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エンリコ・オノフリの『バロック・ヴァイオリンの奥義』と言うCDを聴いている。オノフリと言えば、バロックオ・ヴァイオリンの大物。イル・ジャルディーノ・アルモニコのコンサートマスターとして名を馳せた人である。と言われると、背中のあたりがぞくぞくしてくる。何やらかしてくれるんだろう…今度はどうバロックがはじけ散るんだろう…と。

今回のCDの演目は、J.S.バッハのトッカータとフーガ BWV.565、タルティーニのソナタ、テレマンのガリヴァー組曲、無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジアから3曲、ビーバーのパッサカリア、ボーナストラックでバッサーノのリチェルカータ3番。えっと…共演者は、杉田せつ子(第2ヴァイオリン/ガリヴァー組曲)…え?だけ?無伴奏ヴァイオリンのための作品集?普通、バロックのソナタって、通奏低音があるはずなんだけど、今回は、ガリヴァー組曲を除いて、オノフリが一人で演奏をしている。何と言うチャレンジ。

まず、最初のJ.S.バッハのトッカータとフーガ。有名な曲。オルガンの曲として。そして、ヴァイオリンはオルガンではない(笑)。オノフリがヴァイオリン独奏用に編曲してしまった。この古楽器奏者は、時代考証をしないのか。ストコフスキーのバッハ編曲集なんて、古楽器奏者たちとは対極の存在だと思っていたんだが、これは似たようなもんじゃないのか。と言うのは、当然の疑問。しかし、これが、時代考証の結果なのだという。そもそも、この曲は、弦楽器のために書かれたもので、それを後にオルガン用に編曲した、と言う説があるそうだ。曲の書き方がどうも、そう言う節があるということで。だから、J.S.バッハは無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ以外にも無伴奏のための曲を書いていたのだ…ってな。どうなんですかね、この説。

しっかし、それだって時代考証。ピリオド奏法は、時代考証をきっかけとした新たな可能性だと見れば厳密にオーセンティックじゃなくって良いわけだし、そもそも、タイムマシーンでもなければ、本当のところは判らない。と納得したことにしておこう。

で、さて、いざ聴いてみると、これがまったく違和感がない。後年のオーケストレーションされたJ.S.バッハは、既にバロックではなくって、変形したロマン派的な「何か」になってしまっていると思うんだけれども、これは間違いなく、J.S.バッハだ。冒頭こそ、オルガン版とは違い、さらっと始まり拍子抜けしてしまうが、重音が炸裂する超絶技巧を聴いていると、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータに似た響きがあるような感覚にとらわれる。完璧に計算され尽くされた音楽。これをオノフリが弾くとイル・ジャルディーノ・アルモニコだからにして爆走…しない。あれ?凄い。天から音楽が降ってくるような、清々しく、そして、生命感溢れる躍動感。轟轟と鳴り響くオルガン版より神々しい。そう言えば、ヴィヴァルディでもイル・ジャルディーノ・アルモニコ以外のオノフリのヴィヴァルディはそんなに爆裂していなかったかな?いや、しているか(笑)。

よし!今後は、「トッカータとフーガはもともとヴァイオリンのために作曲されました」と信じ込んで行こう。と言うわけで、お次。タルティーニ。ソナタ(『捨てられしディドーネ』と『パストラーレ』の2曲)。通奏低音、排除。この曲も、タルティーニが、通奏低音なくってもいいってメモをしたとかで、一応時代考証的にこうしたのだと。つっても、これははじめて聴く曲なので、通奏低音があるべきなのかどうかはわからない。ただ、ないからと言って、おかしいわけではない。むしろ、これにチェンバロの音が入ったら、邪魔かも?と思えるくらいに、オノフリは聴衆を騙してくれる。

テレマンの作品は無伴奏ヴァイオリンのためのもの。キュートでポップなガリヴァー組曲。そんな曲なんだが、真っ向から切りかかるオノフリ。容赦ない。ビーバー張りにヴァイオリンの可能性を色々と探究した曲で面白い。こう言うのはロマン派以降には失われた感覚だと思う。無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジアも素晴らしい演奏。

色々と面白いCDだと思う。ジャケットのオノフリは鎌倉あたりで座禅を組んでいそうな容姿…こんなだっけな?国内盤しかなくって、お値段が高いのが難点。

onofri.jpg







 

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