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昨日は、青空が広がって暑かったのだが、今日は、どんより曇っていて涼しい。サッカーに浮かれた街が少し疲れてしまったようだ。

さて、今日は、バイエルン・ナショナル博物館でコンサート。最近、ハルモニア・ムンディからCDを何枚かリリースして評価を上げているグループ、アンサンブル・フェニックス・ミュンヘンが500年前のフロットーラを演奏。フロットーラとは1500年前後にイタリアで人気のあった世俗的な歌である。後にマドリガーレに受け継がれるジャンルである。

コンサートは12時スタート。会場は11時と言うことなので、少し早めにホテルを出る。バイエルン・ナショナル博物館は1855年にマクシミリアン2世によって創設され、1900年に完成された城のように堂々とした建物だ。コンサートはこの博物館のマルスとヴィーナスの間で行われる。

しかし、入って最初に案内されたのは名画が飾られている展示室のひとつ。ここに椅子が並べられているので、座って待っていると、このグループの中心人物であるフリデリクセンと仲間の歌手が学芸員っぽい人と一緒に入ってきた。で、レクチャー開始。学芸員ぽい人が中心になって、ドイツ語で30分ほどフロットーラについて語っていたようだが、もちろん、なに言っているかさっぱり判らず(汗)。「フレデリクセンって後ろの絵画から出てきたような人だなぁ」とかぼんやり考えてすごす。その後、フレデリクセンに案内されて会場へ。鉄の鎧の飾られた展示室の先に入り口があって、ここでしばし待たされる。

15分ほどで会場へ。真ん中にヴィーナスがマルスに関節技を決めているような格好のどでかい像があって、その手前に舞台が用意されている。席は100席ちょっとくらいだろうか。席は自由。前方2列目ど真ん中と言う絶好のポジションをゲット。

最初に舞台の上には、リュートとヴィオラ・ダ・ガンバの奏者2人だけがあがり、演奏開始。やがて、舞台の袖から、アルト、ソプラノ、バスのフリデリクセンが歌いながら登場。フレデリクセンの声はCDで聴いていたとおり、渋くてかっこいい声。レクチャーのときでも、よく通る低音で凄いなぁとは思ってたんだけど。

で、他の人たちも凄い。歌も素晴らしいんだけど、みんな万能なのだ。ソプラノ歌手が縦笛を吹いたり、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者が歌ったり…フレデリクセンがリュートを弾きながら歌うのは、知っていたけど。で、極め付けが、最初にリュートを弾いていた人だ。もちろん、歌うんだが、フルートの原型っぽい横笛やリコーダーっぽい何かなど、どんだけ楽器をハイレベルで習得しているんだよ…と文句を言いたくなるレベル(笑)。結局、複数の技をこなさなかったのはアルトの人だけ。一人一人がひとつの楽器の専門家に徹して極めるようになった、後世の音楽家とはまた別の感覚。

曲はすべて知らないものだったけれども、しみじみと美しかったり、陽気で楽しかったり…いにしえの響きに身を委ねる心地よさ。なんとなく歴史のロマン的な楽しみもある。まだCD化されていない企画だけれども、ぜひ、録音して欲しいなぁ。

そう言えば、休み時間に隣の人に色々話しかけられた。そりゃ、まぁ、こんなこじんまりとしたコンサートにどうして観光客が紛れ込んでいるのか、不思議なんだろうなぁ。「日本人のいないコンサートに行ってきたぜ!」って自慢するほど単純ではないが、このコンサートは我ながらよく見つけることができたと自画自賛したいもの。

コンサートが終わってから遅めの昼食。その後、アルテ・ピナコテークへ。別の電車に乗ったりしてだいぶ時間をロスしてしまったけど、何とか到着。ラファエロだの、ダ・ヴィンチだの、ブリューゲルだのが集まる著名な美術館だ。「ヨーロッパのほかの美術館と同じように馬鹿みたいに広いのか」…と思ったが、さほどでもない。つっても、ゆっくり回ったら半日はゆうに掛かってしまうかも。それとアルテ・ピナコテークは古い絵画だけで、ノイエ・ピナコテークとモダン・ピナコテークがすぐ近くにあって、アルテ・ピナコテークで飾られている絵画以降の作品が展示されている。要するに、3つ併せてひとつの美術館だと考えると…凄い規模になってしまう。おいらは、アルテ・ピナコテークだけでおなかいっぱい。

