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今日は、さて、何をしよう?とりあえず、寺でも行くか。と言うわけで、ワット・アルンとワット・プーへ。

ホテルを出て、電車に乗り、船に乗り換え、更に、渡し舟に乗って、まずは、ワット・アルンへ。急な階段のついた、大きな尖塔が印象的。どうにも、ガイドブックに載っているバンコクの寺院の写真は、歴史の重みを感じないものばかりなんだけれども、行ってみるとなかなか味わい深い。

再び、渡し舟で戻り、今度はワット・プーへ。金色の横になった大仏が有名。外人たちが列を成して、ぞろぞろとお堂の中に入っていく。眩いばかりに輝く、大仏。足の裏には綺麗な彫り物も施されている。同じ仏教徒でもお国柄なんだろうな、日本とはまったく違う趣。欧米人はこの違いをどういう風に感じているんだろうか。

その後、トゥクトゥクに乗って怪しげな麺を食べに中華街へ。日本のラーメンの完成度の高さを実感する。食事を終えると間も無く、スコール登場。面倒なやつだが、東南アジアの風物詩と考えようか。

更に、移動してショッピングセンターへ。綺麗なお店も多いが、その合間には、露天商が客を捉まえている。急成長している国の活気と混沌を感じる風景だ。

夕食は、シーフード。海外でシーフードはめったに食べない。和食より美味しそうなものが見当たらないからだ。でも、今日食べたものは美味しかった。たまにはいいもんかもしれないな。

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アユタヤからバンコクへ。大都会。高層ビルが立ち並ぶ合間に混沌とした市場が挟まっている。この東南アジア最大級の街は後で巡ることにして、午後から水上マーケットに行くツアーに参加してみた。

アンパワーと言う水上マーケットでバンコクから南に160kmほどのところにある。案内人の話によれば、タイ人に人気の観光地で、最近、外国人にも人気が出てきたとのこと。

バンコクから車で1時間30分ほどで、アンパワーに着く。が!今日は王妃の誕生日。道路は大渋滞。途中で、川辺に出て極めて安全性に疑問のあるボートで市場の真ん中へ。もちろん、市場も大変な人混みだ。まるで前に進むことができない。これはシンドイ。1時間の自由時間が与えられたわけなんだけれども、どうしたものか。うろうろと人混みに揉まれて1時間終了。案内人によれば、こんなに混んでいるのを見たのははじめてだという。なんと言う、タイミング、貴重な体験だろう!

人混みの中から、今度はボートに乗って蛍狩りへ。喧騒から静寂へ。いや、エンジン音が凄まじい(笑)。蛍は…たくさんいた。キラキラ輝く水辺の木々は、美しい粋な夏の風情。

そして再び喧騒の市場へ。お土産屋さんやさまざまな料理を横目に車へ…。そして、再び渋滞(涙)。バンコクに夜遅く戻った。

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アユタヤにやってきた。羽田発24時過ぎ発、バンコク4時着。もっとも時間を有効に使える便。疲れるが、朝の内にアユタヤのホテルに着くので1日目で広い遺跡群を一気に周ることができる。

距離的には歩いて観光も可能だが、気候的に厳しい。と言うことで、3輪車の簡易タクシー、トゥクトゥクで有名どころを一気に巡っていく。一番有名なのは、木の根元に埋まるように鎮座している仏像の頭部だろうか。低いところにあるのに観光客は頭部より高い位置で写真を撮ってはいけない。しゃがんでにこやかに記念撮影に収まる、欧州人、日本人、H.I.S.。ほかは東南アジアにありがちな赤土のレンガの寺院の数々を観光。古の時代にミャンマーの軍隊に破壊されているのだが、どれも神秘の時代を今に伝える貴重な建造物だ。なんだが、遺跡によっては建造が15世紀と言われても、なんか最近作ったぽい感じだったりもする。何なんだろう、このコンクリート感(笑)。

夜もトゥクトゥクに乗って、ライトアップされた遺跡を撮影しに出かける。昼も野良犬は多いんだが、夜の野犬は、とんでもなく活発で多い。囲まれそうになるのを運転手が追っ払ってくれる。夜のアユタヤは、昼以上に神秘的で綺麗なんだけどね・・・危険(汗)。単独では動かないようにしなくてはいけない。

