来年のラ・フォル・ジュネ・オ・ジャポン(LFJ)は国民楽派なんて話が出たばかりの時に、
なかなかのタイミングで強烈な音源登場(↓)。
アンチェル&チェコ・フィルによる『我が祖国』、
1968年、プラハの春音楽祭開幕公演、ライヴ録音(ステレオ)。
1968年と言えば、あのプラハの春事件のあった年で、
これはその事件の起こるほんの3ヶ月前の記録とのこと。
ナショナリズム絶好調の時期だけに、
政治的な香りがプンプンして来そう…。
アンチェルはこの後、北米への演奏旅行へ出かけ、
その間にプラハの春事件が起き、そのまま、亡命。
そして、異国の地に没した。
アンチェルの『我が祖国』は1963年のスプラフォン盤が有名だけれども、
今回は、音源が1968年、プラハの春のオープニングライヴと言うこともあり、
どういう演奏になっているのか、大変興味深いところ。
なお、「モルダウ」は、TAHRA盤(放送音源)にて、
ライヴの演奏を持っているが、これは熱演。
亡命直後の演奏だけに、先入観込み込みで聴いてしまう。
そんで、感動してしまう…。
スプラフォン盤はそういう政治的なところはないみたいで、
その演奏もきっちりと仕上がっている。
プラハの春オープニングコンサートの『我が祖国』と言えば、
1990年のクーベリックも忘れてはいけない。
この感動的な、チェコ復帰コンサートとも聴き比べても面白いかも。
さて、来年のLFJ、この名曲を誰が振るんだろう?
[0回]
PR