その後ホテルに戻って、ホットドッグで夕食を済ます。そろそろ、さっぱりとした食べ物が欲しくなってきたかなぁ。

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ミュンヘンは暑かった…そして、熱かった!今日はバイエルン・ミュンヘンのホーム最終戦…いや、正確にはリーグ戦のホーム最終戦。来月にもう1回、チャンピオンズ・リーグの決勝戦がある。レアル・マドリッドを破って、ホーム開催の決勝戦にこまを進めたバイエルン・ミュンヘン。そりゃ、燃えに燃えている。すれ違い様、向こうから来た人が「フィナーレ!」と叫ぶとユニフォームを着た人たちが「オーオゥ!!」と応じる。更に、前にいる女性集団が歓声をあげる。もちろん、街中、赤いユニフォームを着た人が満ち溢れている。レストランに入っても、ビールジョッキを片手に祝杯を上げている。

このやたらテンションの高い街で、街歩き開始。とりあえず、買い物。明日は日曜で買い物ができないので、買い溜めを(笑)。って、暫く歩いて長袖を着ていたことを悔やむ。半端ない。予想は28度だったんだけど、これは30度を超えている。少し買い物をして、いったん部屋に戻る。

仕切りなおして、再び出動。ルードウィッヒ・ベックと言うデパートに行く。ここの最上階のCDショップが半端ない。これだけ品揃え豊富なCDショップは東京にはない。デパートなのになんなのだ、これは。古楽コーナーも充実。プルハールのCDが推されまくっている。これは、クラヲタにはたまりませんなぁ。

昼食は再び、ドイツ料理。昼以降出さなくなると言う、ミュンヘン名物、白ソーセージを食べる。お湯の中に入ったまま出されるものをお皿に出して、皮を外して食べる。もちろん、初めて食べたんだが、これ、凄く美味しい。こんな美味しいソーセージは食べたことない。これは嬉しい発見。

午後はレジデンツへ。いわゆる、王宮。入って暫くはじっくり見て歩いていたんだが、あまりにも大きいので、徐々にスピードが上がる。「で、出れないんじゃないか…(笑)」と余計なことを考えたり…で、出た頃には足がだいぶくたびれていた。見ごたえ十分だが、要覚悟。

さて!一息ついて、今日は、ガスタイクでミュンヘン・フィルの演奏会。パーヴォ・ヤルヴィの指揮でブリテンのシンプル・シンフォニー、グリーグのピアノ協奏曲(ピアノ:ブニアティシビリ)、シベリウスの交響曲第1番と言うプログラム。北国からの風がさわやかに吹いてきそうだ。

しかし、スタイリッシュにブリテンを演奏した後、ブニアティシビリが熱い力演を披露したため、北国の風は爽やかではなくなった(笑)。このピアニスト、知らないなぁ、しかし、どっかで名前を見たことがあるような、と思っていたら、会場で売っているCDを見て思い出した。クレーメルとチャイコフスキーの『偉大な芸術家の思い出』を録音していた人じゃんね。CD持っていた(汗)。休み時間には、大急ぎで、サイン会をこなす。折角なので、並んでサインをもらってきた。何を書いてあるのか…(笑)。

最後のシベリウスはかっこよく炸裂。野暮ったいイメージのあった曲だが、パーヴォが指揮をするとかっこいい曲になる。「だって、シベリウスだよ?かっこいいに決まっているじゃん!ほら、こことか、ね?!」とパーヴォが言っているようだ。ミュンヘン・フィルも「ドイツの田舎を感じるオーケストラ」とよく言われるけど、程よく響いて気持ちがいい。

コンサートを満喫した後は再びドイツ料理。ごっついソーセージの盛り合わせをがんばって食べる。その後深夜の町を散歩してから帰宅。何だか、いっぱい詰まりすぎた1日だった。

