ジャケに惹かれて、クリスティアン・ヤルヴィ&ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団のパリ・セットを買う。レーベルはPREISER。ウィーンのレーベル。一時期、クナッパーツブッシュあたりの古い録音を復刻しまくって、話題になったレーベルだ。しかし、このパリ・セットは2006年の録音。しかも、SACD。なんか、違和感。
さて、演奏者だけど、指揮者、オーケストラともにおいらははじめて買うアーティストだ。まずは、クリスティアン・ヤルヴィ。北欧音楽のスコアを見ると取り敢えず録音する(言い過ぎ?)ことで有名なネーメ・ヤルヴィの息子。最近話題のパーヴォ・ヤルヴィの弟。父兄に比べると随分引き締まった顔である。
ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団は、まぁ、そこそこ知られた楽団だと思うが、実は、正式名称をニーダエスターライヒ・トーンキュンストラー管弦楽団と言う。知らなかった。ニーダエスターライヒはオーストリアの州の名前で低地オーストリアと言う意味である(州旗はなぜか、ウクライナ国旗と同じ)。場所はウィーンを除くその周辺である。なので、まぁ、ウィーン・トーンキュンストラーと名乗ってしまっている。東京ディズニーランドみたいなもんか。
演奏の方だけれども、これが実に颯爽としていてかっこいい。今流行のオリジナル楽器ではなく、バリバリのモダン楽器の演奏だけど、重厚にゴツゴツ行くタイプではない。カラヤンなんぞで、パリ・セットを聴きなれた耳には随分と軽やかで爽やかな印象を与える。若手の指揮者だけのことはある。そして、こういう爽快さがハイドンには割りとマッチしているのだ。ハイドンの持つ諧謔性より、軽快さに焦点を当てた演奏…ってところかな。洒落たパリの印象も漂わせていて良。ムジークフェラインでのライヴ録音と言うのも成功要因か。ハイドン、没後200年の記念の年に爽やかな名盤が生まれて、これは大変嬉しいことだと思う。
さて、このクリスティアン・ヤルヴィ、父兄を超えることができるのか。と、どうしても比較してしまう。やむなし。これまでは、マイナー路線の録音ばかりだったようだが、今後はどうなるのだろうか。ちなみに、ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団の任期は終わった。どこを舞台にするのか…。
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