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カルミニョーラがヴェニス・バロック・オーケストラと来日していたらしい。昨日が最終公演。ってことを、昨日はじめて知った。誰か教えてよ!!!!!!と他人のせいにするなんて最悪だ。誰も教えてくれるはずがない。己の情弱っぷりに泣けてくる。一昨日なんて、オール・ヴィヴァルディだったんだそうだ。マジかよ、おい…涙。当日券あったっぽいので、気付くのが一日早ければ行っていた。もの凄い勢いで行っていた。電車の中でもダッシュするくらいの勢いで行っていた。本気で、膝と両の掌を床に付けて頭を垂れたい気分だった。OTZ

で、昨日なんだが、別のコンサートのチケットを買ってしまっていたので、行けず。涙目。行ったコンサートはアルゲリッチが、アルミンク&新日本フィルをバックにシューマンとラヴェルを演奏してくれると言うデコレーション・ケーキのようなコンサート。こちらはチケットが一瞬で売り切れた。アルゲリッチの人気は凄まじいな。ってのもあるんだけど、ピアノと古楽器アンサンブルの月とすっぽんほどの、人気の差でもある。あのアーノンクールでさえ、チケットを売りきれなかったという驚愕の事実。

これは、「女の子はピアノざますのよ」的な事情があると思うんだけど、リアルを言ってしまうと、古楽器アンサンブルの方が絶対にピアノより面白い。いや、古楽器アンサンブルの方が、ピアノよりも優れているって言うんじゃなくて、なんつうかな、盛り上がれるって言うか、大衆受けすると思うんだ。バロック音楽ってロマン派音楽みたいに難しいこと言わないし、古楽器アンサンブルの演奏って、アグレッシブで刺激的な演奏が多い。だから、楽しい。むっちゃ、ノレる。

あーあ…カルミニョーラ行きたかったな~。とか言うのは、アルゲリッチに失礼なので、この辺にしておこう。終わってしまったものはしょうがない。アルゲリッチを楽しむのが吉。つか、何と言う、贅沢な悩みをしているんだ、この男は…。猛省。

さて、ではコンサートの話。場所は錦糸町のトリフォニー・ホール。自転車圏内。地下駐輪場に自転車を停めて、いざ、ホールへ。

やっぱ、女性が多い。しかも若め。これは以前から疑問に思っていたんだけど、コンサートは女性が多いのに、CDショップは女性<<<<<男性になるのは何なのだろうか?まぁ、アーノンクールのコンサートは女性<男性だったけど、アルゲリッチのコンサートみたいのは一気に女性が増える。女性は家では音楽をあまり聴かないってことなんだろうか?このCDショップとコンサートでの人種の違いってのは、ほかのジャンルでもあることなんだろうか?

さて、演奏。早速、シューマンが始まる。音が…遠い。2階席最後方ってこんなだっけ?しかも、3階席があるせいで天井低いし。これのせいで音こもっているんだよなぁ。これで、S席とか…眺望しか考えていないんじゃないか?オーケストラの演奏は…ここ1ヶ月でコンツェントゥス・ムジクス、ロンドン交響楽団と贅沢しまくったせいで、耳が贅沢になっちゃっているようだ。刺激が足りない(汗)ひどい贅沢もんだな。とは言え、アルゲリッチのピアノは凄い。魅惑的。

おいらが、このコンサートに行こうと思ったのは、2曲目のラヴェルが聴きたかったからなんだけど、これはもう天上にいる気分だった。1楽章からもホント、雲の上に漂っているような気分。で、大好きな2楽章に入る。木管の掛け合いの中をキラキラとピアノが泳いでいく。そっと添えられていくヴァイオリンの囁きは爽やかなそよ風のよう。ひたすらに耽美的。こんな美しい音楽があるのだなぁ~。3楽章は一気呵成に推し進めていく。だけど、ふっ飛ばすって感じじゃない。「どう?このメロディ綺麗でしょ?」と言わんばかりに聴かせてくれる。

で、アンコールにこの終楽章をも1回やって、更にシューマンの小曲2曲。1曲目、子供の情景の曲だよなぁ…と思っていたら、どこからか、「ショパンじゃない?」と聴こえて、「え?そうだっけ?」と一瞬迷ってしまった。このアンコールも美しかった。聴衆の熱狂と対照的。

今年のコンサートはこれでひとまず終了。良い演奏にたくさん出会えてよかった~。


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前から利用したいけどどうしようかとぼやき続けていたベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホール、遂に日本語化したらしい。しかも、ちゃんとした日本語。外国の楽団にありがちな怪しい日本語じゃない。これは誘いなのか、そうなんだな?もう利用しちゃうしかないのか…。つか、日本にそんな大きな需要あるのかなぁ?

