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嫌いだった曲が、この演奏家で好きになった!ってのが、結構ある。最近じゃ、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲がそう。爽やか過ぎると言うか、妙に貴族音楽的に収まりすぎている感じが好きじゃなかったんだけど、フランチェスカッティ&ワルター、コロンビア交響楽団の演奏を聴いて、見方が変わった。3番と4番の録音なんだけど、とにかく、明るくて綺麗で伸びやか。ヴァイオリンの音色ってこんなにも美しいものなんだ、とうっとりしちゃうような演奏。この音色で19歳の天才作曲家の作品を歌い上げてくれると、まぁ、凄い。こんな美しいヴァイオリン協奏曲他にないんじゃないかと思ってしまう。全集で録音してくれなかったのが、残念でならない。

ベートーヴェンの名曲、交響曲第3番『英雄』も、クーベリックの演奏で目を覚まさせられた。なんか、冗長な感じがしていたんだけど、もう、全然。DGにスタジオ録音したベルリン・フィル盤もいいけど、オルフェオから出ているザルツブルク音楽祭のライヴ音源が凄すぎる。楽団は、ウィーン・フィル。なるほど、この人は、ライヴで燃えるだったんだなぁ~、と言うのが良くわかる録音。スタジオ録音があまりにも多いので、ライヴ録音が霞みがちだったんだけど、オルフェオが大量にライヴ音源を市場に投入して、一般的な評価が変わった。この『英雄』を聴けば、なるほど、DG盤は猫被っている、って思っちゃうくらい。凄まじいエネルギーの爆発がある。と言っても、ただの気の狂った爆演じゃない。壮大なスケール感のある名演だ。これを聴かされて、『英雄』が冗長な曲なんて、口が裂けても言えない。

他の諸々の録音を聴いても、クーベリックは並みの指揮者じゃなくて、同時代の3大スーパースターである、カラヤン、ショルティ、バーンスタインに匹敵する実力を兼ね備えていたことは明白。ただ、スター性はないなぁ。まず…髪型なんとかして欲しかった…。

kubelik-eroica.jpg






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