ストラヴィンスキーのバレエ・カンタータ『結婚』はバーバリズムの作品。『結婚』なんてタイトルでありながら、結婚式で流しちゃったら雰囲気ぶち壊すこと請け合いの野蛮な音楽だ。乱れ飛ぶ不協和音、乱れまくるリズム…一生の思い出を思いっきり台無しにしてくれる(笑)。編成は、ピアノ×4、打楽器、ソプラノ、メゾ・ソプラノ、テノール、バス、合唱―珍奇な組み合わせである。ピアノは打楽器のついでで、鍵盤楽器というよりは打楽器的に使われる。器楽群が野蛮で刺激的なリズムを刻み、それに併せて声楽が絶叫を重ねていく。輸入盤しか持っていないので、何を歌っているかは知らない―知らなくてもいいような気もする(笑)。ロシアの婚礼風俗を扱った音楽というけど…こんななんかい!と突っ込みたくなる。まぁ、無茶苦茶に言ったけど、『春の祭典』が全然OKなゲンダイ音楽リスナーならば、とっっっっっっっっっっっても楽しめるハズ!激推!
自分が持っているのは、バーンスタインがイギリス・バッハ祝祭パーカッション・アンサンブルを振った一枚。ソリストは全然知らない人ばかり。と言うことは、この打楽器まがいのピアノを弾かせられているピアニストもそんな大物はいないだろうと、何となくCD眺めていて、びっくりさせられた。ピアノ1:マルタ・アルゲリッチ、ピアノ2:クリスチャン・ツィメルマン、ピアノ3:シプリアン・カツァリス…言わずと知れたスーパースター。クラヲタ的にはミラクルな揃い踏み。こんなところでピアノをブン殴ってる場合じゃなかろが…(笑)。1977年の録音だから、まだまだ売れていない頃…かもだけど。
…と言うわけで、ピアノ好きにも推奨(ウソ)。

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