それにしても、外国のオーケストラって凄い。こういうインターネット配信ももちろん、ネット・ラジオやYoutubeなど新しいメディアも積極的に使っている。さらに、CDショップに行けば、ズラリと自主製作CDが並ぶ。ロンドン交響楽団、シカゴ交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団。また、自主製作ではなくても、放送局やレーベルと提携して魅力的なライブ盤をどんどん出してくる。極東の日本にも音楽ファンにこれだけPRしてくる。

対して、日本のオーケストラは…頑張って欲しい…なぁ。

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HMV Onlineで輸入盤クラシック全品40%OFFと言うのを11月27日限定でやっていたらしい。毎日見ているのに見逃したぜ(涙)。でも、さ、HMV Onlineって、結構、豪快に30%OFFとかやっているけど、あれって、一般価格に対してなんだよね。オンライン特価とか、いつもやっているマルチバイ特価に慣れている目からしてみると、「あれ?全然安くなっていない…」と思ってしまう。一般価格で買う人なんていないのにねぇ。これは、結構な罠だ。買ってしまうからな!!(滝汗)

さて、新譜の話題。一つ目は、クーベリックのハイドン、聖チェチーリア・ミサがDVD化されるんだそうだ。もの好きな…欲しいけど(笑)。これ、たぶん、つうか、間違いなくORFEOからCDで出ている演奏会だろな。1982年、オットーボイレンのベネディクト修道院バジリカ聖堂でのライブと言うデータは同じ。細かい日付はDVDの方が詳らかにされていないけれども、まぁ、教会で複数日コンサートやるとも思えないし(あ、ミサか…)。歌手も同じで、ルチア・ポップ、ドリス・ゾッフェル、ホルスト・ラウべンタール、クルト・モル。豪華。

そう言えば、ベトナムで売っていたゾッフェルと言う虫除けは強力だった。ベトナムで変な虫に刺されるのがいやな方はぜひ。

二つ目は、ビエロフラーヴェクのヤナーチェクの歌劇『カーチャ・カバノヴァ』。こちらもDVD。ビエロフラーヴェクのヤナーチェクは1999年のプラハ国民劇場の来日公演で『イエヌーファ』を聴いたけど、とても素晴らしいものだった。管弦楽曲など、CDで出ているヤナーチェク作品もどれも良い出来だ。しかし、母国の先達の仕事が立派なせいか、マルティヌー以外の母国チェコ作品の録音にはそれほど恵まれているとは言えない状況だと思う(とくにオペラ)。そんな中、2年前にブロウチェク氏の2作を新しい手兵BBC交響楽団を振って、唐突にドイツ・グラモフォンからリリースさせて驚かせてくれた。こちらの評判は上々だったので、次は?と思っていたら、今度は『カーチャ・カバノヴァ』。しかも、マドリード王立劇場。は?日フィルの方が全然意外性ない。何故唐突にスペイン?別に、チェコとイギリス以外で活動しちゃいけないって法はないけど、どっから出てきたのか、不思議。つか、スペインの歌劇場でこんな豪華なプログラムをやっていたなんて…すごい。

それにしても…『イエヌーファ』は?『利口な女狐の物語』は?『死者の家から』は?ヤナーチェクのオペラでは『カーチャ・カバノヴァ』は、この3作に次ぐメジャー作品かもしれないが、それにしてもメインに入ってこないなぁ。次は、『マクロプロス事件』かな?『シャールカ』とか、『運命』ってことは、流石にない…と思うが。

って、ヤナーチェクのオペラをだいぶ列挙してみたが、憂鬱な内容か、奇抜な内容のオペラばかりだな。やっぱ変人か、ヤナーチェク。

 

