どうも自分は不器用な人間で、気の利いた一言とか、タイミングの読みとかが下手である。後でああすればよかった、こうすればよかったと気付くが、気付いた時は後の祭り。世渡り下手。
そんなことを感じている時にモーツァルトを聴くのは何となく、気が引ける。やっぱ、ブルックナーでしょ。俺もそうなんだよ!って感じがする。19世紀最大級のシンフォニストでありながら、なぜか、マニア向け。女の子からも好かれない。愚直で洒落っ気のない巨大な構造物を見ているみたいなのだ。それが純真さとなり高潔な音楽を作り上げている。普段は全然聞く気がしないけど、気分によってはCD棚に手をのばす…。
さて、そんなブルックナーがクソ真面目に考えて、副題をつけてしまった作品に『ロマンティック』と言う交響曲がある。確かに彼の作品の中ではロマンティックといえるものかもしれないけど、そんなストレートな命名は…どうかと思うのだ。もうちょっとヒネレ!と思うけど、ブルックナーらしい愚直さ。他に『ワーグナー』と言うのもある。これもひねりがない。あとの交響曲は全て副題がない。そんな洒落た題名は付けられないのだろう。
そんなブルックナーの素の姿を見るなら初校版で録音されたインバルの全集かな?いま、爆安になっているし…。
でも、強いて言うなら、目指したい、脱ブルックナー型人間。いや、そういうのもいいんだけどさ、結構損して生きているんだ。
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