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久しぶりに新宿のディスク・ユニオンへ。中古とは言え、高いものは高い。下げ止まり感があるものの、低価格で安定してしまっている再発売物の新品とどちらを買うべきかは慎重に検討する必要がある。それでも、廃盤になってしまったものや、未開封だったり、状態が良いもので安いものも結構あるので放っておけないのだ。

新宿のディスク・ユニオンは新宿三丁目の駅から地下道で直結しているビルに入っているので、新宿の喧騒を避けて店まで行くことが出来る。素晴らしいアクセス。品揃えも豊富。音楽関連書籍の取り扱いもあるので、見応え十分。ディスク・ユニオンからタワーレコード新宿店までそんなに遠くないので、この2店舗を巡るのが、今の東京での最強のクラヲタ散策コースだと思う。今回も、ディスク・ユニオンからタワーレコードに回ったんだけれども、こちらも久しぶりの訪問。いつの間にか、リニューアルされてクラヲタコーナーが10階になっていた。1フロア全て、クラシック。半分ほどオフィスになっていたので、以前に比べて広くなったと言う感じではないけれども、100%1ジャンルと言うのは、それだけでなんだか居心地が良い。

今回は、財政的に非常に厳しいことに、面白そうなCDがたくさんあった。結局、購入したのはビーバーとヴィヴァルディの作品ばかりだけれども、ディスク・ユニオンにあったコシュラーのドヴォルザークの交響曲全集をスルーしたのは正しかったのか。10,000円だもんなぁ。そりゃぁ、簡単に手が出ない。つっても、昔はCD5枚組み、6枚組みはそれくらいの値段が当たり前だった。なんてな。納得しちゃいかんか。一応希少盤と言うことで、値段が高く設定されていたらしい。あと5回行ってまだあったら考えよう。新宿は基本的に行動圏外なので、そんなには行かないだろうし。

タワーレコードでは、ハルモニア・ムンディ・ゴールドのセール中。HMV Onlineよりはお安い価格。新品での比較ならばAmazon.co.jpよりも大方安いんじゃないかな。そんな価格だからお買い時。まとめ買い推奨。あとは国内廉価盤と新譜をさっくり見てまわるのが、決して安いとは言えないタワーレコードのおいらの歩き方。

CDショップを巡るのは、ポチポチするだけのネットとは別の魅力があって、こうやって時折、散策するのは楽しいものである。デジタル・データが普及し、CDそのものが過去の遺物と化している今日、こんなことをやっているのは、頭が古いんだろうか。

さて、今回購入したCDのうち、ビーバーの曲を聴いているので、さっくり、お話していこう。

寺神戸亮さんの演奏で、ヴァイオリン・ソナタ集。8つのヴァイオリン・ソナタから第5番、第6番、第8番、ロザリオ・ソナタからパッサカリアと第6番、それから描写的なヴァイオリン・ソナタを収録している。ビーバーはロザリオ・ソナタだけじゃないぜ!ロザリオ・ソナタもいいけど…と言う寺神戸さんの思いを1枚のCDにしたもの、かな。ビーバーのヴァイオリン音楽の魅力を知るためにも最適な選曲。2時間もあるロザリオ・ソナタに最初から挑むより、このCDを聴いてからビーバーに親しんでいくのが吉。

そのビーバーの魅力って何だろう。なんと言うか、自由なのだ。これは多くのバロックの作曲家に言える事なんだけれども、古典派以降のルールに縛られた音楽とは、一線を画している。変な楽譜が出てきたり、弦を張り替えたり…それ以外にも、斬新な技術を要求してくることもよくある。中でも、ビーバーは、繊細で計算され尽くされた音楽と言うのとは正反対で、自由奔放な印象の音楽が多い。荒削りながらも、これほどまでにヴァイオリンの魅力を引き出してくれる作曲家もいないんじゃないかと思わせる。

例えば、このCDに収められたソナタ第8番。解説によると2本のヴァイオリンが、演奏するかのように2段で記されている。それはソロ・ヴァイオリンで演奏しろ、と。二重奏を1人でやらなくてはいけない。単なる重音じゃだめだと、作曲家は言っているのだろう。解説で寺神戸さんは「演奏していても不思議な体験が出来ますよ」と言っている。聴いているほうも、なんだか、不思議な気分になってしまう。単に技巧的というならば後世のものの方が、難しいものも多いだろうけれども、こういう斬新さ、自由な発想と言うのは、バロック音楽のほうが多いと思う。

描写的なヴァイオリン・ソナタも奇抜な発想で作曲された曲だ。以前、マンゼの演奏を紹介した時にも書いたけれども、蛙や猫の鳴き声をヴァイオリンで表現する、それも妙にリアルに、である。音楽としてはどうなんだろ…と思うけど、寺神戸さんは、しっかりと音楽的に楽しめるように流麗に演奏してくれている。解説でも、指摘しているんだけれども、ヴィヴァルディの『四季』なんかも、描写的な音楽なので、『田園』が標題音楽のスタートではないんである。これはちゃんと頭の中に入れておくべきだと思う。

モダン楽器、オリジナル楽器の好き好きはあっていいけれども、モダン楽器全盛の時代、こうしたJ.S.バッハ以前の素晴らしい作品を、価値のないものとして看過してしまったこと、オリジナル楽器の奏者たちが発掘して世に知らしめたこと、ここのところはきちんと評価しなくてはいけないと思う。ビーバーなんてモダン楽器で演奏されることは、まずない。

そんなオリジナル楽器奏者の中に寺神戸さんのような第1人者がいるのだ。日本人としてもっと称えられてしかるべきだと思う。ちなみに、このCD国内盤で1,050円。解説もちゃんと付いている。寺神戸さんの演奏ももちろん素晴らしい。有名なパッサカリアも軽やかで繊細な演奏。美しい。お勧めの1枚。

terakado-biber.jpg








 

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