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メンコン…メンデルスゾーンの結婚行進曲のことである。少し強引だが、有名なのでこう略す。じゃなくて。メンデルスゾーンのピアノ協奏曲のことである…って言うのもうそで、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調のことである。メンデルスゾーンのコンチェルトでメンコン。とりあえず、ピアノ協奏曲2曲はなかったことにする。あと、若書きのヴァイオリン協奏曲も歴史から抹消していただきたい。あの曲は発見されなかったか、姉ファニーの作品だった…と言うことにしよう。とにかく、「メンデルスゾーンのコンチェルト=ヴァイオリン協奏曲ホ短調」なのである。つべこべいったらいけないのだ。 と言うわけで、明日、メンデルスゾーン生誕200年の記念日と言う今日、FMB200第1回、テーマは「メンコン」。くどいようだけど、ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64。メロディの有名さでは結婚行進曲と並んでメンデルスゾーンを代表する曲だ。古今のヴァイオリン協奏曲の中でも特に有名であり、ベートーヴェン、ブラームスのものと並び3大ヴァイオリン協奏曲とも言われている…いや、ブラームスより、チャイコフスキーのほうが適格だろ。個人的にはサンサーンスの3番を推したい。…話がずれた。3大とか、ホントにどうでもいいんだけど、そんくらい有名な曲ってこと。メロディの有名さでは、ベートーヴェンもブラームスもない。 で、有名過ぎて、食傷気味な作品でもある。非クラヲタにも食傷気味だったりする。これを『運命』現象と言う(いま、発見)。しかし、この曲を知った当時、中学生で、クラヲタに片足突っ込もうとしていたおいらはこの曲のメロディを知らなかった。有名だって言うから買って聴いたんだけど、知らなかったのだ。そんなわけで、新鮮に頭の中に染み込んできた。偉大なり、無知。無知ついでに、最初に買ったCDはメニューイン&エネスコ、コロンヌ管弦楽団の戦前録音だったことも記しておこう。雨の中で演奏していたことは言うまでもない(このことは、以前もこのブログに書いたので割愛)。 しかし、2枚目に買ったCDもメニューイン&フルトヴェングラー、ベルリン・フィル。もちろん、モノラル…いや、強引な擬似ステレオ。個人的には悪くないんだけど、ここにこの曲に対する決定的なイメージが刷り込まれてしまった。「この曲は、モノフォニックである」と。意味不明。しかも、このCD、ヴァイオリン協奏曲なのに、指揮者が偉大すぎて、ソリストがジャケットの主役を指揮者に奪われてしまった可愛そうな一枚でもある。メニューインだって偉大なのに。にしても、渋いな、フルトヴェングラー。神也。神格化万歳。 で、さて、この曲について。この曲の最大の長所はひたすらに美しいこと。優しく、陰影に富み、時に憂鬱に、時に明朗に、歌う。そして、慰めてくれる。この美しさ、軽薄だとか、深みがないとか言う向きもあるようだけれども、音楽は美しいだけじゃだめなのだろか?2楽章の天にゆっくりと昇っていくような儚い幸福感を帯びた美しさに理由が要るのだろうか?ああだ、こうだ難しいことを言って、眉間に皺を寄せて、悩みこむことが音楽の楽しみなのだろうか?それは違うと思う。 だから、お気に入りは、フランチェスカッティ&セル、クリーヴランド管弦楽団盤。お気に入りのヴァイオリニストだから、ではなくて。フランチェスカッティの演奏は、ヴァイオリンの美しさを最大限に引き出すもの。ヴァイオリンってこんなに美しかったんだ!って、いつも感服させられる。ただただ美しく輝いている。だから、ひたすら美しいヴァイオリン協奏曲には打ってつけなのだ。表現も豊かで、歌心がある。心がどんどん満たされていく。何の気も衒わない真っ向勝負で、この曲の最高の演奏をしている。バックのセルも素晴らしい。相も変わらず、テンポの良い引き締まった演奏で、フランチェスカッティの美音を良く引き立てている。 ちなみに、フランチェスカッティはこの曲を2度(多分)、CBSに録音しているが、この録音は2度目のもの。1度目は、ミトロプーロス、ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団とのもの。LPは持っているけど、LPプレイヤー持っていないから未聴。 それと、定盤中の定盤、ミルシテイン&アバド、ウィーン・フィル盤も素晴らしい。ミルシテインの響きもまたオーソドックスに美しい。凛として、雅である。アバド、ウィーン・フィルのバックも名演の大きな要因。 新しいものでは、パールマン&バレンボイム、シカゴ交響楽団とかどうだろう。新しいと言っても、15年ほど前の録音だけど。個人的には、メニューインで、モノフォニックなイメージを刷り込んだ後、はじめて聴いたステレオ以降の録音じゃなかったかと思う。図書館で借りてきて、良いイメージがあったので、その後、在庫処分で見つけた際に入手したもの。バレンボイムのバックは、少々シンフォニックに過ぎるような印象があったが、硬質のパールマンの響きが妙に心に響く。 最後に、ムローヴァ&マリナー、アカデミー室内管弦楽団。女王、何でしょうね、全然そういう貫禄を感じさせる人じゃないけど。ストラヴィンスキーとか、バルトークでギンギンに切れる演奏をしていそうな演奏家だけれども、案外にこういう綺麗な演奏も素敵と言うことで。いまさら、この演奏?と言う向きもあるようだけれども、ストラヴィンスキー張りでメンデルスゾーンやられても…奇演かと。バックのマリナーは、無難。こういう無難なバックもまた、ソリストを引き立てる、ってやつかも。 と言うわけで、今日は、レンコンをグダグダと書いてみた。演奏者について言えば、もう、古今東西、ありとあらゆる演奏家が演奏をしているわけで、とても全部聴いて、「これが好き!」って言っているわけじゃないんだよね~。そこんとこ、超名曲故に、やむを得ないところ。超有名曲じゃなくてもそうか…(笑)。
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