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ミュンヘンは…暑い。直行便の機内で「ミュンヘンはただいま26度です」と聞いてびっくり。更に、「明日は30度を越える予想です」だと…。真夏日じゃないか!ミュンヘン、サッポロ、ミルウォーキーじゃなかったのか…。

と言うわけで、輝いていた街、ミュンヘンにやってきた。

夕方着の便なので、ついたら大体何も出来なかったんだけど、とりあえず、軽く街歩き。グラスビールを片手に飲みながら歩いている人がいるし、酔っ払いがやたら多い。さすが(笑)。時間的なものもあると思う、と信じたい。それとも、バイエルン・ミュンヘンがチャンピオンズ・リーグ決勝に進んだからみんなご機嫌なのか。

と言うわけで、さっそく、ビールとソーセージを!!最古だか、最大だかで有名なホフブロイハウスと言うビアホールで。すっごく混んでいて、空いている席を探すのが大変だが、巨大なのでそのうち見つかる。特に2階の屋内は静かで落ち着いている。と言うわけで、なんとか、2階に席をゲット。

さて、と。ビールはノンアルコールから黒ビールまで豊富に取り揃えているわけだが、ドイツ語だけでわからない(笑)。地球の歩き方を頼りに何とか、ビールとソーセージを注文。英語メニューのありがたさを痛感する。一応観光名所のビアホールなんだけどなぁ。まぁ、本格的ってことで納得しとこう(笑)。

さて、明日から街歩き~!!楽しみ。

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祝う!!鈴木雅明氏バッハ・メダル授与!!!…で、なんだ?バッハ・メダルって?

寡聞にして知らなかったので、調べてみた。ライプツィヒ・バッハ・フェスティバルの一環として、ライプツィヒ市長から贈られるものらしい。音楽祭そのものは100年以上の歴史を持つものの、バッハ・メダルの創設は2003年と歴史は浅い。過去の受賞者は下記の通り。

2003年 グスタフ・レオンハルト
2004年 ヘルムート・リリング
2005年 サー・ジョン・エリオット・ガーディナー
2006年 トン・コープマン
2007年 ニコラウス・アーノンクール
2008年 ヘルマン・マックス
2009年 フリーダー・ベルニウス
2010年 フィリップ・ヘレヴェッヘ
2011年 ヘルベルト・ブロムシュテット
2012年 鈴木雅明

あー、そう言えば、去年、ブロムシュテットが選ばれた時に、話に聴いたことがあるかも…と思いだした。それにしても錚々たるメンバーだ。特に2007年までの5人は圧巻。その後のメンツを見ると、ヘレヴェッヘに次いで、鈴木雅明氏が選ばれるべきだったんじゃない?って思ってしまうんだが、まぁ、コルボやクイケンがまだ選ばれていないんだから、良しとしようか。ブロムシュテットってそんなにバッハ頑張っていたっけ?と思うんだが、現地の評価って日本の評価とまた大きく異なるので、なかなか異議を唱えにくいところ。

で、だ。選ばれた音楽家の中で、モダン楽器派はリリングとブロムシュテットの2人。残りは、ピリオド楽器派。もっとも、リリングも最近は、ピリオド奏法に従って演奏しているので、純粋にモダン楽器派はブロムシュテットだけだ。ブロムシュテットは、そもそもバロック音楽専門の演奏家ではないので、この中では異色。来年あたり、シャイーが選ばれてしまいそうな予感はするんだけれども、まぁ、それでもこれまではバロック=ピリオド楽器と言う時代の流れが、よく出ている結果だ。つか、モダン楽器でバッハ頑張っている人って、もうそんなにいないのか…。

鈴木雅明氏は、もちろんBCJでの活動が高く評価されたわけなんだけれども、じゃぁ、日本でピリオド楽器がそれほど受け入れられているかと言うと、答えはNO。ヨーロッパでは、ラトルなんかが場合に応じて、ピリオド楽器のオーケストラを振るほど一般化しているんだけど、ね。まぁ、と言うか、日本ではバロックそのものの地位が低い。

