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ケルンのバレンボイム
2012/07/11 (Wed)
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ちょい前に、パーヴォ・ヤルヴィのベートーヴェンを持ち上げておいて、なんなんだが、今度はバレンボイムのベートーヴェンを買ったというお話。時代の最先端を行くパーヴォ・ヤルヴィの後に、フルトヴェングラーの影響が強いバレンボイム。まさに音楽は正反対。節操ない?いや、どっちも面白いのだ。
今回買ったCDはウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団との交響曲全集。以前も紹介したが、昨年8月にケルンでライヴ録音されたもの。第3番『英雄』と第4番は現地で聴いた。自慢げに語る(笑)。そして、CDでも、思い出に浸るべく、この2曲ばかりを聴く。
第4番はおいらの中では突っ走るイメージの曲だ(もちろん、2楽章を除く)。たぶん、これはクライバーの刷り込み。あと実は、昔良く聴いていたのは、シェルヘンなので、暴走するイメージもある。そして、パーヴォ・ヤルヴィだ。ランニング・マシーンにでも乗りながら聴きたい。もちろん、ほかの指揮者も聴いているんだけど、一度付いたイメージってなかなか、頭から離れない。それで、バレンボイムなんだが、もちろん突っ走らない。1楽章AdagioからAllegro vivaceに雪崩れ込むところでも、突っかかっていかない。壮大な音響で押し進んでいく。おいらのイメージのこの曲じゃないんだが、圧倒的なパワーで説得されてしまう。これはこれで凄い。
で、これが、第3番『英雄』になると更にツボにはまってくる。どっしり構えて、揺るがない。若いオーケストラのパワーを存分に爆発させながら、滔々と音楽が流れていく。凄まじいスケール感。圧巻。パーヴォ・ヤルヴィのようなキビキビした演奏は、往々にして、その躍動感とか、生命力を感じやすいんだけれども、バレンボイムはその正反対の演奏で、そう言った音楽の勢いも失っていない。だから、当たり前だけど、間延びもしないし、退屈もしない。今更感のある解釈の演奏だが、今日、こう言う演奏するのは、とても意義のあることなのかもしれない。
さて、こう言う演奏を耳にするとよく言われるのが、「本来の」とか。「ベートーヴェンのあるべき演奏」とか言われたりするんだけど、それは違うと思う。これは20世紀のベートーヴェン。古楽のオーセンティックに対する、モダンのオーセンティックなんだろうけど、実際、どんな演奏がベートーヴェンの本望なのかなんてわからない。まだ、古楽の人たちの方が、実証するために検証を重ねているから、「本来の演奏」と言える論拠を持っているわけだ。まぁ、どちらの演奏も楽むのが一番得だと思う、と言う投げやりな結論。
なにはともあれ、お勧めの全集。値段も新譜とは思えないほど安い。技術面を細かく気にせず、楽しもう!
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【CD&DVD雑記】
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