憂い日曜の夜にピッタリなのが、ラヴェルのピアノ協奏曲。第2楽章の切々と歌われる沈んだメロディが心の隙間に沁みこんでくる。うう…美しすぎるのだぁ…。冬の澄み切った夜に涙一筋―ポロリ(注:おいらの泣いているところを想像しないでください)。
よく聴くのはセルメ、クリヴィヌ&リヨン国立管。チームnaiveのAUVIDIS VALOISが出している1枚。naiveだから、もちろんジャケットはオシャレ。実は、ジャケットに惹かれて、在庫処分で買ったCD。クリヴィヌはビックネームだけど、セルメと言うピアニストは知らなかった。で、これが結構、好みの演奏だった。セルメの演奏は清々しくって癖がない。第2楽章も透明感があって、情に溺れすぎない。結構、情に溺れちゃっている演奏は好きなほうだけど、この曲は、情に溺れない方が美しさが際立つようだ。ゴジラのテーマをジャズっぽくしたような第3楽章もすっきりとしていて良い。バックもがなり立てずに綺麗にサポートしている。粋。ジャケット通り、オシャレな逸品。ちょっと憧れるフランスのエスプリ。カップリングの左手のためのピアノ協奏曲も秀演。
思えば、ピアノ協奏曲は、ラヴェルがガーシュウインに師事したことの最大の成果として知られているんだけど、ラヴェル色ががっちり出ていて、全然、アメリカっぽいところはない。思いっきりフランス系。
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