弦楽合奏の曲といえば、英国近代音楽だ!
…と思い込んでいるのは、自分だけだろな…。
今聴いているのはRVWのタリス幻想曲。
ルネッサンス時代にググッと引き込んでくれる清澄で、
無垢な音楽。透明感のある演奏が、自分は好み。
この曲は1度、スラットキン&N響で聴いたことがあるんだけど、
そんなに日本の楽団が取り上げる曲ではないので、
この生演奏の体験は、ホント、よかったと思っている。
…さて、英国近代音楽贔屓以外の人が、
「弦楽合奏の曲と言えば?」と質問されて、思いつくのは、
チャイコフスキーの弦楽セレナーデだろう。
(弦楽四重奏曲だって弦楽合奏の曲だぞ!とか…言わない(笑))
以前からメジャーな曲ではあったけれども、
あの「オー人事、オー人事」のCMで一躍、
クラヲタ以外にも知られるポピュラーな音楽となった。
自分の今までの愛聴盤は、スヴェトラーノフ&ロシア国立響。
轟々と鳴る分厚い弦の響きが魅力的な演奏である。
この演奏以外はあまり聴いてこなかったけれども、
今回、新たにミュンシュ&BSO盤を購入して聴いてみた。
こちらも、弦の鳴りっぷりは良い。厚い響きである。
だけど、スヴェトラーノフ盤に較べると、音が硬い。
少しひんやりとしたメカニックな響きである。
この響きをミュンシュがテキパキと仕切っていく。
音楽が切り立っていく感じ(変な表現かな…?)。
おお!アメリカン!ボストン・サウンド!
歌心はスヴェトラーノフ盤の方があるけれども、
こんな弦楽セレナーデもありかと…。
ちなみに、これ、“シャルル・ミュンシュの芸術”と言う、
国内盤シリーズの1枚。他にも、王道の名盤から、
意外性のある録音まで結構あって面白い。
1,050円と言う値段も嬉しい。
それにしても、一人のアーティストで、
廉価盤シリーズが出来て、しかもそれの内容が充実しちゃっているって、凄すぎる。やはり、偉人也。
[0回]
PR