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ヴォーン・ウィリアムズはとってもローカルな作曲家である。ラヴェルに師事しているにも拘らず、あまりにもイギリス色が強いのだ。そう言う意味では、国民楽派的な作曲家と言えるかもしれない。それが魅力ではあるんだけれども、ほかの地域での受容が進んでいるとは言い難い。

出てくる録音もほぼイギリスのオーケストラによるものばかり。イギリス以外の国のオーケストラが演奏している場合であっても指揮者はイギリス人。これまで自分が知っている録音はすべてそうだった。

が!ここにきて、想像もしなかった国のコンビによる交響曲全集がリリースされた。ロジェストヴェンスキーとソヴィエト国立文化省交響楽団によるもの。もちろんメロディア。

ロジェストヴェンスキーは言わずと知れたロシアの名(迷)指揮者。BBC交響楽団を中心に長くイギリスで活躍していたので、一応、ヴォーン・ウィリアムズへの理解があり、ライヴだが録音も残っている。

ソヴィエト国立文化省交響楽団は、1982年に全連邦オペラ・シンフォニー・オーケストラを再編成する形で結成されたオーケストラ。国内の有名オーケストラから優秀な演奏家を引き抜いて結成された、当時のスーパー・オーケストラだった。その名が示す通り社会主義らしい国家の手厚い保護のもと、活発な活動を行っていたが、ソ連の崩壊と共にロジェストヴェンスキーが活動の拠点を海外に移し、これをきっかけにこの名称での活動を停止している。その後、モスクワ・シンフォニエッタ・カペレと言う名前で、形を変えて活動は続けられたものの、録音もなく低迷した時期を送った。現在はロシア国立シンフォニー・カペレと言う名称に変えて活動を続けており、ロジェストヴェンスキーの後を受けたポリャンスキーと共に、シャンドスに録音をするまでに復活を遂げている。どういうわけか、シャンドスの表記ではロシア国立交響楽団とされているが、例の有名楽団とはもちろん別物である。

さて、この録音。時期は、1987~1989年。当然ステレオではあるものの、アナログ録音と言うのがソヴィエトっぽいところ。そして、なぜかライヴ。ヴォーン・ウィリアムズの交響曲全集をライヴ録音したのって、このコンビがはじめてじゃないだろうか。いや、そんなことよりも、ソヴィエト人にヴォーン・ウィリアムズを聴かせるって…しかも、交響曲チクルス。ロジェストヴェンスキーは何をしたかったのだろう(笑)。

この全集が何時リリースされたのかはわからないけれども、ここ20年ほどはリリースがなかったと思う。ただ、何故か、海の交響曲(第1番)だけはイギリスのOlympiaからリリースされていた。これはなかなか個性的な演奏で知られており、あれこれと探して入手したものである。

今回のリリースでは、ロンドン交響曲(第2番)以降も聴くことができる!さっそく、何曲か聴いてみる。一言でいうならば、やはり、個性的。イギリスの風情なんてものは、どっかに置き忘れてきたような演奏。そりゃ、こっちだって、そんなもの期待してはいないわけだけれども(笑)。例えば、ロンドン交響曲。ちっともロンドンの風情が感じられない。鉄のカーテンの向こう側の聴衆を相手にして、ロンドンの情緒を語ったってしょうがない。じゃぁ、好きにやらせてもらう、って感じだろうか。曖昧模糊としない輪郭のはっきりとしたメリハリの利いた演奏だ。朝の靄なんて存在しない。田園交響曲(第3番)も同じ調子で進めていく。ヴォーン・ウィリアムズを退屈に感じる人には良いのかもしれない。ヴォーン・ウィリアムズ好きにとっても新しい発見のある演奏だ。第6番のようなイギリス的ではない作品では、余計な先入観なくロジェストヴェンスキー節を楽しめばいいだろう。

それにしても、オーケストラが上手いのがなんだか、悔しい(笑)。なんだかんだ言っても、この迷盤の復活は喜んでいい。やっつけ感漂うジャケットにイギリス感が全くないのもまたご愛嬌だろう。



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