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ゲルギエフ&ロンドン交響楽団の来日公演に行ってきた。演目は、シベリウスのヴァイオリン協奏曲(諏訪内晶子)とマーラーの交響曲第1番『巨人』。19世紀末から20世紀初頭に活躍した、壮大な宇宙を感じさせる2人の作曲家を組んだ一夜。

こりゃ、面白そうだ!と早々にチケットをゲットしたわけだけれども、野暮用でギリギリにサントリーホールへ。席に着いて、ホッとしていると間もなく開演となった。

最初は、シベリウス。開演を待ち、静まり返った会場。壇上に楽団員が一人現れた。パラパラと拍手が起きる。が、なぜか一人だけ。彼はコントラバスを持って、苦笑い。会場にも笑いが巻き起こる。なんだったのだ?その後すぐにぞろぞろと団員が登場。

ここで、「やっぱり…」と後悔の念。前過ぎた…。3列目。真ん中ならソリストがよく見えて音響的にもいいんだけれども、どっちかに寄ってしまえば…。いっそ後ろの方が全然よい。ソリストが少し態勢を変えただけで、聴こえ方があっという間に変わってしまう。しかも、指揮者、ソリストはよく見えるものの、ほかは1stヴァイオリンばかり。せっかくの両翼配置もこれでは…。これ、S席にしていいのかなぁ。選んだのおいらだけど(汗)あんまり選択の余地がなかったのだ。

それでも、演奏は素晴らしかったと思う。いつも聴いているのが、オイストラフ&ロジェストヴェンスキーと言う豪快盤なので、線が細く感じられたけれども、パワフルなオーケストラを向こうに回して、集中力高く弾き切る様は圧巻だった。アンコールは、J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番の第3曲。これも大変良かった。そう言えば、ヒラリー・ハーンもアンコールで無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータからの1曲を演奏していた。実を言うと、ヴァイオリンってソロの曲がそれほど多くない。だから、こういうところでアンコールとなれば、J.S.バッハの無伴奏ばかりになってしまうのだろう。ヴァイオリン協奏曲のコンサートに行く時は、この曲を知らずしていくのはもったいないかも。

休憩をはさんで、後半はメインのマーラー。やっぱ場所が場所なだけに、音響のバランスの悪さは相変わらず。1stから時計回りにチェロ、ヴィオラ、2ndと並んで、チェロの後方にコントラバスがぞろりと並ぶ。おいらは1st側なので、この並びだと低音がゴンゴン響いてくる。姿はチェロの数名が見えるだけで、ほとんど見えないのに…。金管も見えないところからバカスカ鳴ってくる。打楽器の力強さも凄い。たまにシンバルが上に持ち上がった時は見えたけど、これも全く見えないんだよなぁ。

それにしても、ロンドン交響楽団の音とはこんなにも煌びやかなものだったのか。生で聴いて改めて痛感。絢爛に、しかも、豪快に鳴り響く。これはすごく魅力的なサウンドだ。ゲルギエフの指揮もダイナミックで、強力な『巨人』が紡がれていく。ただ、ゲルギエフの強烈な個性はやや影を潜めていたかもしれない。どちらかと言えば、正攻法か。とは言え、終楽章が轟音を立てて終わった時、得も言われぬ高揚感を感じずにはいられなかった。未だに、あの響きが頭から離れない。都響のマーラーが素晴らしいとは言え、こういうロンドン交響楽団独特のサウンドを聴かさられると、「やっぱすげぇな…」と息を呑むことしかできない。

終演後は大喝采。なんか、演奏後の指揮者ってカッコよく見えるよなー。容姿がどうであれ。あ、ゲルギエフ、別に容姿悪くないっすよ。落ち武者野武士みたいでワイルドでいいじゃないか!