そんな中で、コツコツと頑張ってきた鈴木雅明氏の活動は、他の年の受賞者とはまた違った意味合いがあるかもしれない。何気に、ピリオド楽器では優秀な演奏家の多い日本、今後とも彼らの活動の励みになったのではないだろうか。

とか何とか言って、鈴木雅明氏の録音は持っていない(汗)。

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以前、石丸電気で不良品を交換したことがある。電話でやり取りをしたんだが、「ドホナーニの…はい、メンデルスゾーンですね」みたいな感じで商品名を確認するのも、交換手続きもスムーズだった。そういうのは当たり前だと思っていた。

で、先日である。タワーレコードで盤面に傷のあるCDを購入してしまったので、やはり電話で問い合わせた。レシート番号や商品番号を訊かれ、商品の確認…店員さん「ウィ、ウィリアム・クリ、クリス…」、おいら「クリスティですね」、店員さん「あ、はい。」…てな感じ。CharpentierのPastorale de Noel、演奏者は、William ChristieとLes Arts Florissants…クラヲタでもない限りアルバイトさんじゃ、そりゃ、読めんわなぁ(苦笑)。初々しくって良いと微笑ましく思うのは甘いのか。商品さえ、きちんと交換されればいいんだけどね。それでも、石丸電気の対応が懐かしい。店員さんが、売っている商品名をきちんと言えるってこと。クリスティなんて、フランスの古楽演奏の大御所だもんねぇ…石丸の店員さんなら、と比べてしまうのは弱気な回顧主義だろうか。一応、タワーレコードにはクラシックに詳しい店員さんいるっぽい。とフォローしておこうか。お店で質問したらちゃんと対応してもらえる。

それと、交換期限なんだけど、タワーレコードは2週間。大量枚数を収めたBOXものの多いクラシックでこの期間は正直厳しい。ハイドンの交響曲全集を2週間で聴ききるとか、なかなかできない技だと思う。石丸はその辺判ってくれていて対応していたんだけど…。タワーレコードが悪いとは言わないけど、石丸は良かったなぁ~。

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音楽史には興味があるんだが、西洋史は相当疎い。しかし、それでも、古楽を聴くときには、当時の為政者との関係を無視することはできない。18世紀以前の音楽家は、王侯貴族なしには、語ることができず、良くも悪くもその影響を大きく受けているのだから。例えば、ダウランドやヒュームの庇護者だったクリスティアン4世、タリスとバードに印刷の許可を与えたエリザベス1世、モーツァルトとの関係で知られるヨーゼフ2世、ゼレンカやハイニヒェンが宮廷楽長を務めたアウグスト2世、自らも作曲、フルート演奏をし、C.P.E.バッハが仕えていたこともあるフリードリヒ大王などなど枚挙に暇がない。こうした王侯貴族との密接な関係があったが故に、ロマン派とはまるで違う音楽になっている、とも言える。

そんな音楽家に影響を与えた王侯貴族の中でも、楽派を構成するまでに至った王が2人いる(ほかにいるかもしれないけど、おいらがパッと思い出したのは2人…(汗))。マンハイム楽派のバイエルン選帝侯カール・テオドールとヴェルサイユ楽派(フランス古典派)のフランス王ルイ14世である。モーツァルトに少なからぬ影響を与えたマンハイム楽派、リュリ、シャルパンティエ、クープラン、ドラランド、ラモー、マレと言ったバロックの大物をずらりと揃え、豪奢な音楽を展開したベルサイユ楽派、どちらも18世紀の音楽シーンで重要なポジションを占めている。

さて、今回は…フランスの方、しかも、太陽王ルイ14世の後継者で曾孫のルイ15世の時代にテーマを絞ったCDを聴いている(と言っても、ラモーだけなんだが(笑))。ルイ15世は、5歳で王位を継ぎ、奔放な生活を送った王である。政治には興味がなく、結局、ルイ16世によるフランス王の滅亡の遠因を作った人だ(と解釈している)。