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ヴィヴァルディの『四季』をはじめて、生演奏で聴いたのは、イ・ムジチ合奏団の来日公演だった。毎年のようにやってくるイ・ムジチ合奏団だけれども、海外の一流楽団と言うことで、ワクワクして会場に向かった記憶がある。まだ、数回しか全曲を通して聴いたことがなかった頃だ。コンサート・マスターの楽器がストラディバリだとかで、感心していた記憶。

今は、ビオンディだの、カルミニョーラだのを知っているので、イ・ムジチ=『四季』ではないが、当時は、『四季』と言えば、イ・ムジチだった。もうすでに、ビオンディはOPUS111から最初の『四季』をリリースしていたはずなんだけれども。

今は、古楽の演奏と比較して、楽しんでいるわけなんだけれども、考えてみると、イ・ムジチのヴィヴァルディは『四季』しか持っていない。これはゆゆしきことである。と言うわけで、ヴァイオリン協奏曲集を買ってみた。ユニバーサルのClassical Choiceシリーズからお安く再リリースされた1990年代の録音。おいらが行った『四季』のコンサートでもコンサート・マスターを務めていたマリアーナ・シルブが、6曲中、4曲で活躍している。演目は、ヴァイオリン協奏曲RV.271『恋人』、同RV.582『聖母マリア昇天祭のために』、同RV.180『喜び』、同RV.253『海の嵐』、同RV.552『遠くのこだま』、同RV.362『狩り』。全てタイトルが付いているものだ。取っ付きやすい。

演奏なんだが、なんか…新しい(笑)。古楽に慣れてしまうとこのヴィヴァルディは新しい。古楽でしか聴いたことのない曲だと特にそう。こんなにもビブラートを掛けるのか、とか、音が均整で整っているな、とか。何度も、古楽系の演奏と聴き比べてしまう。優美で美しい佇まい。早い楽章でもエキサイティングしないし、優雅に歌う、歌う。部屋を支配する雰囲気は、気品のある、落ち着いた空気だ。これも、これでヴィヴァルディ。これは、もちろん、これでいいんだが、これしかないとなると、詰まらないかもしれない。エキサイティングなヴィヴァルディがあって、優美なヴィヴァルディがある。選択肢のあるということは大切。良い時代になったんだと思う。モダン楽器のヴィヴァルディは駆逐されつつあるような気はするんだけれども、まぁ、録音は残るから…。

しかし、もっと聴いてみようか、と思っても、意外と『四季』以外の録音が少ない(と言ってもそこそこあるけど)のと、あと、声楽曲を全く無視しているんだよね、イ・ムジチ。モダンの他の楽団もそうだけど。オペラの録音なんて全くない。録音するほどの価値を見出さなかったのだろうか。よくモダン楽器の演奏はロマン派的と言うけれども、前時代のオペラを否定的にとらえたロマン派の流れをこう言うところでも汲んでいると言うことなのかもしれない。オペラまで行かなくとも宗教曲なんかはやればいいのに。

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夏だ、夏!江戸っ子は黙っちゃらんない。カメラと三脚を自転車のかごに放り込んで、いざ、花火大会in地元。日本屈指の知名度を誇る大花火大会に挟まれた、小規模な花火大会だけど、地方の小規模な花火大会にも負けない「のどかさ」が魅力的だ。小説なんかに出てきそうな、ゆとりがある。例えば、土手を駆け回る子供たちであったり、密度が異常に低い宴会であったり、或いは、ゆったりと三脚を構えるカメラマンたちであったり…そんな姿と夕陽を横に見て、花火会場のすぐ近くまで自転車を転がしていく。一応、23区なんだがな(笑)。と言っても、誤解のないように書いておくけれども、徒歩の場合、最寄りの駅からとんでもない混雑だそうだ。帰りなんかもう、ね。駅とは反対側から花火会場に入った場合、のどかだということだけ。因みに遠くから来る場合は、土手を30分くらい散歩する気になれば、別の駅から混雑を回避して、行くことができる。

さて、おいらが三脚を構えた場所は、発射台(っていうのか?)に結構近い川沿いだったので、流石に人は多い。それでも、開始30分前でも場所を見つけることができた。宴会の横に座り込み、三脚を構える。一眼レフ初の花火撮影なのだ。一応、家で花火向けの設定にしてはおいたが、ここで確認。花火撮影は、さほどに難しくない…と「ネットで言ってた」が、設定は、色々いじくらなくちゃいけない。初心者にとっちゃぁ、緊張するわけで。WBは太陽光、長時間露出時のノイズ補正はOFF、マニュアルフォーカスで無限大…あと、何だっけな。まぁ、あれだ。バルブ撮影になるし、一眼レフは花火には凄く有利。以前は、コンデジで頑張ったこともあるけど、むちゃくちゃ大変だった。今回は、D5100に頑張ってもらう。