出店していたタワーレコードもLSO Liveの『巨人』が大量に売れていたみたいだ(笑)。

ちなみに、今回のコンサートには皇太子閣下殿下様がおいでにならせられたもうておって、演奏者とは別に拍手をしなくちゃいけなかった。あんま珍しい事じゃないんだけど、おいらははじめてかな?あれ?どっかでもやったような気がするけど、どうだったかな?皇太子閣下殿下様は学生時代、学習院大学のオーケストラでヴィオラを弾いていたので造詣は深いはず。なんか、大変だな~、好きなコンサート行くのも大仰で。良い席は取れるかもしれないけど…。

もひとり、小泉元首相も来ていたみたい。一人でふらっと。隣に座られたらやだな…。多分気にしないけど(笑)。


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ベルリン古楽アカデミーのヴィヴァルディの二重協奏曲集を聴いている。バロックなので、後世の協奏曲ほどソロが主役になって活躍するわけではないが、普通の協奏曲に比べると二重協奏曲は華美なものだ。2つの楽器の掛け合い、それに合奏との融和によって、素敵な音楽空間が広がっていく。

このCDはそんな二重協奏曲でヴィヴァルディの魅力をとことん満喫できるものだと思う。まず、1曲目がいい。合奏協奏曲RV.156。1楽章の刻んでいくようなリズムに煽られるようにカッコいいメロディが盛り上がっていく様は一度聴いたら頭から離れないだろう。もう、とにかくカッコイイ。演奏は、早いわけではないんだけど、決して緩まない。鋭い響きがヴィヴァルディの音符に突っ込んでくる。十分に刺激的。古楽器楽団だし、貴族趣味的に流暢に流れてはいかない。情に溺れない。良いCDだ。

ところで、ベルリン古楽アカデミーって、ベルリンの楽団なんだろうけど、あんま、古楽の団体でベルリンって聴かないような気がするんだけど…盛んじゃないのかな?とにかく、ドイツだとケルンばっかり目が付くんだけれども…。

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ちょっと思い立って、飾ってみたいジャケットを10枚ほどピックアップしてみた。曲の内容は全く意識せずに、ポンポンと選んだんだけど、10枚とも古楽(仮にバロックまでとしておこう。古典派は過渡期)か現代音楽だった。これはどういうことなのか。古楽や現代音楽のジャケットがおいらの好みなのだ!と言ってしまえばそれまでだが、反ロマン派と言うか、ロマン派圏外の音楽は自由で新しいジャケットを作りやすい、と言うのもあるのかもしれない。翻せば、良く言われる古楽と現代音楽の結びつきに繋がることかもしれない。まぁ、おいらの好みごときでそんな深遠なことまで証明されるはずもないが…思い上り自重。ただ、現代音楽のジャケットはロマン派向けではないが、古楽のジャケットに転用しても違和感が少ないものが多いんじゃないだろか。

さて、そんなわけで、古楽と現代音楽を考える上で、非常に素晴らしい例となる作曲家、アルヴォ・ペルトの作品を聴いている。スンマ(Summa)や交響曲第3番を収めた一枚。ヤルヴィ一族の長男パーヴォが自身と作曲家の故郷の楽団であるエストニア国立交響楽団を振ったもの。交響曲第3番以外は弦楽合奏のための作品。

ペルトは、当時のソ連政府から目をつけられたことからも判るように、そもそも前衛的な作曲家として出発し、試行錯誤の末、古楽、特に古い教会音楽(中世・ルネサンス音楽)にインスピレーションを得て、現在のスタイルに落ち着いた人だ。交響曲第3番でも、前衛的な香りを残すが、現在のペルト独特のスタイルは既に十分、感じ取ることができる。しかし、あの透明感、静寂感溢れる響きは、その他の弦楽合奏で更に強烈になり、魅力的に聴衆の心をつかむ。音楽を流しているのに、静寂。ひたすら静寂。ペルトの音楽を止めてみると、突然、エアコンの音、PCの音、X-BOXの音が煩わしく聴こえはじめる。音楽が心を鎮め、沈める。そうして、精神的なところで聴衆は静寂を強く感じるのだ。

この感覚に似たものは、他の音楽でも感じることができる。そう、ルネサンスの教会音楽だ。感情の起伏を露わにせず、冷たい表情で教会に鳴り渡るあの無伴奏、あるいはオルガン伴奏の合唱を彷彿とさせるのだ。前に書いたように古い教会音楽の影響が顕著なのが良く判る。

そこにミニマリズムが入り込む。一瞬、ペルトの音楽と、テクノ・ミュージックの成立に多大な影響を与えたミニマル・ミュージックが、頭の中で繋がらないが、聴いていれば何となく判るはずだ。この心地よい退屈感(誰かが言っていた表現の引用)に満たされていく感覚にあの響きがあることが。

