タイスのマスネ幻想曲…いや、マスネのタイス幻想曲(←クラシックを聴き始めたころ、時々判らなくなっていた)、この曲、大好きなのである。だって、綺麗じゃん。最初の頃は、有名過ぎて対して最初から食傷気味…と言う名曲にありがちな悲しい扱いだったけど、とある演奏を聴いてから、好きになった。
それが、マルティノン&シカゴ響のもの。ソロはスティーヴン・スタリック。当時のシカゴ響のコンマスだ。コンセルトヘボウ管やトロント響のコンマスとしても活躍した人らしいが、あくまでもコンマスである。著名なソリストと言うのとはちょっと違う。しかし、これが妙にしんみり来るのだ。切々と歌われる美し過ぎるメロディ。どっぷり浸れる演奏だ。マルティノン&シカゴ響と言ういかにも小品はやりません、って感じのするコンビによるバックも意外と素敵。正直、何で録音されたかわからないような作品だけど。
併録のビゼーの交響曲も颯爽としていて素敵な演奏だ。当時、シカゴ響のシェフだったマルティノンだが、評論家にこき下ろされて失意のまま短期間でその職を辞している。これは結構有名な話で、故に、かどうか、知らないけれども、当時録音されたこのコンビの演奏はあまりメジャーな扱いを受けていない。しかし、このCDを聴く限り、そんな駄目だったのか??と疑問に感じずにはいられない。
と言うわけで、このコンビのCDは積極的に買っている。ニールセンの交響曲第4番『不滅』なんて、一見ミスマッチな曲も録音していたりして、結構面白い。まぁ、当然のことながら、フランスものは、高確率で「あたり」。シカゴ響もパワフルだけじゃなくって、Good。この後、訪れるショルティとの黄金時代を全く感じさせない響きだ。
おいらの持っているCDはだいぶ前に出たもので、もう廃盤だと思うけれども、今後、このコンビの録音が発掘されると面白いなぁ、と思う。
…ちなみに、今は、ビゼーの交響曲を再生中。そういえば、この曲、ウィーン・フィルの響きが似合いそうだけど、録音ないな。聴いてみたい。
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