邪魔だと思っていた、橋の光がすっと落ち、7時半過ぎ、花火開始。ええ、わかっていたんだ、こっち風下だよね。でもさ、川上まで行くのがめんどくさかったんだ。と言うわけで煙が、もうもうとこちらにやってくる。ま、いっか。ちっちゃいことは気にしない。パシャパシャ、パシャパシャパシャ…花火ってどこから出てくるか判らないんだよね。構図が取り難いったらありゃしない。多少のフォトレタッチは良しとしようか。デジカメの時代に、あんまり古臭いことは言いたくないんだけど、フォトレタッチってなにか、反則なような気がするんだよなぁ。まぁ、やるけど(笑)。と言うわけで、何枚か、夏の風物詩のおすそ分け。そんな胸を張って見せられるもんじゃないけど、よろしければ、ご覧くださいませ。

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イギリスから1冊の本が届いた。amazon.co.jpで気軽に日本語で個人輸入が出来てしまう時代。もちろん、amazon.comやamazon.deでしか買えないものもあって、面倒な個人輸入もまだまだ健在なんだけれども、以前に比べればグッと「日本で手に入り難いもの」が身近になった。

さて、今回、届いたのは、Venetian Curiositiesと言うCD付のハードカバーの小冊子。ヴェネチアの…珍品と訳すべきなのか、好奇心と訳すべきなのか。英語は苦手なので読む気はしない。ヨーロッパの美術館の隅っこに飾ってありそうな絵画がふんだんに使われているので、楽しめないこともない。本文の作者はドナ・レオン。ヴェネチア在住のアメリカ人女流作家…だそうだ。和訳されているものがあったら、今度読んでみるか、って程度しか興味はないんだけれども、付録で付いているCDが魅力的なのだ。

ヴェネチアと言えば、そうそう、ヴィヴァルディ。と言うことで、ヴィヴァルディの7つの協奏曲が収められている。演奏は、リッカルド・ミナジ率いるイル・コンプレッソ・バロッコ。再び、ミナジの登場である(気にいると続けて買う傾向あり)。イル・コンプレッソ・バロッコは1992年に設立されたイタリアの古楽楽団。これまでVirginにヘンデルのオペラをいくつも録音しているほか、オペラ・アリア集やヴィヴァルディのオペラをリリースしている。しかし、HMVを検索する限り、歌ものばかりで、器楽曲の録音はないようだ。

本の附録CDなのに、この演奏陣で、この企画のために録音したという凄い代物。本の付録なら、適当な音源の寄せ集めとか過去音源の復刻とかでいいじゃん…と思わず、本気でCDを作っちゃった、と。いや、何と言うか、もったいないというか、ね、もう。ちなみに、リリースされたのは、ミナジが登場したnaiveのヴィヴァルディ・エディションよりちょっと前なので、おいらが、ミナジのヴィヴァルディを是非リリースして欲しい!と言っていた頃にはリリースされていたのかもしれない。リサーチ不足…なんだけど、なかなか、このCDの存在には気付かないよなぁ。

演目は、ヴァイオリン協奏曲『お気に入り』RV.277、チェロ協奏曲RV.398、オーボエとファゴットの為の協奏曲RV.545、ファゴット協奏曲RV.489、弦楽の為の協奏曲『マドリガル風』RV.129、オーボエ協奏曲RV.448、ヴァイオリン協奏曲RV.386。様々な楽器の協奏曲を集めたもの。ミナジはコンサートマスターで、『お気に入り』のソロも務めているが、RV.386はドミトリー・シンコフスキーと言うロシアの新進バロック・ヴァイオリニストが務めている。チェロ協奏曲のソリストはマルコ・チェッカートと言う奏者だが、楽団には、ルードヴィコ・タケシ・ミナジと言うチェリストが出ている。兄弟だろうか。マサヒデの次は、タケシ。うん。まぁ、いいや。