このペルトの響きの寂寥感、静寂感を讃えた美しさ…はまれば抜け出せなくなる。しかし、一般人には「眠くなんね?」で終わるんだろうな~。入門は、タブラ・ルサかな?合唱曲も聴いてみねば。


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久しぶりに神保町に行ってきた。なんか、とっても久しぶりだ。神保町と言うと、本の街=知性の街なんて言い方をされることがあるけど、裏を返してしまえば、オタクの街ってことでもあるのだ。クラヲタ的にも、なかなか魅力的な街なのだ。音楽書の類も良いんだが、マニアックなレコード屋さんも多い。フルトヴェングラーのサインが店頭に飾られていたり、CDでは見たことのないようなLPがとんでもない値段で売られていたりする。おいらの財布じゃ、逆に何もできずお金も減らなかったりする(笑)。

そんな神保町にいつの間にか、クラヲタ必見ポイントが一つ増えていた。ディスク・ユニオン神保町店になんと、クラシック・コーナー開設。…って実は、随分前に開設されたらしいんだけど、中古品には興味がないおいらは、まるで気が付かなかった。

狭いながらも(御茶ノ水店ほどではないにせよ)なかなか品揃えは豊富で、廃盤探しには期待できそうな予感。人が多く、商品の回転の速そうな御茶ノ水店よりは「残り物に福」がありそうだ。ちなみに、おいらは御茶ノ水店で目ぼしい廃盤CDを見つけたことがない。やっぱ、あれだけヲタが集結していると、それなりのものはあっつう間に消えてしまうんだろう。頻繁に通い詰めて、新入荷品をチェックしなくてはならない。こうなると店頭に並んでいるのは、普通にどこでも手に入るようなものがほとんどだ。しかも、廉価盤全盛の時代だけに、中古の方が新品より高い、なんて滑稽なことも頻繁に起こる。

さて、こんな風に新しい店舗を持ち上げたのは、目ぼしいものを見つけたからである。先日、このブログで記事にしたアーノンクールのモーツァルトの交響曲のうち廃盤になっている31番と33番のCDを見つけたのだ。あとは残念ながら見つからなかった。本来ならば、国内盤で出た中・後期交響曲集があればいいんだけど、そんな贅沢はなかなか言えない。ここは、まずもって、31番と33番だけでも、ぜひ聴いてみたかったので購入した。って、現役盤の38盤から41番の後期交響曲も買ってないのだが…廃盤って言うといきなり欲しくなったりするんだよね~。

購入したのは初期のTELDEC盤。お値段3,800円と書いてある国内盤。レーベル面にもMade in Japanと明記されているが、日本語解説はない。どういうことなんだろう?まぁ、要らないからいいけど。お値段は800円程度だった。少し気になったのは、PCに取り込めるかどうか、と言うところだったけれども、問題はなかった。

内容だけれども、期待通り、アーノンクールの音楽が溢れてくる。31番、副題『パリ』。モーツァルトの交響曲には他に『プラハ』、『リンツ』と、2つ地名の付いた交響曲があるが、何れも、そこで作曲したとか、その地のために作曲したとか、その程度の理由で、曲に強くプラハっぽさが出ているわけではない。ただ、『パリ』については、モーツァルトがフランス音楽界をリスペクトしていなかったからかもしらないが、モーツァルトらしい輝きがやや影を潜めているような気がする。駄作とまでは言えない、寧ろ、名作ではあるんだけれども、パリの聴衆へのウケ狙いを強調し過ぎた故の虚ろさを時々感じるような気がするのだ。まぁ、妙に好きな曲ではあるんだけどね…。

こういう曲は、ありきたりの演奏をされると、ホント、退屈になる。だから、アーノンクールみたいな個性の強い指揮者の演奏の方が面白いのだ。テンポは思ったほど(あくまでも、思ったほど、である)揺れないが、それにしても、色んな仕掛けをしてくる。もちろん、そこに不自然なあざとさはなくって、自然に刺激的なモーツァルトの音楽が紡ぎだされていく。ちなみに、『パリ』には第2版による第2楽章も付いている。研究熱心なアーノンクールらしいおまけだ。

33番は後期6大交響曲の前にあって、地味な存在だが、なかなか小粋で魅力的な曲だ。もし、「モーツァルトを聴きたいんだけれども、どの曲が良いか?」と尋ねられたら、ぜひ推薦したい曲の一つだ。有名曲ならではのマンネリ的な先入観もないし、モーツァルトの魅力を手短に味わえる。こちらもアーノンクールの演奏は素晴らしい。優雅にノリはしないが、鋭い切れ込みが耳に心地よい。こんな素敵なCDを廃盤にしておく、ワーナーって何なんだろう?


