト、ペッカ・クーシストとギタリスト、イスモ・エスケリネンのパガニーニを買う。
クーシスト、今まで、聴いたことはなかったけれども、北欧音楽のスペシャリスト、いや…寧ろ、北欧音楽以外はやりません!ってイメージだ。なので、パガニーニとは意外な選曲。シベリウスとか聴く前にクーシストをどうこう言うのは反則っぽいけど…ま、いっか。
先行しているイメージもあるだろうが、あまりぬくといパガニーニではない。濃厚でもないし、どっぷりと歌う感じでもない。例えば、有名なハ短調のソナタ(作品3-6)、もの悲しいアダージョは囁くように切々と弾く。泣けるメロディだけど泣ききらない。アレグロに変わってからも淡白な印象は変わらない。サラッと軽やかに駆け抜ける。なのに、ところどころ歌い方が変わっていて、実はほんのりほろ酔い気分な演奏に聞こえたりもする。グルミオーとか、シャハムとか聴いている耳にはずいぶん変わった演奏に聴こえる。そうか、グルミオーやシャハムの“常識”へのアンチテーゼと捉えればいいのか。ま、面白い演奏であるには違いない。
あ、そういえば、フランチェスカッティにこの作品録音ないな…。惜しすぎる。うぉぉぉ、猛烈に聴いてみたい!!探すか。探せばあるのか…わかんないけど。
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