演奏は、期待を裏切らない出来。すんごーく、活き活きしている。もちろん、明朗。華麗に暴走してくれるヴィヴァルディってホント、カッコいい。RV.386のヴァイオリン協奏曲の終楽章の伴奏でハイスピードでゾワゾワゾワと言うあたりとか、すんごいノリだと思う。この曲、カルミニョーラも録音しているんだけど、あんまりにも印象が違って面白い。シンコフスキーのヴァイオリンも良い。出身のロシアは古楽的には辺境の地だけれども、今後、ロシア・バロックなんてものを持ち出してきてくれたりするんだろうか。つか、ロシアのバロック音楽なんて聞いたことないんだけれども。ファゴットの為の協奏曲でも、演奏は溌剌としている。主役は低音でボコボコ鳴っているのに。

こんな楽しい録音を本の付録にだけ収めておくのはあまりにも勿体ない。まぁ、本買えばいいんだけど。CDと値段変わらないし。今後も、ミナジのヴィヴァルディには、期待していきたい。取り敢えず、『四季』欲しいよなぁ。

なお、今回も、PVをちゃんと作ってyoutubeにアップしているので、こちらへどうぞ。

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ボンジュール!GWにパリに行った時にメルシと一緒くらいよく使ったフランス語だ。ほかはボンソワールしか使わなかったけど(汗)。それだけだって、現地の言葉を少しでも話すと相手は気分が良くなる。日本人だって、ハロー!って話しかけられるより、こんにちは!って話しかけられた方が嬉しいはず。それだけで、少し親しみがわくというもの。

ボンジュール!で始まり、メルシで終わるコミュニケーション。その間は出鱈目だけど、ちょっと懐かしい。

そんなこともあってか、何となく買ってしまった『ボンジュール・パリ』。オーボエのアルブレヒト・マイヤー&アカデミー室内管によるフランス音楽集だ。エッフェル塔を背景にパリの街の建物の上にオーボエを持って立つ、マイヤー(ひげ)のジャケットもなかなかおしゃれだ。

プログラムは、そうそうオーボエのためのフランス音楽なんてあるわけもなく、有名曲の編曲ものが並ぶ。ドビュッシーの亜麻色髪の乙女、月の光、フォーレのパヴァーヌ、シシリエンヌ、サティのジムノペディ第1番、ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ。どれも程よく憂鬱に影を帯びて、情感溢れる綺麗な仕上がり。

しかし、このCDのメインは、珍しいオーボエとオーケストラの作品、3曲だろう。フランセの『花時計』、オーデルマットの『映像』、ダンディのフランス民謡の主題による幻想曲。特に、フランセの『花時計』が素晴らしい。

フランセは1912年生まれ、1997年没のフランスの新古典主義の作曲家。プーランクやストラヴィンスキーの影響を受けていると言う。『花時計』は、40代後半の作曲だから、作曲家として最も充実した時期のものだろうか。新古典主義と言うことからも判るとおり、20世紀の作曲家ながら、一般人には不可解な無機質な音の羅列にはならない。そのタイトルの通り、なかなか洒落た曲だ。そもそも『花時計』とは何かと言うと、異なる時間に咲く花を順番に植え、それで時間を知るという、粋な発想で作られた時計。現実に存在するのかどうかは知らない。つか、無理だろ…とは思うし、せっかく花が咲いても、隣にはしおれた花が並んでいるわけで、案外に美しくないかもしれない。そんな冷めた目で見ちゃいけないか。

この曲は、そんな花時計から午前3時のへびいちご、午前5時のルリニガナ、午前10時の大輪のアザミ、正午のアラバーのジャスミン、午後5時のベラドンナ、午後7時のアセゼラニウムの7つを抜粋し、それをイメージに曲を付けたもの。それぞれは2、3分で終わってしまう小品で、続けて演奏される。ざっと17分ほどの曲だ。親しみやすく、小粋なメロディは、隠れた名曲と呼ばれるに相応しいもの。マイヤーのオーボエも美しいし、アカデミー室内管もこう言う小品では、安定感がある。フランスの粋を感じたい時に聴きたい曲。

『花時計』の後に演奏されているオーデルマットの『映像』もなかなかの佳品だ。1974年生まれと言うから、まだ30代の作曲家だが、新時代の作曲家がこんな曲を書くとは。もう一曲、ダンディのフランスの民謡の主題による幻想曲もあまり聴かない曲で、こう言うところでひょいと出てくると嬉しかったりする。