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先日、このブログで書いた、終戦間際のフルトヴェングラーの記録、続編ってわけじゃないんだけど、今日、1945年1月28日のブラームスの交響曲第2番(ウィーン・フィル)と1月23日のブラームスの交響曲第1番(ベルリン・フィル、4楽章のみ)がHMVから届いた。とりあえず、前者を聴いている。

このCDは2004年のフルトヴェングラー没後50年にあわせてリリースされたものだが、演奏自体は以前から何度か、CDやLPで復刻されているんじゃないだろうか。今回のレーベルはARCHIPEL DESERT ISLAND COLLECTIONと言う、ヒストリカル録音のレーベル。1,000円以下の廉価盤だが、音質は悪くはない。フルトヴェングラーの戦中のラスト・コンサートである旨、ジャケットに掲げられているが、記載の通り、1月28日のコンサートであるならば、ラストではない。次の日も演奏している(笑)。まぁ、それは細かいこと。だけど、翌月のスイスでの演奏ってのは、戦中にならないのだろうか?亡命した後だから、戦中ではない、と言う解釈なんだろうか。ちなみに、スイスでのコンサートでは、スイス・ロマンド管弦楽団とは放送用のライヴもあったみたいなんだけど、この録音はあるんだろうか。

録音の経緯等細かいところは、以前ブログに書いたので割愛しよう。で、演奏なんだが、これはもの凄い。1楽章から早めのテンポで前のめりに追い込んでいって、終楽章になってさらに凄い勢いでたたみかける。もちろん、勢いだけではない。休符の間も一瞬息ができなくなるほどの緊張感がある。多分に先入観が入りこんでいることへの批判を承知で言うならば、不安な時代の焦燥感とか、緊迫感が力となって音楽になっているのだろう。以前の記事でも書いたが、そういう感情移入は演奏家にもあるはずで、単なる先入観だと片付けるわけにはいかないと思う。何れにせよ、この演奏のもの凄い気迫には息を呑んでしまうこと請け合いだ。要注意、呼吸困難。カップリングは1943年収録のブルックナーの交響曲第6番(1楽章欠落)。こちらはあまり褒められた音質ではない。


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CDデータ化2,000枚を漸く超え、更に着々とコンプリート目指して任務遂行中。データ化を進める速さの割には残りのCDが減らないのは、謎である。謎と言うことにしておこう。新しいCDが追加されるので、既存のCDが進まない…なんてことは、きっとない。たぶん。大方。

ところで、話は変わるが、今、アーノンクール&コンツェントゥス・ムジクス・ウィーンに関する書籍を読んでいるんだけど、ある章で大真面目に「2回目のオペラとなるスケヴェニンゲンのツィルクス劇場でのプログラムは…」「アーノンクールはスケヴェニンゲンで、レジデンツ・オーケストラを振って…」と、エロマンガ島と並び、日本人に人気の外国の地名(?)が何度か出てくる。まぁ、あれですよ、そりゃ、色んな外国語があって、いちいち笑うのは失礼かもしれないけど、やっぱそんな地名が出てくるとは思っていない文章を読んでいて、突然出てくると何度か読み返してしまう。止むを得んですなぁ、こればっかしは。ネタでしか聞かない地名が実際に出てくるわけだから。

