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山上の想い。一体そこで、私に限らず、人々は想いらしい想いを抱くことがあるのだろうか。大きな風景がのしかかり、下からのしあげ、私を静かな混乱におとし入れようとする時、それらの風物から自分の内部を守るために、遥かなる天を見たり、仰向けに臥たりしてみるが、山上で想念を整えることは決して易しいことではない。それは多くの場合、雲の去来のように、自分のこととは言えないようなところを通りすぎて行くに過ぎない。
想念と言うよりは、それは幻影に近い。雲や霧の中に、私の姿が夢の中の見知らぬ人のようにうつる、あの影に似ている。岩上の想いというものは影である。(串田孫一『山歩きの愉しみ』「岩上の想い」より)


夏…山だなぁ。とは言え、高山の夏はとても短い。7月も半ばになって雪が漸く少なくなる。道がしっかり出来てくる。しかし、8月下旬には早くも肌寒い秋の風を感じさせ、10月上旬には初冠雪を観る山が多い。後は、雪に閉ざされた世界だ。

雪山には何度か行ったことがあるけれども、それはもう、ホントに「閉ざされた」と言って良いような世界だった。晴れれば、青空に雪は煌き、冷気を含んだ風は、気持ち良くもあるが、ふと、周りの山々を見渡せば、雪の白と岩の黒だけが、織り成すモノトーンな世界。そして、少しでも天気が崩れると、岩山は地獄の様な様相を呈し、純白の雪は、悪魔と化す。そこには、生命感は少なく、ただただ、無限の世界が広がっているような恐怖がある。まぁ、そういうものも美しくないとは言えないのだけれども。

雪山に対して、夏山は生命感が溢れかえっている。草木は風に靡き、雪は解けて冷たい水を生命に与える。残雪の白、草木の緑、空の青、源流の透明感、黄、白、橙の花々!!派手な色合いではないけれども、その美しさは鮮烈で、見るものを感動に誘う。天国的な景色だ。しかし…そう、先にも書いたように、こんな風に山が微笑むのは、1年の中でもほんの一瞬。夏…山に駆り立てるのは、その一瞬の輝きの中に、身を浸したいがための人間の贅沢。

天国的な高山の山頂で、ぼんやりもの想う。そういう贅沢。串田孫一が言うように、幻影に近いような想いだけど、それは何物にも変え難いくらい、得がたい贅沢なのだ。だから、そう、何時からか、無駄なピークハントはしないようになった。

何千、何万の人が踏んだピーク。それに今更小市民の一足跡を残したところで、何の名誉になるだろう?何の自慢になるだろう?それより、ほんの一瞬の夏の輝きを満喫したい。山頂で長いことぼんやりとしていたい。名誉や自慢のためじゃなく、自分の憩いのために。

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