演奏しているのはサヴァールとル・コンセール・デ・ナシオン。サヴァールは、こうしたテーマを付けてCDを作るのが好きである。古楽、特に音楽史好きにはたまらない手法で、高いALIA VOXのSACDをついつい買わされてしまうわけだ(汗)。フランス王をテーマにしたのは、ルイ13世、ルイ14世に続く3作目である。

演奏されているのは、ラモーのオペラからの管弦楽組曲。18世紀までの音楽界では、オペラでの成功こそ音楽家最大の名誉だった。冒頭に述べた、王侯貴族と音楽家の密接なつながりは、政治にも多分に利用された。その一つが、膨大な費用のかかるオペラ制作だった。ド派手な舞台を作り上げ、関係者に「すげー!」と思わせることが大切だったのである。だから、モーツァルトも、必死になってオペラを書きまくった。今日、オペラと言うと、モーツァルトを除けば、ほぼ19世紀に作曲されたものだが、オペラの全盛期は17世紀~18世紀だったのである。

ラモーもご多分に漏れず、オペラをたくさん書いた。ただ、ラモーのオペラは管弦楽のド派手さで有名であり、今日でも、オペラから管弦楽だけを抜粋した組曲がよく演奏される。今回、サヴァールがこのCDに収めたのはその中でも特に代表的な4曲である。『優雅なインド』、『ナイス』、『ゾロアストル』、『ボレアド』…まぁ、代表的と言っても、今日的には、マイナーな作品かもしれない。しかし、バロック・オペラ=マイナーとして放っておくには惜しい作品だ。とにかく、オーケストラがド派手で楽しい。軽薄と言えば、軽薄で、ロマン派からみたらありえないほど、哲学のない音楽だ。故に、19世紀以降全否定されるわけだけど、これほどに楽しく、浮かれた音楽だってあっていいんじゃないか。ベルサイユ宮殿どんだけ浮かれまくっていたんだろう?!楽しすぎる。リュリやシャルパンティエは優美な陰影があったりして、『ベルサイユのばら』の需要に多少は応えられるだろうけど(しかし、イメージ通りではないだろうな…)、ラモーやドラランドは、もう、ね(笑)。

演奏は、難しい研究を重ねてから行われたもの。古楽の「ホントはこういう音楽でした」的な上から目線を批判する向きを批判する人の気持ちもわからないではないが、こうした研究を重ねる努力は音楽史的には重要な作業で、評価されるべきだと思う。結局それが正解であるかどうかは、今となっては判らないんだけど、探究心とそこから出てくる意欲的で新しい響きには、惹かれずにはいられない。それで今回は、何がどうなったのかはわからない。ラモーの音楽はやっぱり楽しくって、サヴァールの指揮もぶっ飛ばない程度にエキサイティング。オノフリやミナジも参加しているんだが、イル・ジャルディーノ・アルモニコにはならない。

さて、このCD、ルイ15世が聴いたらどんな顔をするだろう?いつもの演奏だな、って思うのか、まだまだテンションが足りない!って思うのか、はたまたもっと優雅に構えてよ…と思うのか。それにしても、ロマン派以降なら「この演奏、作曲家に聴かせたら…」と思うのに、ね。ホント、バロックとロマン派は同じジャンルの音楽じゃない…。

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ヴァイオリン教室でJ.S.バッハの管弦楽組曲第3番から第2曲エアをやっている。と言うと、構えた感じになるんだけど、G線上のアリアをやってます♪と言うと一気にポピュラーになる。どんな人でも、聴き飽きたような曲だ。ヴァイオリンを始めた人に何を弾いてみたいですか?と訊くと結構な確率で挙げられる曲でもある。クラシックの代表的な扱いかもしれない。けど、まぁ、バロックだよなぁ~。それとエアは、綺麗な曲なんで、「やっぱクラシックは落ち着くわぁ~、癒しだわぁ~、眠いわぁ~」って思われるだろうけど、管弦楽組曲第3番の第1曲序曲と第2曲ガヴォットは賑やかなんだよねぇ。落ち着いた癒しで眠たくはならないタイプ。