さて、アーノンクールと言えば、CDのデータ化がテルデックまでやってきたので、漸くPCから聴けるようになった(と言ってもまだ全部じゃないんだけど)。今聴いているのは、モーツァルトの交響曲第35番&36番を収めたCD。ロイヤル・コンセルトヘボウ管、流石に美しい響きだなぁ。アーノンクール節が炸裂しても、コンセルトヘボウ・サウンドは変わらず。ちょうど、先日のコンサートでも交響曲第35番の素晴らしい演奏を聴かせてくれたんだけれども、当然ながら、コンセルトヘボウはまた異なった味わいで良いのだ。つっても、アーノンクールのやりたいことは基本的に同じで、コンサートを思い出しながら聴くこともできる。

アーノンクールのモーツァルトと言えば、オペラやセレナーデをあといくつか持っているんだが、交響曲はこれだけ。先日コンサートを聴いた好印象でもう少し買おうかと思っている。で、初期交響曲集は入手の手筈がついているんだけど、後期交響曲をどうしようか思案中。コンセルトヘボウと行った一連の録音は、BOXで入手可能なんだが、なぜか、29番から34番までがすっぽり抜けている。もちろん、録音はあるんだが、現在廃盤中らしい。なんとも中途半端なBOXである。その上、35番と36番は持っているわけだから、それほど食指の動くBOXではない。どうすっかなぁ。

ちなみに、以前から「アーノンクールってモーツァルトの交響曲全集作らないのかなぁ?」と思っていたんだけど、実は、ほぼ完成していた。「ほぼ」と言うのは、解釈と言うか、見方によって、モーツァルトの交響曲全集と言うのは曲数が変わってくるので、交響曲全集と名乗っていてもものによってその内容が異なるため、「全集なのだ!」と本人が言い切らない限りは完成したとは言い切れないからである。アーノンクールの場合は、曲数的には十分に「全集なのだ!」と言い切っていいものなのだが、そう言う形では出ていないから…。

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HMVの最新ニュースは情報がまとまっていて便利なんだけど、こればかり見ていると興味深いものを見逃してしまうことがある。販売元からの営業とか関係ありそうだしなー。

で、こういう振りがあるっつうことは、見逃していたんである。ものの見事に。それが、スークの交響詩『人生の実り』と交響曲第1番を収めた1枚。演奏はビエロフラーヴェク指揮するBBC交響楽団。最初に、ビエロフラーヴェクがBBC響の指揮者になった時は、「は?なんの繋がり?」とその突拍子もない情報にうろたえたものだが(!)、いざ、このコンビの新譜がちょくちょく出てくると、意外に成功したコンビと言うことになりそうだ。個人的には、いつも新譜を首を長くして待っている。

つうこって、なぜ見過ごしてしまった…。HMVでは9月9日に発売したことになっているから、2か月以上遅れを取った。不覚…(笑)。気付いたのは、店舗だったんだけど、これまでも全く見た記憶がない。新譜コーナーは入念にチェックしているつもりだったが、この程度では甘いのか!

さて、CDの内容だけど、期待に違わぬ出来。収録された2曲は録音の多い曲ではないが、共にチェコの先輩指揮者ノイマンが録音を残している。交響曲は作曲者が20歳前半に作曲したもの、『人生の実り』は40前後に作曲したものである。若々しいパワーはじける交響曲、ある種悟りの境地に入りつつある『人生の実り』。作曲者の変化を見るにも、このカップリングは面白いものだ。ちなみに、ノイマン盤は『人生の実り』1曲でCD1枚。ちょっと割高感がある。

演奏は、ノイマン盤はチェコ・フィルだけあって、ぬくもりのある柔らかな響きを出していたのに対して、BBC響を振ったビエロフラーヴェク盤は、ややメタリック(チェコ・フィルと比べればだけど)。交響曲での弾けた力強さは、ビエロフラーヴェク盤の方が楽しめる。と言っても、スークはドヴォルザークの娘婿だけあって、メロディアスな作曲家(とくに初期は)だから、歌心を失わないで欲しい。が、この点を取についても、ノイマン盤もいいけど、ビエロフラーヴェク盤も十分、聴き惚れることができる演奏だ。3楽章から終楽章に掛けての、馴染みやすいメロディに乗って、一気に歌いあげていく様は、聴衆もとっても盛り上がれる。

で、お勧めなのかと言うと、これが微妙なのだ。HMVで3,500円、ほかの店舗でも安いところで3,000円と、やったら高い。もちろん、SACD。だけど、輸入盤。何なのだ…この値段は。

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