今後の第2弾、第3弾に期待が集まる、と書いてあったのだが、続編が出るのだろうか。なかなか難しいお題だと思うんだけど。

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最近、お気に入りのヴァイオリニスト、リッカルド・ミナジ。手元にまたひとつ興味深い録音が届いた。エンリコ・アルビカストロなる作曲家の4声の協奏曲集作品7を収めた2枚組で、共演はコレギウム・マリアヌムとコレギウム1704。

まずは、エンリコ・アルビカストロ。バロックはマニアックな作曲家の宝庫である。バロックの時代はモンテヴェルディからJ.S.バッハまでざっと150年ほど。この長さ、ピンと来ないと思うけど、例えば、今から150年前がどんな時代だったか考えると実感がわいてくる。2012年-150年=1862年。生麦事件のあった年であり、森鴎外の生まれた年である。そんな長い期間があれば大量の作曲家がいたはずと言うのは容易に想像がつこうというものだが、知られている作曲家はごく一握りだ。一般人が知っているレベルだと、J.S.バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディくらいなものか。アルビノーニ、パッヘルベルは1曲だけで知られているだろう。それだけである。100年しかないロマン派・国民楽派の作曲家であれば、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、マーラー、チャイコフスキー、ドヴォルザーク、メンデルスゾーン、シューマン、ショパン、リスト…枚挙にいとまがない。何百年も聴かれ続ける作品を作曲しようとしたロマン派の作曲家とそれ以前の作曲家を比較するのは、どうかと思うのと同時に、古典派、バロックにマニアックな作曲家が多くなり、ロマン派、国民楽派の作曲家は割とメジャーになるのは、しょうがないと言うことも理解しておく必要があるだろう。それに、時間とは残酷なもので、どんなに当時一世を風靡していても、300年と言う長い時間が、ものの見事にマニアックにしてくれるのだ。

アルビカストロもそんなバロックの作曲家の一人。インターネットで調べても、さほど詳しいことは出てこないが、幸い、今回買ったCDには輸入盤ながら、日本語の解説が付いている。これによれば、1661年にバイエルンの小さな村に生まれたと推測されている。両親はスイス人。アルビカストロと言うイタリア風の名前は、ハンドル・ネームらしい。バロックの音楽界はイタリア最強だったので、それに合わせたのだろう。本職は、軍人でスペイン継承戦争にも騎兵隊長として参戦していたという。軍人で作曲家と言えば、リムスキー=コルサコフを思い浮かべるが、アルビカストロについては、それほど詳しいことは判っていない。没年は1730年と推測されているが、作品の殆どが1701年から1706年のわずかの間に出版されている。と言っても、この時期だけ作曲をしていたわけではなく、この時期に集中して出版したと言うことらしい。今回の作品7も1704年に出版されているが、作曲されたのは17世紀のうちだと推測されている。それでも、本職が軍人と言うこともあり、現存する作品は多くはない。当時、流行していたオペラの作品もない。

作風は、CDの帯にも紹介されているように、コレッリの影響を受け、ヴィヴァルディの先駆的な感じのもの。作品7は12曲で構成されるが、その殆どがコレッリの用いた緩急緩急の4楽章である。この時代の器楽作品におけるコレッリの存在感は相当大きなものだったらしく、当時多くの作曲家がコレッリ風の作品を出版したらしい。アルビカストロもその一人であるが、時折、そんな時代の流れに逆らうような表情を見せる。と言っても、おいらはさほどにコレッリの作品を知っているわけではないけれども。

ミナジの演奏は、ヴィヴァルディを演奏している時に比べると、穏健。曲のせいだろうか、ホールのせいだろうか。共演者のせいだろうか。2000年の録音なので、22歳くらいだと思うが、当時既にイル・ジャルディーノ・アルモニコに参加していたわけで、エキサイティングな演奏には慣れていたと思うんだけれども。それでも、スピードの速い楽章を小気味よく駆け抜けていく様は実に爽快だ。ゆっくりした楽章でも、第4協奏曲のアダージョなんかは実に美しい。モダン楽器でロマン派風にやったらアルビカストロはとても退屈な作曲家かもしれないが、この演奏であれば飽かず、十分に楽しませてくれる。マイナーな作曲家でこれだけの高水準の録音があるのはありがたい限り。