さて、G線上のアリア。演奏するには初心者向けの曲。とってものんびり進むレッスンなので、それでも、なかなか上手くいかなかったりするんだが、これはなかなか楽しい。こんなポピュラーな音楽でも、よう考えて作られているなぁ~、と感心してしまうのだ。発表会で演奏したエトピリカなんかは、一聴すると惹かれる人も多いと思うんだけど、弾いているとなんか退屈してしまうこともあったんだけど、G線上のアリアはそれはなさそう。あ、エトピリカは否定しませんよ。瞬間的に人の心をとらえる綺麗な曲だと思う。うん。

面倒な部分もあるけど、何とかマスターして「今日はG線上のアリアでも弾くか」ぐらいな気持ちで、気軽に弾けるようになりたい。

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桜…満開!!相変わらず、有名な桜の名所はお花見見物の人の波でごったかえしているみたい。不忍池の桜は凄いけど、足元を見ると…ねぇ。

そんなわけで、自転車漕いで、近場の桜を眺めに。はるうらら。ここんところ陽気も良い。フラフラするには最高かと。日本にはいたるところに桜の木があるので、ド派手なやつを楽しもうとしなければ、そんなふうでもそこそこ楽しめる。まぁ、なんだ…1週間そこそこの楽しみのために、街中に桜が植えられているんだよねぇ。

もちろん、カゴには、カメラバッグ。最近写真撮っていないし、折角だから、ね。ホントは、桜の写真を大きめにとりたいのなら、萎れた花の少ない、7分咲きくらいが良いって聞いたんだけど、今年はあっつう間に暖かくなって、桜もあっつう間に咲いてしまった(と思う)。にしても、平凡な写真しか撮れないなぁ~(涙)。

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リートや古楽で着実に評価を高めているテノール歌手、マーク・パドモアの新譜を買う。収録曲は、ブリテンのテノールとホルンと弦楽合奏のための『セレナーデ』、『ノクターン』、フィンジの『降誕祭』。レーベルはハルモニア・ムンディのUSAプロダクション(ハルモニア・ムンディ・ドイツがあるのにハルモニア・ムンディ・フランスにUSAが出来て、ハルモニア・ムンディは更に複雑になった(笑))。オーディオ・マニアにも嬉しい、SACDでのリリースである。伴奏するのは、ブリテン・シンフォニア。ジャクリーヌ・シェイブと言うコンサート・ミストレスが指揮も兼ねている。

さて、冒頭にも書いたとおり、パドモアは、リートと古楽で評価の高い歌手である。リリースされている録音は、シューベルトやシューマンのリート、クリスティ&レザール・フロリサンをはじめとする有名古楽演奏者たちと共演したバロック音楽など、そのレパートリーはなかなか玄人好みである。同じテノール歌手でもイタオペで華やかに活躍している人たちとはあまりにも印象が違う。パドモアを聴いた後で、アラーニャを聴くと実に、チャラい(失礼)。まぁ、そういうチャラいのも結構好きなんだけど、ね。

そんなパドモアがブリテン&フィンジである。一瞬、「え?」ってなるんだが、良く考えてみると系統的には、間違っていないような気がする。あと、パドモアはイギリス生まれのイギリス育ち、生粋のイギリス人だからイギリス音楽には造詣が深い。あまり目立ってはいないが、これまでも、イギリス・リートやダウランドを録音していたりする。今回の録音に収録された2人の作曲家も実ははじめての録音ではない。イギリス音楽はパドモアの裏の十八番と言っていいのかもしれない。

で、このCD、おいらが何で買ったかと言うと、やはり、フィンジである。この『降誕祭』と言う曲、すっごく素敵な曲なのだ。これまでは、ボストリッジとマリナー&アカデミー室内管の演奏で楽しんでいたのだが、パドモアの録音が出たということで、「これは買わねば!」となった(そう言えば、ボストリッジとパドモアってレパートリーが結構被っているなぁ。結構、特異だと思うんだけど)。ちなみに、ナクソスからグリクリストも録音を出しているんだが、こちらは興味を持ちつつ、未だに買っていない。買わねば。

