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ジャルスキーのヴィヴァルディ
2011/07/23 (Sat)
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チケットも持たずに紀尾井ホールへ。フィリップ・ジャルスキーとアンサンブル・アルタセルセのコンサートがある…ってんで、ふらりと行ってみたのだ。演目はオール、ヴィヴァルディ。ヴィヴァルディの声楽曲って、バロックじゃメジャーな企画かもしれないけど、一般的に見たらマニアックな演目だ。だもんだから、チケットだってどうせ余っているだろう、とたかをくくって開演20分ちょい前にホール到着。だって、アーノンクールだって、クイケンだってチケットに余裕があったのだから…と!ホール前に中高年女性がわんさか。なんだこれ?え?ヴィヴァルディを聴きに来たのか?
まぁ、この人たちはばっちりチケットゲットしていたので、何とか当日券は買うことができた。たぶん、S席で最悪の席だけど(汗)。1階席脇の一段高くなっていいる場所の最後方。ムジークフェラインと同じ形のシューボックス型。この位置の席ってはじめて座ったけど、結構、平土間を見渡せるんだなぁ。で、見渡してみても、一面の中高年女性。おいら、完全に浮いている感じ…。古楽は男性が多いというおいらの定説は一瞬にして否定された…わけではないと内心、確信しつつキョどる。
演目は、以下の通り。休憩を挟んで前半が「サクロ(神聖)」、後半が「プロファノ(世俗)」とテーマ付けられている。解りやすい。
モテット『闇の恐れのあまりにも長く』 RV.629
ヴィオラ・ダ・モーレとリュートのための協奏曲 RV.540
ニシ・ドミヌス-主が家を建てまわずば RV.608
-休憩-
歌劇『オルランド・フィント・パッツォ』 RV.727 第1幕よりアリア「何を見るまなざしにも」
歌劇『ウティカのカトーネ』 RV.705 第2幕よりアリア「もしあなたの顔に吹き寄せるのを感じたなら」
ヴァイオリン協奏曲『グロッソ・モグール』 RV.208
歌劇『ジュスティーノ』 RV.717 第1幕より アリア「この喜びをもって会おう」
オラトリオ『勝利のユディータ』 RV.644より アリア「松明と蛇で身を護り」
アンコール
ポルポラ:歌劇『ポリフューモ』より アリア「偉大なジュピターよ」
歌劇『ジュスティーノ』 RV.717 第2幕より 「この胸に感じる涙の雨の中」
当日まで演目は知らなかったのだけれども(調べなかっただけ)、馴染みのあるニシ・ドミヌスが入っていたのは良かった。なんだかんだいって、ヴィヴァルディは器楽曲ばかりであまり声楽曲って馴染みがないから。演奏は今の古楽器演奏のスタイルなので、響きはとがった感じで早め。同じ古楽器でもピノック盤で親しんでいた耳には、ちょい刺激的。コルボ盤のようなゆったりとした演奏で馴染んでいたらもっと違和感を感じたかもしれない。ジャルスキーの歌唱は、天使のような澄んだ歌声が売りなんだが、ニシ・ドミヌスでは祈るような静かな曲の方が印象的だった。つか、CDで聴いたほど清澄な感じがしなかったのは、歳のせいか、調子のせいか。
後半、特にヴァイオリン協奏曲より後の2曲で、ジャルスキーらしさを堪能。特に『勝利のユディータ』のアリアは熱唱で聴衆も大喜び。でも、なんだ、歳をとるにつれて、声の張りは衰えていくのはしょうがないので、レパートリーも含めてどう変化していくのか、楽しみにしておこう。美声だけで押しては行かないはず。
バックのアンサンブル・アルタセルセはジャルスキーも創設メンバーの一人らしいんだが、なかなかいい感じだった。特に、後半のヴァイオリン協奏曲RV.208は、エキサイティングな好演。ヴァイオリンの技巧的なソロが楽しすぎる。どんな容姿の人でもこれ弾いたらカッコよく見えちゃうな(笑)。
終演後、お決まりのサイン会。超長蛇の列。とは言え、収集癖的な部分もあって必ず参加。席が後ろの方だったので、幸いにして前の方をキープすることができた。ジャルスキーの登場を待っている間に、係りの人が「写真撮影、握手はご遠慮ください」と案内。エー…と失望する黄色い声。薄々、いや、はっきり気づいていたけど、ジャルスキーって要するに氷川きよし的な扱いを受けちゃっているんだな。やっちゃダメと言っているのに、当たり前のように写真撮影…しゃぁなしだ(苦笑)。バッハ、バッハと言って、J.C. バッハのCDを持っているんだが、セバとクリの違い…しゃぁなしだ…。
あ、ちなみに、拍手のタイミングとか、拍手する場面とか、聴衆の成熟度はラ・フォル・ジュルネ以下だった。もう、なんだ…しゃぁなしだ…。
そうそう。テレビ・カメラが入っていたので後日どこかで放送される予感。客席映ることがあったら、中高年女性の比率の高さにのけ反りつつ、おいらを探してみて…。
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【コンサート雑記】
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