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エンリコ・オノフリの『バロック・ヴァイオリンの奥義』と言うCDを聴いている。オノフリと言えば、バロックオ・ヴァイオリンの大物。イル・ジャルディーノ・アルモニコのコンサートマスターとして名を馳せた人である。と言われると、背中のあたりがぞくぞくしてくる。何やらかしてくれるんだろう…今度はどうバロックがはじけ散るんだろう…と。

今回のCDの演目は、J.S.バッハのトッカータとフーガ BWV.565、タルティーニのソナタ、テレマンのガリヴァー組曲、無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジアから3曲、ビーバーのパッサカリア、ボーナストラックでバッサーノのリチェルカータ3番。えっと…共演者は、杉田せつ子(第2ヴァイオリン/ガリヴァー組曲)…え?だけ?無伴奏ヴァイオリンのための作品集?普通、バロックのソナタって、通奏低音があるはずなんだけど、今回は、ガリヴァー組曲を除いて、オノフリが一人で演奏をしている。何と言うチャレンジ。

まず、最初のJ.S.バッハのトッカータとフーガ。有名な曲。オルガンの曲として。そして、ヴァイオリンはオルガンではない(笑)。オノフリがヴァイオリン独奏用に編曲してしまった。この古楽器奏者は、時代考証をしないのか。ストコフスキーのバッハ編曲集なんて、古楽器奏者たちとは対極の存在だと思っていたんだが、これは似たようなもんじゃないのか。と言うのは、当然の疑問。しかし、これが、時代考証の結果なのだという。そもそも、この曲は、弦楽器のために書かれたもので、それを後にオルガン用に編曲した、と言う説があるそうだ。曲の書き方がどうも、そう言う節があるということで。だから、J.S.バッハは無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ以外にも無伴奏のための曲を書いていたのだ…ってな。どうなんですかね、この説。

しっかし、それだって時代考証。ピリオド奏法は、時代考証をきっかけとした新たな可能性だと見れば厳密にオーセンティックじゃなくって良いわけだし、そもそも、タイムマシーンでもなければ、本当のところは判らない。と納得したことにしておこう。

で、さて、いざ聴いてみると、これがまったく違和感がない。後年のオーケストレーションされたJ.S.バッハは、既にバロックではなくって、変形したロマン派的な「何か」になってしまっていると思うんだけれども、これは間違いなく、J.S.バッハだ。冒頭こそ、オルガン版とは違い、さらっと始まり拍子抜けしてしまうが、重音が炸裂する超絶技巧を聴いていると、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータに似た響きがあるような感覚にとらわれる。完璧に計算され尽くされた音楽。これをオノフリが弾くとイル・ジャルディーノ・アルモニコだからにして爆走…しない。あれ?凄い。天から音楽が降ってくるような、清々しく、そして、生命感溢れる躍動感。轟轟と鳴り響くオルガン版より神々しい。そう言えば、ヴィヴァルディでもイル・ジャルディーノ・アルモニコ以外のオノフリのヴィヴァルディはそんなに爆裂していなかったかな?いや、しているか(笑)。

よし!今後は、「トッカータとフーガはもともとヴァイオリンのために作曲されました」と信じ込んで行こう。と言うわけで、お次。タルティーニ。ソナタ(『捨てられしディドーネ』と『パストラーレ』の2曲)。通奏低音、排除。この曲も、タルティーニが、通奏低音なくってもいいってメモをしたとかで、一応時代考証的にこうしたのだと。つっても、これははじめて聴く曲なので、通奏低音があるべきなのかどうかはわからない。ただ、ないからと言って、おかしいわけではない。むしろ、これにチェンバロの音が入ったら、邪魔かも?と思えるくらいに、オノフリは聴衆を騙してくれる。

テレマンの作品は無伴奏ヴァイオリンのためのもの。キュートでポップなガリヴァー組曲。そんな曲なんだが、真っ向から切りかかるオノフリ。容赦ない。ビーバー張りにヴァイオリンの可能性を色々と探究した曲で面白い。こう言うのはロマン派以降には失われた感覚だと思う。無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジアも素晴らしい演奏。

色々と面白いCDだと思う。ジャケットのオノフリは鎌倉あたりで座禅を組んでいそうな容姿…こんなだっけな?国内盤しかなくって、お値段が高いのが難点。

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ダウスゴー&デンマーク国立交響楽団のBDを買う。デンマーク国立交響楽団…デンマーク放送交響楽団と同一の団体。今回のジャケットにはDanish National Symphony Orchestraと書いてあるので、デンマーク国立交響楽団。どういう風に使い分けているのかはわからないんだけれども、デンマーク王立管弦楽団以外のオーケストラ名を見ると大体、このオーケストラだと思っているので、間違えたことがない…と思う(流石に、室内管弦楽団は別物と理解しているけれども)。デンマークのオーケストラはこの2楽団さえ押さえておけば大丈夫、かな?

