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新古典主義(neo-classism)宣言は転々とするストラヴィンスキーの音楽遍歴の中で2度目の大きな転機である。1度目はリムスキー=コルサコフの弟子としての国民楽派(nationalism)の作曲家から原始主義(barbarism)に転じ、ゲンダイ音楽の旗手たる地位を得たとき。象徴的な事件は、バレエ音楽『春の祭典』の初演で大乱闘を起こしたことである。3度目の転機は、新古典主義運動から、転じ12音技法に走ったとき。この転換は、一般的に失敗であると考えられていて、ストラヴィンスキーの代表的な作品は、この転換以前のものが殆どである。

こうして、国民楽派→原始主義→新古典主義→12音技法と転じたストラヴィンスキーの音楽遍歴であるが(原始主義以前に印象派の影響を受けた作品もある)、その全盛期は作品の世間的知名度を鑑みるに原始主義から新古典主義にかけてのことである。前者においては、何と言っても、いわゆる三大バレエ(『火の鳥』、『ペトルーシュカ』、『春の祭典』)が有名であり、後者においてはバレエ・パントマイム『プルチネルラ』、オペラ『エディプス王』、古典バレエ『ミューズをつかさどるアポロ』が代表作として挙げられる。20世紀最大級の作曲家と言われるに相応しい作品群である。なお、後者の時代にはジャズの影響も受け、ジャズバンドのための曲なども作曲している。

さて、それを踏まえて、ハイティンク&ベルリン・フィルの1枚を聴いてみる。『春の祭典』と『プルチネルラ』のカップリング。ただの有名曲の組み合わせかと一瞬思うが、この2曲はストラヴィンスキーが当時の楽壇に少なからぬ衝撃を与えた作品なのである。前述の通り、『春の祭典』初演での大乱闘は音楽史稀に見る騒動だし、『プルチネルラ』は新古典主義初の作品。そう、ストラヴィンスキーの2つの黄金時代を象徴する作品なのだ。若し、この作風の転々とする作曲家について「知りたいんだけど、どのCDを聴いたら良いか」と訊かれれば、まず、このカップリングがベストである。

演奏はと言うと、もう、『春の祭典』はゲンダイ音楽じゃない、古典だ!と思わせるのはサロネン&フィルハーモニアと同じ路線。だけど、サロネンのサラサラと流す演奏とは正反対。と言って、一昔、流行ったスリル満点のゴッテリしたものとも違う。ハイティンクらしい燻し銀の味わいとベルリン・フィルの超重量級サウンドが上手くマッチして、鈍重に舞う。バキバキ言わないので耳障りでもない。何となく、普通の演奏っぽいんだけど、それだけに収まっていないのは流石、匠の技。

『プルチネルラ』も同路線の演奏。歌手陣はボロディナ、エインズリー、ダルカンジェロと当世最高級の歌手を揃えている。表情豊かで安心して聴いていられる。変なこともしていない。そんな意味でもやっぱりストラヴィンスキー入門には最適な1枚。


pulcinella.jpg






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TITLE > 無題
老婆心ながら 「ヴ」をやるならせめて「ゔ」にすれば?
seiji 2007/04/04(Wed)14:35:47 #EDIT
TITLE > 無題
そだなぁ~。一理ある。
schunsou 2007/04/04(Wed)16:24:06 #EDIT
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