遂にこの時が来てしまった…。石丸電気ソフト館閉店。一時期は、秋葉原に何軒ものソフト専門店を展開していた石丸電気だが、最後の砦だったソフト本店の閉店で遂に秋葉原からその姿を消すこととなった。残ったのは、家電を売る2軒だけ(だと思う)。そのうち本店のワンフロアにだけ細々とソフトコーナーが存続する。クラシックは若干置くだけ。事実上の撤退となる。秋葉原の大型家電店舗が姿を消していく中で、石丸電気がその存在感をここまで保てたのも、ソフト販売があったからこそだと思うのだが、家電だけでどこまでやっていけるか…。
そんなわけで最終日を見届けてきた。ソフト販売からの大幅撤退とあって、在庫処分価格。1枚で60%OFF、10枚買うと80%OFFになる。3,000円のCDでも600円。ただ、年初から始まった長期のセールの最終日とあって、残ったCDは極僅か。交響曲、管弦楽曲、協奏曲と言った人気ジャンルは、殆ど売れてしまっていた。対して、声楽曲、宗教曲、現代音楽等はそこそこ残っていて、おいらは思っていた以上に目ぼしいものがあった。まぁ、そんなもんだろうなぁ。
これで、石丸電気でのCD購入は最後になるのかな…。中学校の頃はじめてCDを買って、そこからどんどん新しい音楽の世界が広がって行って…音楽はおいらにとって、とっても大切なものになった。その原点に石丸電気の存在があったことは言うまでもない。ここで出会った音楽は、大切な宝物であると思う。
石丸電気の存在はそれだけに、他のCDショップとは異なる意味があって、感謝の気持ちも大きかった。そして、居心地も良かった。だから、ネット販売が広がって、石丸電気の価格的優位性が薄れていっても、石丸電気を利用させてもらい続けていた。
しかし、これでほぼ終了。あの店員さんたちとも会えなくなってしまうかもしれない。親しげに会話をしたことはないけれども、ほぼ固定のメンバーで色々とお世話になって10数年。寂寥感は大きい。これからは、ネット購入に頼るしかなくなるんだろうな。それは合理的には悪くはないんだけど、対面販売での人の温もりみたいなものはなくなってしまう。感傷的かもしれないけど、おいらは、なんだか、とても残念でならないのだ。古い人間だと言われるかもしれないけれども、石丸電気の店員さんに親切にしてもらってきたこと、その思いは忘れることはないと思う。
感謝の意を表するとともに、いつか、ナントカっていうトンチンカンな家電屋から分かれて復活することを、微かに期待して、またの日を待つことにしよう。
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