ウィーン2日目。ウィーンは昨年だいぶ見て回っているので、あまり派手にうろうろしない。
午前中に昨年見逃したドナウ川を見に行く。ドナウ川には本流のほか、ノイエドナウとドナウ運河と言うのがある。ノイエドナウは新ドナウ川と言う意味で、中州を通して濾過した水をドナウ川に供給するのだそうだ。で、青く美しいかって言うとぶっちゃけ隅田川と大して変わらない。
さて、午後ひと休憩してから、いそいそとムジークフェラインへ向かう。今日はウィーン・フィルの定期演奏会。ビシュコフの指揮でマーラーの交響曲第6番。美味しすぎる演目。ビシュコフは豪快にウィーン・フィルを慣らしきってくれて、大迫力。テンポは落ち着いていたが、パワフルで情熱的。ヴァイオリンの両翼配置も効果的。観衆大興奮。オーケストラが引っ込んでも、拍手が鳴りやまず、ビシュコフが再び舞台に引っ張り出される。素晴らしかった!
ところで、この人、随分とずんぐりむっくりで、顔が濃くって…あれ?前頭何前目かにこんな顔の人いなかったっけ?ハワイ、オワフ島出身とか紹介される系統で。思い出せない。多分いない。
マーラー・イヤーにウィーンで、ムジークフェラインで、ウィーン・フィルで、マーラー!それだけでもお腹いっぱいなのに、夕方から今度はウィーン国立歌劇場で『フィガロの結婚』。指揮はヴェルザ=メスト。16日がプレミエで今日が2日目。プレミエは値段も高いし、服装とか色々とめんどくさそうなので、2日目はベストじゃないか。
ヴェルザ=メストの指揮は相変わらず、折り目正しくスマートな印象。序曲も心地よくブッ飛ばさない。幕が上がるとモダンなんだか、古典的なんだか、わからない舞台が登場。傾いた四角枠の中に大きな油絵がぶら下がっていて、「まぁ、何となく、部屋なんだな」と判る感じ。歌手の服装は皆古典的。フィガロがスーツにネクタイで登場したりはしない。最初は「ほぉ…」ってな感じだったけれども、見慣れてくると妙にすっきりしていて綺麗に見えてくる。ヴェルザー=メストの指揮にぴったり。
歌手陣は粒揃い。でも、おいらはオペラ歌手はあまり知らない。伯爵夫人を歌ったレッシュマンくらいかなぁ。で、やっぱレッシュマンは素晴らしいんである。柔らかく伸びやかな声で上品な伯爵夫人だった。声量も十分。これはツボ。個人的には伯爵夫人はあまり好きなキャラではないんだが、今日ばっかりは「もっとアリアを増やしてくれ!」と思わずにいられなかった。スザンナとフィガロは若手(多分)を起用。素晴らしいパフォーマンスで将来有望、じゃないかな?ふと気づけば、年齢構成的にも好い塩梅になっている。伯爵は、でっぷりとしたイメージなんだが、今日の伯爵はスマート。声もいけている。いやらしい好色親父っぽくない。
3時間くらいあるオペラだけど、あっつう間に時間が過ぎてしまった。素晴らしい。って、終わったのは23時近く。慌ててトラムに飛び乗ってラスト・オーダーギリギリでレストランへ。先に食べておくのが良いんだろうけどなぁ。
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