ダウスゴーは、昨年プロムスで実演に接することができた。その前後に、ドヴォルザークの交響曲を聴いて少し気になっていた指揮者だ。日本にも、ちょくちょく来ていて、一般的にも多少は知名度を上げているんだろうけど、なんとも、微妙なポジションの指揮者である。あれだ、一部マニアの間で評価の高い指揮者と言う感じ。メジャーどころのオーケストラにはあまり出てこないんだけど、なかなかいい仕事をするというよくあるパターン。こう言う人は、ベルリン・フィルの指揮台に上がるべきではない(と言う、マイナー信仰)。

マイナーな作曲家の演奏に定評がある、と言うと同じ北欧の指揮者、ヤルヴィ(父)っぽいんだが、ダウスゴーは、メジャーな曲でも、なかなかやる指揮者と評価されて来ている。実際、プロムスで聴いたBBC交響楽団とのブラームスの交響曲はなかなか素晴らしかった。

と言うことで、今回のBDに収められているのは、ブラームスの交響曲第1番、ドヴォルザークの同第9番『新世界より』、シベリウスの同第5番、ニールセンの同第3番『広がり』。2曲は超メジャー。残りもそこそこメジャー。そして、おいらが結構好きな曲ばかり。特に、ニールセンとシベリウスの選曲は堪らない。これが、シベリウスの2番と、ニールセンの4番だったら、高いBDを買う気にはならなかったと思う。嫌いな曲ではないけど、是非映像で見てみたいと思う曲じゃないんだろうな。良い線を突いて、そして、盛りだくさんなBDだ。BDも、だいぶ出揃ってきたけれども、まだまだオーケストラものの種類は多くないので、こう言う企画はありがたい限り。

さぁて、と!おいらのBD再生環境は、何つったって、PC。一応、モニタは27インチのFull HDなんで、BDの高画質を存分に楽しめるわけだが、そんな素晴らしいスペックではないので、ほかのことをやっていると動きが悪い。CDのリッピングはやらない方がいい。音楽を聴くのもやめよう(笑)。

メニュー画面は恐ろしくシンプルだが、映像は流石に美しい。演奏会場は、デンマーク放送協会本社(DR Byen)内にあるデンマーク国立交響楽団の本拠地ホール。豊田泰久氏も設計にかかわっているという。永田音響設計の人だ。永田音響設計すっごいなぁ。新しく出来た有名なコンサートホールは大体この会社が関わっている。日本が世界に誇れる会社の一つだと思う。で、このホールも素晴らしい。音響もいいし、デザインもいい。設計はジャン・ヌーヴェルと言う人だが、仄かに臙脂色のライトに照らされた客席に囲まれて浮かび上がるオーケストラ。新しいタイプのコンサートホールで、これだけ美しいホールはあまり見たことがない。高画質のBDで観れるのは、嬉しい限り。一度は行ってみたいという野望もわいてくる。

さて、肝心の演奏。ダウスゴーは、インパクトのないおじさん。半蔵門線に乗っていても気が付かないレベル。しかし、音質の良さもあるんだろうけれども、演奏は素晴らしい。定評のあるニールセンは、スマートだがダイナミックで、ニールセンらしいカッコ良さを存分に楽しむことができる。デンマーク国立交響楽団としても、お国ものだけに気合が入る。シベリウスも、準お国ものと言うこともあってか、好演。ドヴォルザーク、ブラームスもすっきりとした、ドイツやチェコの王道の演奏とはまた違った味わいの演奏が楽しめる。交響曲をBDでたっぷり楽しむと言う目的であれば、これほど充実したものはそうそうないだろう。カメラワークもいいと思う。

なお、最後にダウスゴーのインタビューが付いていて、あまり上等とは言えないけれども、日本語字幕が付くのはありがたい。一流の指揮者の話って面白いんだよね。すべてのプログラムについてコメントをしていて、ニールセンについて10分も語っている。すべては観ていないけれども、聞いた演奏の解釈を言葉で知ることが出来て興味深い。

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