『降誕祭』は、カントリーライフを過ごしていた田園作曲家とも言うべき、フィンジの長閑な曲だ。長閑と言っても、退屈でなくって、どことなく蔭があり、叙情的。こんな曲が、シェーンベルクだの、ストラヴィンスキーだのと言った現代音楽の旗手が、頭をこねくり回していた1920年代の作曲とは、さすが、イギリス。ボストリッジは、この曲を情感たっぷりに歌い上げた。対して、パドモアの歌は、自然体で構え過ぎずに美しい。実に心地の良い歌である。伴奏は、ちょっとあっさりしすぎている感じもするが、こういうのもありなのかな。

なにはともあれ、この名曲に新たな名盤が加わったことは、嬉しい限り。ブリテンの方はちょっとしか聴いていないんだけど、こちらもなかなか良かったと思う。

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シューベルトの『未完成』を聴く。あまりよく聴く曲ではない。シューベルトの交響曲を聴くとなると、『グレイト』の方が多くなってしまうんだよね。ポピュラーさでは、『未完成』に軍配が上がるんだが、聴き応えは、『グレイト』の方があると思う。完成しているしね(笑)。

今回引っ張り出してきた演奏は、ジンマン&チューリッヒ・トーンハレ管のスタジオ録音。これ買った時以来なんだろうな、『未完成』を聴くのは。Arte Novaに録音したベートーヴェンで名を上げたコンビで、その後、マーラーやR.シュトラウスで好評を得ている。最近ではブラームスの交響曲全集もリリースされた。ってことは、ロマン派が好きなんだな。レパートリー的には奇を衒わない。従来の巨匠たちと思い切り被る。ラトルみたいにグレインジャーやウォルトンはやらない。で、次はシューベルトの交響曲に着手したということだ。2年ほどかけて全曲を録音するらしい。

さて、シューベルトの交響曲全集第1弾となった、『未完成』だが、これはなかなか刺激的な演奏だ。レパートリーは従来の巨匠たちと被るが、演奏スタイルはまるで違う。ジンマンは、マーラーでも分析的な演奏をしていて、録音する際に、ライブ録音は熱くなり過ぎて、テンションを維持するのが難しいと言うようなことを言っていた(ブラームスはライブ録音なんだが、そこは深遠な考えがあってのことだ…ってことにしておこう)。シューベルトでも同じ考えなのだろうか。1楽章は全く歌わない。そして、テンポが早い。熱くならず、情に溺れずに、曲を冷静に眺めている。感情も揺らがない。これがスタジオ録音の魅力だとジンマンは言っているのだろうか。一見するとそっけない演奏だ。感情の爆発がないから、ロマン派にしてロマンチックでもない。歌曲王シューベルトの歌心を無視してどうするんだ!と思わないじゃないんだが、そうすることによって、この曲の新たな魅力を見せてくれる。ジンマンはピリオド奏法を取り入れているんだけれども、その影響も大きいだろう。えもいわれぬ独特な美感があるように思う。

2楽章もテンポは速めだが、1楽章ほど徹底した分析的ではないようだ。やや冷めた感じは、相変わらずだが、シューベルトの歌心は、多少尊重する気になったようだ(笑)。なかなか綺麗な演奏である。感情移入が激しい演奏より、綺麗と言えば、綺麗かもしれない。カップリングのヴァイオリンと管弦楽の作品も魅力的な演奏。

そんなわけで、なかなか面白い演奏なんだが、ほかの曲でもこの姿勢を貫いていくんだろうか。5番とか、どんな演奏になってしまうんだろうか。1番と2番は既にリリースされているが、その他の曲もリリースが待ち遠しい企画である。しかし、残念なことがひとつ。マーラーではSACDでリリースされていたんだが、このシューベルトはCDでしかリリースされていない。こう言う演奏は、高音質で聴きたいもの。おいらは、まだSACDを聴ける環境を整えられていないんだが、SACDでのリリースを望むファンは多いと思う。

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