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最近、大手CDショップでフンガロトンのCDが安く出ている。
このフンガロトンはハンガリーの国営レーベルで、
ハンガリーの演奏家によるお国ものの録音で知られたレーベル。
マイナーレーベルだけれども、演奏家の顔ぶれは錚々たるもの。
と知ったかぶりをしておいて本題↓。

こんなCDを買ってみた(↓)って話。

メンデルスゾーン:交響曲第4番『イタリア』、同第5番『宗教改革』
 イヴァン・フィッシャー指揮ハンガリー国立交響楽団(1983年録音)

ハンガリー国立交響楽団という日本語表記は、
『世界のオーケストラ123』(1993年、音楽の友社)によるものだが、
CDジャケットに記載されている英語表記は、
Hungarian State Orchestraだから、本当はハンガリー国立管弦楽団と訳されるべき。
若しかすると別の楽団かとも思ったが、そういうことでもなさそう。
どういう意図で、交響楽団と訳されたのだろうか?
Allami Hangrer Senyzenekerと言う原語表記に何か秘密が隠されているのかも。
なお、Hungarian State Symphony Orchestraと言う英語表記のCDもあるが、
国営レーベルであるフンガロトンのCDはHungarian State Orchestraで統一されている(っぽい)。

指揮者のイヴァン・フィッシャーはこのときまだ30ちょっと。
ちょうど、あのブタペスト祝祭管弦楽団を創設した年のことである。
イヴァン&ブタペスト祝祭管のその後の破竹の活躍ぶりは周知の通りであるが、
ここで聴くメンデルスゾーンの名曲2曲は、
それ以前のイヴァンの演奏を知る上で、大変貴重なものといえるだろう。

基本的なスタイルはどぎつくない流麗なヨーロピアンスタイル。
凡演ではないが、強烈な印象はない。
例えば、闘争的ですらあるショルティの『イタリア』や、
終楽章での急激な加速が強烈なマゼールの『宗教改革』、
あるいは豪放なサウンドが轟々と鳴るミュンシュの『宗教改革』に比べると、
凡そ大人しく、優等生的に聴こえてくる。

しかし、柔らかく、味わい深い聴き心地の良いこの演奏は、
決して解析的に過ぎて冷めたいものではなく、程よい温かみがあるもの。
そもそも、この曲をどぎつくやるっていう方が邪道だって事に気付かされる。
特に『宗教改革』の終楽章のAlleglo vivace以降の響きの美しさが案外良い。
流麗とは言え、フロールのようだと何だか頼り気なく感じてしまうが、
この演奏ではそこまで軟弱ではなくて、芯は案外確りしているのも良い。
勢い良くやってしまってくれてもいいんだけど、こういうのも良いなぁと思う今日この頃。

それにしても、やっぱ『宗教改革』良い曲だぁ!
これなくして、メンデルスゾーン語るのは×。
と勝手に決め付けて〆。

 

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